「ナ〜ルくん」 「…ん…」 「起きて、ナルくん」 「…うん……」 「もう暗くなっちゃったから、お家に帰ろ?」 「もぅちょっとだけ……?!」
ナルトはガバッと起き上がると周囲を見回した。 そして自分を覗き込む四つの顔の中に目的の人物を探し当てて、安心したように息を吐く。 ナルトはその目的の人物の胸に顔を埋めて、嬉しそうに呟いた。
「よかった…」 「?」 「夢かと思った…」 「大丈夫(⌒-⌒)僕はずっとここに居るから」
目的の人物−四代目火影はそう言って優しくナルトの頭を撫でた。 その同時刻…ナルトたちに向かって森を駆け抜ける者たちがいた。
弐 * 衝撃 - SHOCK -
--来るな!!
「ん?来るなって何が?」
ナルトはゆっくりと顔を上げ、自分と同じ色を持つ男が顔を覗き込んでいるのを確認し、 自分がミスを犯したことに気付き、軽く舌打ちをする。 目の前の男は曲りなりにも四代目火影…木ノ葉最強の忍だ。 念話が聞き取れないわけがない…
「ナルくん念話なんて使えるんだね〜さすが僕の息子vv」 「四代目火影だってこと忘れてた…」 「ナルくん何かバレちゃ不味いことでもあるの?」 「え゛…別に…」
と、ナルトの目の前、つまり四代目の後方に音も無く五人の暗部が降り立った。 慌てて降り立った五人は一斉に叫び、そしてその場に居るものを確認し動きを止める。
「総隊長!!……え?!四…代目?」 「おや〜キミたちは…お久しぶり(*´∇`*)」 「……まだ居たんですか…」 「ん〜なんか言った?」 「…いえ……」 「ところで総隊長なんてどこに居るの?ここには砂の三姉弟と僕とぉ、 と〜っても可愛い僕のナルくんしか居ないよ?」
暗部たちは訴えるようにナルトの方を向く。 一瞬にしてナルトの額に数本の青筋が浮き上がる。
「…こっち向くんじゃねぇよ!!」
突然起き上がったナルトはどこから出したのか巨大なハリセンで五人を叩きのめした。
「すびばせん…総隊長…グハッ」 「だから総隊長って言うんじゃねぇよ!このバカ劫火!!」 「え…ナルくんが…総隊長さんなの?!」 「ったく…だから出て来んなって言っただろ、バカ暗部ども…」 『…すみません…』 「来るなって言うほど危険な状態だと思って、お前を心配して出てきたんだよ…そいつらも俺らも」 「そうよ…あんまり怒らないであげてよ」 「みんなナルトのこと思ってしたことなんだからさ」
突然姿を現した三人の暗部にナルトを除き全員が声のした方を向く。
「驚いた…全然気付かなかったよ〜優秀な忍が増えたみたいだね、木ノ葉は」 「お褒めに預かり光栄です」
丁寧に挨拶をする朱寂に、ナルトは頬を赤く染めつつも不機嫌な視線を向ける。
「てめぇらまで出てきやがって…どうなっても知らねぇからな…///」 「あら?ナルトったらもしかして照れてる?」 「あ〜ホントだ〜〜ナルト可愛い☆」 「…五月蝿い」
ナルトは凶器−ハリセンを容赦なく振り下ろした。
『グハ…』 「バカだな…てめぇら」 「ついでにお前もだ、朱寂…」 「え…なんで……クッ…」 「参謀のくせに何も考えずに出てきやがって!!」 「…すみません…」
一連のやり取りを興味深そうに見つめていた四代目はナルトに近付き顔を覗きこむ。
「ねぇナルくん?一体どういうことか説明してくれるかなぁ〜?」 『……』
四代目からモクモクと流れ出る冷気に全員が後退った。
「どうもこうも見た通りだ」 「…ダメでしょ?子供がそんな危ないことしちゃ!!」 「危ないって…そんなの暗部だろうなんだろうが変わらないだろ?」 「う〜ん、それはそうだけどね。確かにナルくんは僕の息子だしぃ〜それだけの実力があって 総隊長だっていうのも頷けるんだけど、でもナルくんはやっぱり暗部なんてやっちゃダメ!」 「オレが生きていくためには力が必要だった…アンタは里の奴らを買いかぶり過ぎなんだよ!」 「…どういうことなの…?」 「オレが里の奴らに何度命を狙われたか…」 「そうなの?!…許せない…僕のナルくんにそんなことを… ちょっと殺ってくるから、そいつら教えなさい!!」 「教えるって言ってもな…なぁ?」 「なぁってオレに振るんじゃねぇよ…めんどくせぇε-(ーдー)」 「キミは何か知ってるの?」 「知ってるも何も…里の上層部、里の忍、一般人…つまり里人の大部分ですから…」 「そんなことすると、里が潰れちゃうから止めた方がいいですよ?私たちも何度消そうとしたか…」 「その度にナルトに止められたんだよねぇ…人手不足悪化させる気か?!って…」
うんうん…と八人の暗部が同調したように頷く。
「そっかぁ…全部僕の所為だね…ごめんねナルくん…キミたちもありがと。 にしても、我が息子ながら愛されてるじゃない?なんだか嬉しいよねぇ〜」 『四代目…』 「そうだ!これからみんな集めてパーティーしよう!!」 『え?!なんでそうなるんだ…』
こうして盛大なパーティーが催されることが決定した。
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