俺が上忍になってすぐに来た暗部入隊要請…

上忍になって俺はナルトの中に封印されているものを知った。

だからなんだというのか…

実際に例の事件を経験していない俺にとって九尾は憎しみの対象にはならない。

ましてや里の愚かな大人達のようにナルトと同一視し、危害を加えるなどもっての外だ。

当然、俺はナルトが何者なのか依然として知りたいと思っていた。

その為に一年という短期間で上忍にまでなったというのに…

その期間を設定した本人は三年間修行で里には戻らないらしい。

肩透かしを喰らって落ち込んでいた矢先の要請だった。

上忍でもわからないことも暗部ならばわかるのではないか?

俺は期待とともに迷うことなく了承の意思を示した。

 

 

 

 

 

* 螺旋2 - NEJI2 -

 

 

 

 

 

任務から帰宅した俺の元に召集の為に飛ばされる伝令の鷹が来た。

この里では珍しい真白い鷹は暗部総隊長の証だと聞いたことがある。

その鷹は俺の手元に一通の伝令書を落としていく。

 

 

--日向ネジ殿

明後日子ノ刻マデニ死ノ森最奥ノ屋敷マデ来ラレタシ

             暗殺戦術特殊部隊統括総隊長 白狐--

 

 

なんとも曖昧な伝令文であるが、これも暗部としての真価を問われているのだろうと、

ネジは一つ息を吐く。

 

「まぁいい。明日は久しぶりの休みだからな…恐らくそこまで計算された上での

明後日という日取りの設定なのだろう…休日はしっかり休めということか」

 

ネジはフッと笑みを浮かべる。

しかしそれは大きな間違いだということをネジはまだ知らない…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌朝、誰かが扉をドンドンと叩く音がする。

ネジはせっかくの休みを邪魔するのは誰だと、眠い目を擦りながら起き上がり、

玄関へ向かった。

 

「イルカ先生…どうしたんですこんな時間に」

「こんな時間?!お前、今日は暗部の入隊式じゃないのか?」

「今日?何を言っているんです…伝令では明後日の子の刻までにとありましたが」

「だから今夜だろ?」

「確かに今夜ですが、別に亥の刻に出発しても間に合うでしょう?」

「無理だな…お前はあの森の怖さをわかってないんだ…」

「どういうことですか?」

「とにかく準備しろ。明後日に設定された理由が行けばわかる」

「はい」

 

ネジは何故そうもイルカが慌てているのかがわからず首を傾げつつも準備をした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よし入るぞ!」

「先生、入る前にどういう訳か説明して頂けませんか?」

「白眼で森の中を見てみろ…」

「……なんだこの森は…」

「少しは意味が分かったか?ここは総隊長が暗部実力アップを目的として作ったトラップの数々が

仕掛けられている世にも恐ろしい森なんだ」

「…しかし中忍試験の時にはこんな…」

「あの時は全部外してたんだよ。あれは物凄く大変だった…というかマジで死ぬかと思った…」

「イルカ先生が死ぬかと思うなんて…」

「ちなみにこの森は俺の実力でもクリアするのにはまだ六時間くらい掛かる」

「つまり俺の実力ならそれ以上掛かるという事ですね」

「そうなるな。さ、子の刻までに着かなければならないから

まだ余裕がある内にさっさと行くぞ!遅れたら後が怖いからな…」

「はい!!」

 

イルカとネジは少し緊張した面持ちで森の中に入って行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃 裏木葉

「今イルカ先生と一緒に森に入ったわ」

「そうか。どのくらいで此処まで来れると思う?」

「イルカ先生も居るし、思ったより早いんじゃないの〜」

「そうだなぁ〜ネジの絶対防御もあるし、夕方までには到着するだろ」

「甘いな…オレはギリギリだと思うぜ?( ̄ー ̄)」

『まさかまた何かやったのか(の)…Σ(; ̄□ ̄)』

「さあね(ΦωΦ)ふふふ…」

『やったんだ…俺(私)(僕)たちナルトの家から来て正解だったな(わね)(ね)…』