新婚生活を始めて一週間。

火影として、暗部総隊長として忙しいナルト、御意見番として、暗部副隊長として忙しい俺…

当然、まだ合体は叶っていない…

待つとは言ったものの、俺の欲求は今にも破裂しそうだった。

朝ご飯を作るナルトの姿をボーっと見ながら、俺はナルトを押し倒したい気持ちを精一杯抑えている。

 

「何、ボーっとしてんだよ?口元がにやけてるぞ…」

「いや、俺ってすげぇ幸せだなぁと思ってさ」

「///阿呆…」

「あとは…」

 

シカマルはナルトの腹を愛しそうに撫でた。

半ば呆れ気味にナルトはシカマルを見つめて嘆息する。

 

「…だから、オレ子供産めねぇし…」

「早く術開発しねぇとな…」

「…マジでやる気なのか( ̄Д ̄;;)」

「ったりめぇだ!奈良家の存亡が掛かってるからな!!それに…俺たちの子供、欲しいじゃんか///」

「……シカ///オレもオレたち二人の子供が欲しいよ…」

 

--ナルト、子供なら作れるぞ?

--え?凱亜、今なんて…

--だから子供なら作れると言ってるのだ。

 

「どうした、ナル?」

「凱亜がオレたちの子供作れるって…」

「マジ…で?」

 

シカマルは口に咥えていた箸をポロっと落とした。

 

 

 

 

04//子供//

 

 

 

 

「我ら物の怪は本来雌雄など存在しないのは知っているな?」

「ああ…」

「にも拘らず、どうやって我らは子孫を遺してきたと思う?」

「他の種族と交わるのか?」

「あながち間違ってはいないな…我らは人間に化けて里に下り、人間の男と交わるのだ」

「男?」

「ナルト、我らは雌にはなれるが雄にはなれぬのだよ…」

「だから、人間の男と…でも動物でもいいんじゃねぇのか?」

「うむ…恐らく動物は純粋すぎて、我らの毒気で汚してしまうことになるからだろう…

我らの間では人間を除く動物たちと交わる事は禁忌とされてきた」

「確かに、人間なら化物に一番近いからな…」

「ナルト…」

「ナルト、シカマル…よく聞け。我と深く交わったナルトならば我の力を使って子を宿す事が出来る

筈だ。そして我らが子を宿すことが出来るのは年に一度…その日が間もなく来る」

『いつだ(なの)?』

「十月十日、主の生まれた日だ…ナルト」

「オレの生まれた日…それって明日じゃねぇかよ…」

「人間に封印された状態でなど、試したこともないのでよくはわからないが…

やってみる価値はあると思うぞ?二人はどうしたい?」

「…俺は構わない、寧ろやりたいけど…ナルト…」

 

シカマルは心配そうにナルトを見つめた。

ナルトはそんなシカマルを見つめ返す。

自分の我侭でシカマルがずっと自分を抱けず、我慢しているのも知っている…

シカマルが本当に心から自分たちの子供を欲している事も知っている。

 

「オレ…お前の望み叶えてやりたいし…オレもシカとの子供が欲しい。だから…」

「だから?」

 

コクン、と頬を赤らめて頷くナルトの腕を引き寄せ、シカマルは大事そうにギュッと抱き締めた。

 

「ああ、ナルト…俺たちの子供を作ろう」

「うん///」