ある人物を探す旅に出る為、下忍のナルトが一人で旅に出る訳にもいかないので、

馴染みの師匠をお供に連れて行くことにしたオレは今自来也を捜索中である。

といっても居る場所など最初から見当が付いている為、オレはゆっくりと里外れを歩いていた。

そのオレを静かに気配を殺して後をつける男が一人…

 

「気配を消しきれないところはまだまだだな…」

 

 

 

 

 

* 螺旋 - NEJI -

 

 

 

 

 

 

 

人気のないのを確認してオレは立ち止まり、後ろを振り向かずに独り言のように呼びかける。

 

「いい加減出てこいよ」

「やはり気付いていたか…」

 

風に靡いて長い黒髪が揺れる。

 

「その割には驚いた顔しているみたいだけど?」

 

オレはククッと笑うと後ろを振り返る。

 

「なんか用か、日向ネジ?オレ忙しいんだけど」

「お前は一体何者なんだ?!」

「その台詞…結構聞き飽きてるんだよねぇ〜もう答えるのも面倒なくらい」

「ならば、何故あんな馬鹿なフリをしている?」

「質問変えても一緒。全部答えは同じだから」

「クッ…あくまでも言わないという訳か…」

「ただ面倒なだけだよ。そうだなぁ〜アンタがオレの下僕になるなら教えてあげるけど?」

「下僕だと?!ふざけるな!!」

「別にふざけてるつもりないんだけど?」

「……」

「そんなマジで考えんなよ…(-_-;)」

「俺を馬鹿にしているのか?!何も知らず宗家を恨んでいた俺を嘲笑っているのか?」

「そんなつもりもないんだけどねぇ…まあいいや。じゃぁこういうのはどう?

オレより強くなるのは無理だから、アンタがせめて上忍になったら教えてやるよ」

「上忍?」

「上忍になれば里の機密とかも入ってくるだろうし…もしそれでオレの正体を知っても、

それでもまだオレが何者なのか知りたいって言うなら聞きに来ればいい」

「分かった」

「あ〜待って」

 

踵を返してその場を去ろうとするネジを呼び止める。

 

「なんだ?今更撤回などしても遅いぞ」

「そうじゃなくて…この里さぁ、今人手不足なんだよね」

「…?」

「だから期限付き。一年で上忍になること」

「一年だと…そんなことできるわけがないだろう!誰かが修行をつけてくれるならまだしも…」

「独学だけで一年は出来ることは出来るけどなぁ…普通は無理だよな」

「お前が教えてくれればいい。俺よりも強いのだろう?」

「…ん〜、オレこれからいろいろとやることあるんだよな…う〜ん…暇そうな人…

暇そうな…ん?あーーーー!!イルカせんせーはっけ〜ん!!」

「おお、ナルト…とネジ?何してんだこんなところで」

「先生丁度いいところに来たってば(*´∇`*)」

「……なんかまためんどくさいことか?もしかして…」

「悪いけどさぁ〜こいつ鍛えてやってくれない?」

『は?!』

「ナルトがやればいいだろ?!」

「オレはこれからいろいろと忙しいの。だからお願い(o^∇^o)ノ」

「ったく…アカデミー改革の方もあるんだぞ…」

「そこをなんとか!」

「わかったよ…だが俺はいいが…」

 

イルカはゆっくりとネジを振り返る。

ネジは不思議そうな顔でナルトとイルカの会話を聞いていた。

 

「中忍のイルカ先生に鍛えてもらって、ホントにたった一年で上忍になれるのか?」

「一年で上忍か…またメチャクチャなことを…」

「イルカ先生なら大丈夫だって☆ネジ、よく聞け。イルカ先生は中忍という一番楽な位置に居たいが為に

上忍試験を受けないだけであって、実際は上忍以上の実力がある」

「実力をつけさせたの間違いだろ…」

「まぁどっちでもいいじゃん。あることには変わりないんだし(=´▽`=)」

「そうか…それならば俺も問題はない。イルカ先生、宜しくお願いします」

 

ネジは丁寧にお辞儀をし、イルカは後頭部に手を当て困ったような顔をした。

そのイルカの耳元に口を寄せ、ナルトは囁く。

 

「オレのこと絶対にバラさないでね(*´∇`*)後の楽しみなんだから」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一年後

イルカとの修行の結果、ネジは一気に上忍になった。

 

「へ〜さすがイルカ先生というか…ネジのど根性というか…」

 

ネジの忍者登録書を見ながらオレは面白そうに笑う。

そのオレを不思議そうに、そして僅かに引きつった顔で見つめている綱手にオレは登録書を渡す。

 

「ばあちゃん、こいつの暗部登録要請を」

「ああ…わかった」

 

楽しみだなぁ〜とニコニコ笑顔で窓から出て行くナルトに微かな不安を覚えつつも、

五代目火影−綱手は日向ネジに向けて伝令を放ったのだった…