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「おい」 「………」 「…おい、ツナ」 「…………・・・」
カチャ
「…………………」 「……(ムカッ)…ツナっ!!」 「えっ?!あ…あぁ、リボーンおかえ…り…」 「お前、普通ならもう10回くらいは死んでるぞ?俺はそんな腑抜けに育てた覚えはねえ…」 「あはは…は………ごめん…」 「ん?なんだお前顔が真っ赤だぞ?」 「あっ、ううん…なんでもないなんでもないなんでもない…ちょっと湯中りしちゃっただけ…」 「ほう。そんなに未来の俺はカッコよかったか?」
そう言ってニヤリと笑うリボーンが憎らしい… 確かに男のオレから見てもカッコイイとは思うけど…この身体中の火照りはそんなことが 原因じゃない訳で…
「っていうか、何気に初めてだったんですけど…」 「何がだ」 「…ううんっ、なんでもない。っていうか、身体冷えちゃったよ…もう一回お風呂入り直そ!」 「……・・・さっき湯中りしたって言ってなかったか?」 「……」
(絶対怪しまれてる〜〜〜でも、あんなこと言えないよな… よしっ、あれはなかったことにして、心の中にしまっとこ!あんなの何かの気まぐれだろうし。 最後なんか言ってたけど何言ってたかわかんなかったし)
そういうことでツナは納得することにした。 それでもやっぱり納得しきれない事はあるわけで…
10年前の僕。10年後の君。--10年前の僕。
「じゃ、オレもう寝るね。おやすみ、リボーン……?!な…なあぁぁぁあぁぁあぁあ?!!!」 「うるさいぞ、ツナ」 「だ…だってリボーンが……」
普通だったら絶対にありえない状況… いつも寝るときは俺の半径1メートル以内に近寄るなとか言うくせに… そもそもオレに触れられるのを極端に嫌がるくせに… あのリボーンがオレの布団の中に入ってきて、あまつさえオレに添い寝?!!! ツナは只今超混乱の真っ只中だった。 そんなツナに構わず、ツナの隣に陣取っていた牛を布団から引きずり出し、 邪魔者を排除したリボーンは満足したように眠りの姿勢に入る。
「死にてぇのか?俺は眠いんだ。大人しくしてろ」 「で、何してんのさ…」
ふと10年後の世界で会ったツナを思い出したリボーンは 徐にツナのパジャマのボタンを胸の辺りまでチャチャッと外すと、小さな掌を胸に這わせていた。 そして、ペタペタといまだ発育不全の筋肉の殆どついていない身体にチッと軽く舌打ちすると、 しょうがねぇな…と思いっきり嘆息してくださった。
「…まだまだ鍛え方が足りねぇな…10年後のお前はこんなもんじゃなかったぞ。 明日から鍛えなおしだな」 「……え゙…」
それだけ言ってスピィ〜と眠りに入ってしまった赤ん坊を未だに信じられないツナをよそに リボーンは極稀に見られるような幸せな顔でツナの胸に摺り寄せ鼻風船を膨らしていた。
「……一体向こうでなにがあったんだ…ダメだ…気になって眠れないよぉぉおぉぉぉお!」 「……うるさい」
ゴチィィイイン!
「いってぇえぇぇえええええええええっぇぇ!!」 「次起こしたら本気で殺すぞ」 「だったら、一緒に寝なきゃいいだろ…」 「なんか言ったか?」
カチャリ
「…ひぃいぃぃいぃいいいい!な、なにも言ってないです!!」 「ふん。さっさと寝ろ、明日から恐怖の特訓だからな(ニヤリ)」 「……(メチャクチャいい顔してらっしゃる…)」
今日一日でいろんな体験をしてしまったツナは、気になることは山積なれど 胸の中で眠る悪魔の恐ろしい特訓に備える為、そして胸の中にいる悪魔の存在を忘れ去る為 無理矢理眠ってしまう事にした。 その直後に勃発する寝床争いの戦いなど知る由もなく…
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