「くだらない…」

 

立ち上がろうとするオレをカカシはギュッと抱き締めて離さない。

 

「離せよ!」

「まぁ、待て。もうすぐ終わるから」

 

 

 

 

//占星術2//

 

 

 

 

「第十二の部屋。ここにはカードがないね…つまりナルトはまだ運命の人に出会ってない」

「運命の人ねぇ…」

「俺はもう出会っちゃったけどねvv」

「ふ〜ん」

「冷たいなぁ〜ナルトってホントはそんな子だったのね…(ノд-。)クスン」

「アンタも結構ふざけたキャラだったんだな…っていうか、運命の人って一人で言ってても

しょうがないんじゃねぇの?」

「大丈夫☆その子もすぐに俺のこと運命の人だと思うようになるからvv」

「ふ…ふ〜ん…( ̄Д ̄;;)また豪く自信満々だな…」

「これ見て」

 

ムダに自信満々なカカシは一枚の紙を取り出す。

それはさっき自分がカードを置いた紙の縮小版みたいな奴で、違うのはその紙に書かれ

た天体が…

 

「動いてる…」

「凄いでしょ♪んで、これがナルトのやつね〜」

 

同じ様な紙にオレが置いた通りに天体を書き込んでいく…

書き込み終わると印を組み、徐々に天体が動き始める。

その動きはまるでカカシと呼応するかのように一致していた。

 

「ねぇ、見てナルト。俺の星の動きとナルトの星の動きってなんか似てない?」

「それだけで運命と決め付けるのはどうかと思うけど?」

「でも、こうやってナルト来てくれたじゃない?それにナルトのことは昔からよく知ってるよう

な気がするんだよね…」

 

そりゃそうだろ…オレは父さんに瓜二つらしいから、そんな気がするのも不思議じゃない。

それでもなんとなくその運命とやらを信じてみたくなる。

こうしてカカシの部屋に導かれるようにやってきた今夜だから…

本当のオレを知られた事で少し今までの張り詰めた気持ちが楽になったのも事実だから…

 

「ある意味、こうやって出会ったのは何かの運命かもな…」

 

なんだか急に眠気が襲ってきて、オレは静かに目を閉じた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「運命に決まってるでしょ。これは俺が自分の手で勝ち取った運命。

そのうちお前もわかるようになるよ、ナルト…」

 

眠ってしまったナルトの頬を優しく撫でる。

愛しくて愛しくて…自分の兄のようだった四代目の大事な息子だから?

違うな…と俺は首を振る。

 

「俺はこの子に心底惚れてるんだよね…いつになったら気付いてくれるのかな?」

 

本当なら今すぐ押し倒してしまえる状況下で、スヤスヤと眠る少年…

こんな子供相手に本気で惚れている自分に半ば呆れながらも、それでもこの子供を

抱いて自分のものにしてしまいたいと思う。

 

「でもまぁ、今日はお預けにしときますか。こうやって抱いて眠れるだけでも幸せ…なんて

お子様みたいな恋愛も悪くないよね…それに…まだまだ先は長いからね…」

 

いつかナルトが気付いてくれるまで、いつかナルトが俺を愛してくれるまで…

それまではこれで我慢してあげる。

ナルトを起こさないようにベッドに運び、ナルトを抱いたまま眠りにつく。

ちゃんとおやすみのキスも忘れずに…

 

「おやすみ、ナルト。愛してるよ」