本戦一ヶ月前

「あれは…」

「ああ…あの容姿だけなら間違いなくナルトだな…」

「だけど…全然チャクラの質が違うじゃん?」

「それよりも…『あのバカっぷりは何だ!?』

 

 

 

 

 

* 我愛羅 - GARRA -

 

 

 

 

 

「あのアンコって特上許せない!ナルトの顔舐めたわよ…」

「ああ、あの目はナルトの可愛さにやられてって感じだったな…」

「ナルトを傷つけた上にナルトのホッペ舐めるなんて…」

『みたらしアンコも敵!!』

「お前ら…また訳わかんねぇことを…」

『ナルトvv』

「にしても第二試験の場所がこの死の森なんてな…」

「めんどくせぇから、影分身作って家で寝とこうぜ」

「そうだねぇ〜もしあの屋敷が見つかっちゃったら不味いしね〜」

「あの家が下忍ごときに見つかる訳ないじゃないの!でもナルトと五日間一緒に居られるならさんせ〜い!!」

「…そんじゃま、行きますか…」

 

第二試験開始と同時にナルト、シカマル、チョウジ、いのは影分身と入れ替わり森に消えた。

そして四人が消えたのを察知した者が三人…

 

「テマリ、カンクロウ…ちゃっちゃと終わらせるぞ」

『りょーかい(じゃん)』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ちょっと早すぎたかしら?」

「いいんじゃないの?五日間もめんどくさいじゃん」

「さっさとナルトたちのところに行くぞ!!」

 

1時間37分。

前代未聞のクリア記録を打ち出した我愛羅たちは影分身を置いて、

ナルト探索の為、再び元居た森の中に戻っていった。

試験会場は主に森の手前部分で行われる。

ナルトたちは試験のこともある為、恐らく森の中にいると考えた場合、

考えられる場所は一つ。

 

「この森の最深部まで来てみたが…」

「何もないじゃん」

「でも、ここ妙になんか気になるのよねぇ〜」

 

三人が辿り付いた場所、そこは間違いなくナルトの屋敷の目の前だった。

その三人を結界の中から見つめていたナルトはニッコリと微笑むと、結界を解除した。

突然目の前に現れた大きな屋敷と巨大な露天風呂に三人は目を見開く。

が、そこに立っている人物に気付き柔らかく微笑んだ。

 

「久しぶりだな、お前ら」

「ホント久しぶりじゃん、ナルト」

「元気だった?」

「何故砂に遊びに来ない…お前を待っていたというのに」

「悪い悪い…こっちにもいろいろ事情があってな。それよりまぁ中に入れよ」

 

そう言ってナルトは我愛羅たちを居間に通した。

 

『な…砂の…』

「木ノ葉の下忍か…何故こんなところに居る」

「それはこっちの台詞だろ…めんどくせぇ」

「どういうことよ、ナルト!!」

「ん〜オレちっちゃい頃よくじいちゃんに連れられて砂に行っててさぁ〜そん時よく遊んでたんだよな?」

「そうだな。よく露天風呂にも行った」

「露天風呂…ナルトとお風呂入ったのぉ〜〜〜?!」

「それなら私もあるぞ(笑)」

「ぬぁぁぁんですってぇ!!私だってまだ入ったことないのに!!!」

「いや、まだガキの頃だから…( ̄Д ̄;;)」

「ガキの頃でもなんでもよぉぉぉ!!」

「いの…なんかサクラとサスケ取り合ってる時みたいだってば…」

「そうじゃん…ナルトお前そのバカっぷりどうしたんだ?語尾とかさ〜」

「ん?ああ、オレが力持ってるってバレると里がうるせぇから猫かぶってんだよ」

『猫?!あれ猫なのか…虎かライオンの間違いだろ(でしょ)…( ̄Д ̄;;)』

「そうか…お前も俺もお互い大変だな…」

「オレの事を一番分かってくれるのはお前だよ…我愛羅…」

「だぁ〜めんどくせぇがナルトを抱き締めようとするんじゃねぇ」

「ム…邪魔するな!いいところだったのに!!」

「くそ…外に出やがれ!勝負だ!!」

「望むところだ!」

 

シカマルと我愛羅は一目散に外へ出かけていった。

 

「ったく…なにやってんだぁ?あいつら」

「お前は相変わらず鈍感じゃん…」

「にしても、我愛羅ってあんな奴だったの…なんか最初見た時と全然違うじゃん…」

「ナルトがいるとああなるのよ…普段は結構寡黙で可愛いんだけどねぇ〜」

「アンタも大変なのね…」

「それよりも我愛羅とやらせて大丈夫なのか?ただの下忍じゃ敵わないぞ??

なんてったって次の風影なんだし…」

「風影?なんだおっちゃん引退すんのか??」

「い…いや…なんでもない気にするな。それよりも…」

「それなら問題ねぇよ。アイツの実力は木ノ葉No.2だから☆」

「No.2だと?!下忍じゃないのか?」

「アイツはオレの片腕。ちなみにこいつらも全員暗部」

「マジかよ…驚きじゃん」

「ああそうだナルト…此処に来る途中、ありえない罠があったんだがあれは何だ?」

「あっ、そういえばなんでテマリさんたち無傷なのよ!!」

「我愛羅の砂の絶対防御があるからな…なんとか助かった…」

「そっかぁ〜絶対防御か…もっと強化しようかな〜?」

『やめてください…暗部壊滅するから…Σ(; ̄□ ̄)』

 

その場に居た者、通りすがりの暗部たちの総意である…

 

「ふ〜ん。まいっか。まぁゆっくりやってけよ(*´∇`*)」

「ああ。そうさせてもらおう…当分勝負もつきそうにないしな…(-_-;)」

 

テマリは大きく息を吐いた。

森で激しい戦闘の嵐が巻き起こっている最中、屋敷の中は何事もないかの様に平和に時間が過ぎていった。