一ヶ月経過。

 

「もうちょっとで生まれそうだな。男の子かなぁ…それとも女の子か?

どちらにしろ早く無事に生まれて欲しいなぁ〜」

 

大きくなったナルトのお腹に頬擦りするのが習慣になったシカマルは今日も変わらず

ナルトの腹を大事そうに撫で回しながら赤ん坊に話しかけている。

 

「なぁ、ちょっと不安になったんだけど…」

「んあ?」

「生まれてきた子供が狐だったらどうする?」

「……そういえば、そうだよな…考えてもみなかったぜ…」

「やっぱ…気持ち悪いよな…」

 

泣きそうな顔で尋ねるナルトをギュッと抱き締めて、シカマルはニッコリと微笑んだ。

 

「馬鹿か。俺はお前と俺の子供が出来ただけで嬉しい。それがどんな子供でも俺はそいつを愛せる自信がある」

「シカ…」

 

 

 

 

06//出産//

 

 

 

 

「俗に言う、マタニティーブルーだねぇ〜ナルくんvv」

「父さん!Σ( ̄□ ̄) 脅かすなよ…っつーか、オレ気配すら読めなくなってるし…(ノ_-;)」

「僕もどんな子供が生まれても、大事に大事にするよ?」

 

四代目は嬉しそうにニコニコ笑いながら突然突拍子もなくそう言った。

 

「聞いてたのかよ…」

「ごめ〜んね。だって聞こえちゃったんだもん(*´∇`*)」

「ったく…でも、ありがと、父さん…」

 

ヨシヨシと女体化しても変わらずいつも通りにナルトの頭を撫でる。

自分自体がありえない存在であるからか、男同士の結婚だけでなく、

妊娠の事もすんなり受け入れてくれた父親にナルトはとても感謝している。

唯一血の繋がった肉親である父に受け入れられない事ほど悲しい事はないから…

ナルトは本当に嬉しそうに四代目に微笑んだ。

そんなナルトによく似た笑顔を返すと、四代目は突然ギュっと両手を握り締めた。

 

「それよりも問題はシカクの遺伝子と僕の遺伝子とどっちが勝つかだよね…」

『へ?!』

「だって、ナルくんは僕そっくりだし、シカマル君もシカクそっくりじゃない?」

『だから?』

「母親の遺伝子なんて無視するくらい僕らの遺伝子が強い証拠でしょ?」

『…確かに…』

「だから、これはシカクと僕の勝負でもあるんだよね!!だから頑張ってね、ナルくん!」←なんか違っ

「てことは、オレとシカマルの勝負なんだな!よ〜し、負けねぇぞぉ!!」←え?!

「いや…頑張るも何も…ったく、阿呆…」

 

 

ウッ…

 

 

「ナル?!つわりか?…ウゥ…俺まで気持ち悪ぃ…」

「それって男つわりって言うらしいよ〜」

『男つわり?』

「あんまりに仲良すぎる夫婦だと、奥さんのつわりが伝染るんだって(*´∇`*)

ナルくんちゃんと愛されてるんだね☆かく言う僕もねぇ…」

「ナルトをちゃんと愛するなんて当然です!」

「シカ、違う…」

「何が違うん…だょ………ナル?!」

 

お腹を苦しそうに抱えてナルトは地べたに蹲っていた。

慌ててシカマルはナルトと目線を合わせるようにしゃがみ、ナルトを覗き込む。

 

「どうした?」

「お腹…イタイ…」

「それって…シカマルくん!もしかして、陣痛じゃないの?!」

「!……お父さん、綱手様とサクラを呼んできてもらえますか?」

「任せといて!!待っててね、ナルくん!」

 

 

 

 

 

 

 

 

数時間後。

 

オギャァ、オギャァ…

 

「よっしゃぁ!オレの勝ちだぁ!!」

「…ナルト…( ̄Д ̄;;)(そりゃぁ、ナルト+九尾vs俺だけ…じゃ、勝ち目ねぇだろ…常識的に考えて)」