『きゃーーーーvv何あれ〜可愛いvvv』

「よ〜しみんな位置に付いたか〜?」

「じゃ、依頼人の家に迷い込んだ狐の捕獲作戦開始するわよ!!」

『は〜い(vv)』

「捕獲作戦開始!さっさと捕まえろよ、お前ら」

『了解!』

 

 

 

 

* 狐捕獲 - CAPTURE -

 

 

 

 

 

 

「ナルトなんか元気ないわね…」

「いつもなら張り切っていく奴なのになぁ〜」

「ワワン!」

「ナルトくん…」

「ウスラトンカチが…」

「…ナルト…」

『…』

「ほ〜らお前たち、さっさと行く!」

『は〜い…』

 

ナルトを気にしながら狐捕獲に向かう子供たちを見送って、カカシはナルトに目線を合わせるようにしゃがみ、

ゆっくり顔を覗きこむ。

今日の任務は里の大金持ちの庭に迷い込んだ狐の捕獲…正確には退治だ。

ただ狐というだけで、依頼人の太った男は退治を依頼した。

 

「狐なんて気持ち悪い!!さっさと殺してくれ!」

 

そう言って男は何故かナルトを睨み付けた。

そんなことは別にいつもの事で気にならないが、ナルトは罪もない子狐を殺す事が納得いかなかった…

カカシは優しくナルトの柔らかい髪を撫でながらニッコリと微笑む。

 

「ナ〜ルト?何も取って食おうって訳じゃないんだからさ…やっぱりちょっと抵抗あるの?」

「そういう訳じゃないけど…」

「確かにあの依頼人は酷いよね…依頼主じゃなかったら俺殺しちゃってるかも(*´∇`*)」

「…バカ…」

 

ずっと下を向いていたナルトがやっと顔を上げたのが嬉しくて、カカシはそっとナルトを抱き寄せる。

 

「…なんかさ…あの狐とオレって同じだなぁと思うとさ…殺すなんて…」

「だ〜いじょ〜ぶvv ちゃんと捕獲して森に返してあげるから(^-^)」

「ホント?!」

「うん。要は敷地内から居なくなればイイだけだし☆」

「…そっかぁ…オレってば頑張って捕まえてくる!!」

「現金な子だねぇ〜(*^-^)」

 

ナルトは勢いよく、他の下忍たちの下へ走って行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よーし!赤丸行け!!」

「ワワワン!!」

 

「ダメだってば!!」

 

ビックゥ…

突然聞こえた怒声と殺気に赤丸を含め全員が肩を竦めて振り返った。

 

『ナルト?!』

 

ムキになって殺気まで出してしまった事に気が付き、慌ててナルトは通常を装う。

 

「狐…怖がってる…ってばよ?」

「あ…そ、そうだな…ごめんなさい…」

 

何故か平謝りのキバの横をすり抜け、ナルトは優しい微笑を浮かべながら子狐に近付いた。

 

「おいで(*´∇`*)」

『なんか…ナルトがキラキラして見える…』

「ナルトくん…カワイイ…///」

 

そんな中ブラックなオーラを放つ人たちもちらほら…

 

「チッ…めんどくせぇ…」

「不味いわね…」

「ナルトスキ→が増えちゃうよ…どうしよ…」

「記憶消しとくか?」

『いいわね(いいかも)』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よしよし(*´∇`*)捕まえたってばよ!!」

 

ナルトは狐を大事そうに抱きながらカカシの元へ走って行った。

 

「センセ→カカシセンセ〜オレ捕まえたってばvv」

「ナ〜ル〜ト〜vvv(あ〜もぅ可愛すぎ〜〜!!)…って、あれ?!」

 

スカスカ

 

抱きつこうとしたカカシの腕は宙をかいていた。

ナルトは子狐を抱いて、そのまま森に超特急だった…

 

「オレってば森に返してくるってばよ〜〜〜」

「ナルト〜〜〜( ┰_┰)」

「あ〜めんどくせぇが、俺も行って来マス」

「あ、僕も〜」

「私も行って来ます」

「お前ら…」

 

シカマル、チョウジ、いのの順である。

 

「うぅ…待てぇぇぇい!センセーも行くぅぅぅ!!」

「お前は報告書だ…」

「離せ!!この煙グマ〜〜〜〜〜。°・(>_<)・°。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ナルト、何してんだ?」

 

シカマルたちがナルトの元に辿り着くと、ナルトは何かを考えるように子狐を見つめていた。

 

「なぁ、コレうちで飼わねぇ?なんか仲間とはぐれてずーっと一人ぼっちなんだって…」

 

そう言ってシカマルたちを振り返った瞳に三人とも見とれてしまう。

憂いを含んだ瞳ほど美しいものはない…キュゥーンと声が聞こえそうな…正にアイフル犬…

そんな瞳に逆らえるものなどこの世に存在するだろうか…

否、彼らには本来拒否権など存在しないのだが。

 

「///いいんじゃねぇの?」

「…///そうね…それに元々あの家はナルトの家なんだし…」

「うん、いいと思うよ///」

「そかvv 凱亜がさぁ〜自分が面倒見るって張り切ってんだ(o⌒∇⌒o)」

 

ナルトは嬉しそうに微笑み、子狐を優しく撫でた。

 

「もう寂しくねぇぞ。殺されもしないからな〜(*´∇`*)」

「お前もな…」

「…シカマル…恥ずかしい奴…」

「うるせぇ…///」

「でも、ありがとうってば///」

 

こうしてナルトの家に新たな住人?が加わった。