「四神朱寂、青瀧、源武、只今参上いたしました」

「おお、よう参ったなお主たち」

「白狐は…居ないんですか?」

「今日は白狐抜きだそうだ」

「なんだか白狐に関わる大事な話みたいだよ?」

「イルカ先生にミズキ先生?!」

「あ〜源武は知らなかったっけ。なんか例の卒業試験の時にバレちゃったみたいよ?」

「正確にはバラしたっつーのがホントだな…てか俺お前に話したっけ…

めんどくせぇから話してなかったと思うんだが…」

「私が知らないことなんて白狐の事以外は殆ど無いわよ!」

「っていうかさ〜先生たちはいるのにカカシはいないんだね…」

「あやつは遅刻する、ナルトにすぐ喋りそう、すぐバレそう…などの理由で呼ばんかった…」

『それが正解だな(だね)(ね)…』

「四神はホントに仲がいいですねぇ」

「お、文燕じゃねぇか…各隊の隊長たちまで呼ばれたのか?」

「ああ、白狐に関する重要な事だ!!って言われたら来ねぇ訳にはいかねぇだろ?」

「あ〜魚市さん久しぶり〜」

「おう、坊ちゃん久しぶり」

『坊ちゃん?』

「あ…」

「ったく、そういう抜けてるとこは相変わらずなんだな…んで、俺たち四神まで集めた用は何ですか?」

「まず、白狐でも破れんような結界を張ってくれるか、朱寂よ」

「白狐でもって…そりゃ無理です。まぁ、何重かに重ねておけば大丈夫だと思いますが…」

「それでよい」

 

その場に居る全員の注目を浴びながら朱寂が複雑な印を何度も繰り返しながら組んでいく。

結界が網の目のように絡まっていくのが目視できるほどの強固な結界に誰もが唖然とした。

朱寂が最後の印を組み終えると結界はスッと姿を消し、朱寂は火影に向き直る。

それを見とめて、三代目火影は重い口を開き始める。

 

 

 

 

 

* 始動 - STARTED -

 

 

 

 

 

「儂はこの中忍試験を以って火影を辞任したい。この意味が分かるな?皆の者よ」

「火影を辞任…それはつまりもういい加減開放してくれということね!!」

「そうじゃ…もう火影の仕事はこりごりじゃ…ってそれもあるが…そうではない!」

「白狐を火影にってところか…めんどくせぇ」

「さすが朱寂、分かっておるではないか」

「しかし、白狐はまだ…その…」

「イルカ、お主の言いたい事も分かる。あの子はまだ子供じゃからのぉ…」

「え…あ…」

 

不安そうに周囲を見回すイルカに三代目はニッコリと微笑む。

 

「心配ない。ここに居る者たちは皆白狐がナルトだという事を知って居るからの」

「そう…なんですか」

 

イルカは安心し、そして少し落胆した様に嘆息した。

 

「確かにナルトはまだ齢12歳の子供じゃ…しかし、同時に火影に相応しいだけの力を持っている

ことも皆が知っておろう?ましてや、あの子は四代目の息子じゃて…その資格もある」

『四代目の息子?!』

 

唯一知らなかったイルカとミズキは大きな口を開けて驚いている。

それを見て面白そうに浅葱と打工が補足する。

 

「世間一般では知られていませんが、我々暗部の中では当然の事として知られています」

「あんな破天荒で金髪なんて、この里にはあの親子ぐらいだからなぁ〜」

『確かに…(-_-;)』

 

全員が納得した所で三代目の話は続く。

 

「しかし、あのナルトが大人しく火影になどなる訳がない。従って強硬手段に出ようと思う」

『強硬手段?!』

「ナルトがどうしても火影にならなくてはならない状況を作り出すのじゃ!

そこでお主たちの協力が必要なんじゃ…特に朱寂、お主の頭脳がな」

「ったくめんどくせぇ…が、ナルトを火影にするなんて面白すぎるな…

っつーことでしょうがねぇが協力してやるよ」

「そうね…総隊長の衣装もいいけど、火影の衣装もいいわねvvちょっと露出が減るのがなんだけど」

『私(俺)(僕)も協力します!!』

 

皆の心は一つに固まった。

こうして里をコロッと変えてしまう一大プロジェクトが決行されることとなる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「にしても…どんな状況だったらナルトが火影になるなんて自分から言うんだ?」

「ん〜そうですねぇ…三代目に死んでもらうのが一番いいんですがねぇ…」

「死ぬ?!儂が死ぬのか??Σ(; ̄□ ̄)」

「ええ(*´∇`*)」

「あ〜それなら丁度い話があるわよ!!」

「な…待てぇい!!儂は何も死んでまで引退などしとうないぞ!!

死んでしまったら昔から計画していた温泉巡りも楽しい隠居生活もできんではないかぁ!!」

「やっぱり目的はそっちなんじゃん…」

「……」

「まあ、死ぬって言ったって一時的に仮死状態になってもらって、

後はどこへなり行って二度と里に帰って来なければいい話ですから(*´∇`*)里抜けは俺に任せてください☆」

「死ぬのは決定なのか…( ┰_┰)お主たちナルトによう似てきおったのぉ…」

「で、青瀧?」

「あぁそうそう。なんかね、昔里抜けした大蛇丸って奴が木ノ葉崩し狙ってるらしいの。

その計画時期が丁度今度の中忍試験らしいのよ!」

「大蛇丸じゃと?!」

「ええ。あぁ…確か三代目のお弟子さんだったわよね?」

「そうじゃ…あやつめ…里抜けして隠れ里を建てただけでなく、このような事を企てておるとは…

よし、儂もこの際死んでも何でも構わん!あやつめにギャフンと言わせてやるわ!!」

「んじゃ、大蛇丸を利用して三代目には死んでもらうって事で。

まあナルトが火影になっちまえば、後は裏木葉で暮らしてもいいと思いますし…そう落ち込みなさんな」

「うむ…(儂火影なんじゃがのぅ…部下に慰められてるし…)」

「それじゃ〜私ちょっと音隠れ探ってくるわ」

「そうじゃった…音には薬師カブトという男を潜入させておる。そやつと連絡を取ってみるが良い」

「は〜い、そうしま〜す。んじゃ行ってくるわね」

 

恰もカブトの事を知っていたかのような口ぶりに三代目は瞠目するが、すぐに諦めたように嘆息し

青瀧を見送った。

 

「それでは詳しい計画は後ほど各々に届けます」

『了解』

「皆頼んだぞ…では解散!」

 

三代目の声にその場に居た者たちが姿を消す。

三代目はふぅ〜っと溜息を吐き、己の隠居生活に思いを馳せていた…