「とりあえず暗部入隊とあっては、まず総隊長殿に挨拶をしなくてはいけないんですね」
閑 * 月光2 - GEKKO2 -
「あれ〜ハヤテ兄ちゃん?」 「キミは確か…うずまきナルトくん」 「そうだってば」 「何故キミがこんなところに…」 「オレってば森の中を散歩してたらいつの間にか此処に迷い込んで出られなくなったってば」 「そうなんですか…それは困ったんですね。とりあえずそこらへんの人に聞いてみるんですね」
その場に居た誰もが自分に話しかけないでくれ!と心の中で叫んでいた。 大体そういう時に運悪く捕まるのは一定の人間で、今回も例に漏れず魚市が捕まった。
「そうたぃ…Σ(; ̄□ ̄)」 「おじさん、早退するってば?そんな下らないことより オレここに迷い込んじゃって…帰り道を教えて欲しいってば(*´∇`*)」
突き刺さるようなナルトの殺気に冷や汗を流しながらも、外への出方を教えると 魚市を含め、その場に居た全ての人間が一目散に何かと理由をつけてその場を去って行った。 それを不思議そうに見つめながらも、ハヤテは教えられたとおりに外出用の扉がある場所に向かった。
「多分ここの筈なんですね…えっと…壁に手を当てて…」
教えられた手順を思い出しながら、ハヤテはゆっくりと印を組んでいく。 しかし組み終えても扉は現れなかった。
--やっぱまだ回復も完全じゃないし、チャクラ不足かな?それともこの程度の実力か…
ナルトはじっとハヤテを見つめていた。
「ちょっと待って欲しいんですね」
ハヤテはゆっくり深呼吸をすると右手にチャクラを集中させる。 もう一度同じ手順で印を組むと、さっきまでは見えなかった扉が出現した。
「ハァハァ…結構きついんですね…ゴホッ」 「とりあえず合格…かな…っつーかなんか今にも死にそうだけど大丈夫なのか?!」 「合格?…ナルトくん?」 「木ノ葉暗殺戦術特殊部隊へようこそ、月光ハヤテさん(*´∇`*)」 「ナルトくん…君は一体…」 「暗部統括総隊長、白狐」
声がした方にハヤテは驚いたようにゆっくりと顔を向けた。 そして扉の向こうから現れた人物に笑顔になったハヤテは嬉しそうにその人物の名を口にする。
「夕顔!!」 「あ〜そういえば、ハヤテって夕顔の恋人だったっけ…」 「そうよ」 「これは一体…」 「紹介が遅れました。暗部統括総隊長の白狐です、以後お見知りおきを」 「え…あ…こちらこそこれから宜しくお願いします。 …っていうかつまりキミが僕を暗部にする為に死んだことにしたんですね…(-_-;)」 「あはは…まぁオレが通り掛らなきゃホントに死んでたんだから、いいじゃんヽ(=´▽`=)ノ」 「ホント…お前が死んだと聞いたときは心臓が止まるかと思ったぞ」 「ごめんね…」 「まあ生きているならそれでいい」
今までの裏木葉では見ることの出来ないピンク色の光景が繰り広げられている中、 ナルトは何かを思いついたようにニッコリと笑みを浮かべた。
「夕顔ってさぁ、一番隊だよね?」 「はい…(何か嫌な予感が…)」 「今日から四番隊に移動ね(*´∇`*)」 「え゙…四番隊ですか?!Σ(; ̄□ ̄)」 「恋人と一緒の部隊の方がなんかいいでしょ?ついでにハヤテの訓練宜しく〜」 「は…はい(良かったぁ…総隊長直々に訓練するんじゃないのね…)」 「あ、でも勿論オレもたまには見に来るからね」 「…(やっぱり来るんだ…( ┰_┰))」
そう言い残して扉の外にナルトは消えた。
「ハヤテ…頑張ろうね…」 「…なんだかよく分からないけど、頑張るんですね! ナルトくんに救われた命、大事にしないといけないんですね」
その命が近々救った本人によって危険に晒されるだろうことをハヤテはまだ知らない… 何故か自分まで巻き添えを食った夕顔はちょっとハヤテが嫌いになったらしい。
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