「ナルト」 「おう、青瀧。見つかったのか?」 「綱手様は短冊街よ」 「フン、近いな」 「サンキュ☆んじゃ、お前らはまだ里も大変な時だから帰ってやれ」 「わかったよ」 「気をつけてね、ナルト。どうやらあの大蛇丸も動いてるみたいだから」 「三代目に腕持ってかれたみたいだからのぉ…大方それの治療ってところか…」 「ま、大丈夫だろ。そんな弱っちぃ奴じゃねぇんだろ、綱手姫とやらは」 「うむ…じゃがのぉ…ちょっと気にかかることがある。先を急ぐぞナルト!」 「りょーかい」
壱 * 綱手- TSUNADE -
「ナルト、くれぐれもバレるなよ?」 「オレを誰だと思ってんだよ」 「しかし綱手は賭けには弱いが、人を見る目だけは人一倍あるからのぉ…お前でもわからん」 「まぁ、バレた時はバレた時じゃねぇの?どうせ里に帰ったらバラすんだしさ…」 「里に帰らせる為には、下忍のお前が必要なんじゃのぉ。 表のナルトはアイツの好きだった者たちによく似ておるからのぉ…」 「わかってるよ。火影になんかなりたくねぇからな…精一杯やらせてもらいますょ」 「フゥ…ワシもなりたくないからのぉ…っつーことで、綱手が街を出るまでに見つけるぞ!」 「へ〜い」 『しゅっぱーつ!!』
こうして火影になりたくない二人は意気揚々と綱手の元へ向かった。
「アナタの最愛の二人を私の開発した禁術で生き返らせてあげるわ。だから私の腕を治して」 「……」 「二人に会いたくないの?綱手」 「縄樹…ダン…」 「交渉成立かしら?」 「お前は…お前はその手を治して何をする気だ?!」 「(ΦωΦ)フフ…今度こそ完璧に木ノ葉の里をぶっ潰して、里に存在する全ての 美男子たちを手に入れるのよvv」 「……ふ、ふ〜ん( ̄Д ̄;;)(聞かなきゃ良かった…)」 「綱手様、こんな奴らの口車に乗ってはなりません!里の男たちがいなくなったら 私が結婚できません!!」 「シズネ…」 「弟様や叔父上だってそんなこと望んでません!綱手様もわかってらっしゃる筈です!! まさか?!自分は叔父上が復活すれば相手が居るからとか思ってらっしゃるんですか?!」 「お黙り、シズネ!」 「綱手様…」 「お返事はすぐにとは言いません。しかし一週間後にはもらいたい」 「……」 「そろそろ行くわよ、カブト。色良い返事を待ってるわ、綱手vv」
そう言い残して大蛇丸とカブトはその場を後にした。 その頃ナルトたちは塀の上に座ってのんびりとやり取りを見ていた。
「しかし…蛇の奴、相変わらずおっとろしいこと考えるのぉ…」 「なんだよ、自分も連れて行かれると思ってんのか?それとも独占欲?」 「んなわけあるかぁぁぁぃ!…まだそのネタ引っ張っとったのか…棘のある言い方しおって… ワシみたいな美男子、連れて行かれるに決まっておるのぉ」 「よし。蛇の気配も完全になくなったし、綱手とコンタクトとるぞ(無視)」
「綱手、お前に五代目火影の就任要請が出た(嘘だけど…)」 「三代目が…大蛇丸にやられたことは聞いた」 「大蛇丸?!なんで三忍の一人がじいちゃんを殺すんだよ!!(叫ぶの疲れる…)」 「その子供は…」 「うずまきナルトだよ」 「…この子が…」 「それよりも、どうなんだ綱手?」 「…有り得ないな。断る!」 「…火影になるの断るってどういうことだよ!!(やっぱすんなりいかねぇじゃんか… エロ仙人の案になんか乗るんじゃなかったぜ…)」 「フン…自来也、この子は前の弟子と違って少々口も頭も、おまけに顔も悪いみたいだね」 「?!(喰らい付いたみたいだな…もう一押しだ!)」 「…あんまり怒らせるような事言わんでくれ…(口が悪いのは元々だが… ホントは父親以上の頭脳と父親に良く似た美形なんじゃがのぉ…)」 「里の為に命を懸けるなんて…火影なんてクソよ…バカ以外やりゃしないわ」 「確かに…」 『?!』 「あ…じゃなくて、オレの前で四代目やじいちゃんを馬鹿にするなんて、 女だろうがババアだろうが関係ねぇ!!ぶん殴ってやる!」 「ババアは綱手様には禁句です!!Σあっ…」 「ババア…私に向かっていい度胸じゃないか…表に出な、小僧!それとシズネ…お前もだ」
「ナルト…くれぐれも本気出すんじゃねぇぞ…お前は負けず嫌いだからのぉ…」 「わーってるよ」 「なんだい、自来也。弟子にアドバイスでもしてんのかい?たかだか下忍…指一本で十分だ」 「綱手…(知らないとは幸せな事だのぉ…ワシなんて恐ろしくてそんな事言えんわ…)」
ナルトは綱手の怪力でこピンで派手に吹っ飛ぶ。 それでも尚起き上がろうとするナルトに綱手は愛する者たちの姿と重ね合わせていた…
「お前は…なんでそんなに火影に固執する…」 「火影はオレの夢だから!!(決め台詞完了。これで堕ちたな…( -_-)フッ)」 「……」
事前に青瀧に調べさせた情報は正しかったらしい。 綱手の愛した者たちが吐いた台詞と同じ台詞に綱手は明らかに動揺していた。 隙が出来たところで、ナルトは最後の演出−螺旋丸モドキをお見舞いする。 綱手はそれに驚いたように目を見開くが、すぐに元の表情に戻ると自来也の方を向いた。
「修得できない術を教えてその気にさせんのはよしな…だから夢見がちなガキが火影になる だの戯言を言い出すのさ」 「戯言じゃねぇってば、バーカ!!こんなもん三日もあれば修得してやる! (ホントはこんなもんもう修得済みだし、これで逆上した賭け好きの綱手が 火影になることを賭けの対象として提示すれば…(*'ー'*)ふふっ♪)」 「なら…賭けをしよう」 「賭け?(キタキタ→!!)」 「一週間時間をやる。もしお前がその術をマスターしたら、お前が火影になれると認めて…」 「…え?」 「この首飾りをお前にやろう」 「は?!(゜Д゜)…そんなショボイ首飾りなんかいらねぇよ!!(火影になるって言えよ… っつーか話違うじゃねぇか!馬鹿仙人!!)」 「…まぁそう言うな、ナルト…(滝汗)…そんなもんでも売れば山三つは買える代物だぞ… (まっずいのぉ…(-。−;)このままじゃ、ナルトに殺される…)」 「まぁ、それでいいってばよ(覚えてろよ…馬鹿仙人め…)」 「つ…綱手!!久しぶりの再会だし、ちとワシと飲み直さないかのぉ?(必死)」 「……」 「シズネ、お前はナルトと一緒に今晩の宿でも探してくれ…いいだろう?(頼む!うんと言ってくれ!!)」
自来也は気持ち悪い笑みを浮かべて必死に懇願した。 なにせ、只今自分の命の最大の危機であるからして… その必死さに少し引きながらもシズネは快く引き受けた。
「わ…わかりました」 「…逃げやがったな…」
今晩は長くなりそうだ…
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