俺はナルトの担当上忍になり、いくつかの任務をこなすうちに次第にナルトに対して疑いを深めるようになった。 一度は違うと思った…それはあの可愛らしい笑顔をする少年が暗部であるわけがないと、 アカデミー一の落ち零れが暗部であるわけがないと… もしそれを隠して馬鹿をやっているなら、とんでもない役者だ… そんなことをたった12歳の子供に出来る訳がないと思った。 しかし…ナルトをずっと見続けているうちに、少しずつその行動に違和感を持つようになった。 ナルトのことが好きだから、毎日見つめているからこそわかる事… ナルトの行動は全て確かな裏付けの上で正確に、そして計画的に起こされている。 例えば、今回の事だってそうだ。 サスケに勝ちたいから、という理由で至る所にクナイを投げていると見せ掛けて、 的確に敵の意図を読み、更に敵が潜んでいる事を知らせる。 併せて度々行動を起こす事で、気の抜けかけるサクラたちの警戒心を呼び起こす。 考えすぎだと言われればそうかもしれないが…これが一度ならず今まで度々起こっているのだ。 そして俺は今夜、里の外である事を利用し、ナルトの本当の姿を知ろうと思った。
壱 * 案山子2 - KAKASHI2 -
白狐は任務を終え、波の国へ足早に駆けていた。 もうすぐタズナの家に着くというところ…森の中に見知った気配を感じ足を止める。
「何してるんですか?」
男はゆっくりと顔を上げると、少し驚いた顔をしながらもニッコリと微笑んだ。
「お久しぶり〜(^-^)」 「何を、しているんですか?こんなところで」 「キミはどこに行こうとしてるの〜?もう朝だよ?それに里は逆方向でしょ?」 「まだ終わって「白狐は任務を全て一晩で終わらせるんじゃなかったっけ〜?」 「何が言いたい?オレだって人間だ。一晩で終わらない事だってある」 「ふ〜ん、白狐も大した事ないね?」 「…(-"-)」 「で、終わらなかった任務ってどんな任務なの?ナ〜ルトvv」 「そ、それは…?…?!」 「見ぃつけたvv」
カカシはガバッと嬉しそうに抱きついてくる。
「はっ離せ!!っていうか、なんで分かったんだよ…完璧だった筈なのに…」 「だって、影分身にヒゲなかったよ…」 「ヒゲ……あんの糞オヤジ〜〜〜〜!!つーか離しやがれ!」 「イヤ☆やっと見つけたんだも〜ん(*´∇`*)まさかこんな近くに居たなんてね〜 ナルトの担当上忍脅し取って良かった〜ヽ(=´▽`=)ノ」 「…クソ…馬鹿オヤジ!こういう時には居ないのか?!」
ナルトは空に向かって叫んでみた。
ピカーン☆
「火影キーーーーック!!」
どこから降って湧いてきたのか、馬鹿父のキックにより再びカカシは地に伏した。 そしてその父に迫る黒い影…
「ったく、僕のナルくんになんてことするんだ…いくらカカシくんでも許さないよ(プリプリ)」 「で、誰の所為でバレちゃったんでしょうね…」 「な…ナルくん?!」 「…ヒゲ…付け忘れたらしいな…」 「あ…え…ヒゲ?!」 「これ」
ナルトはちょいちょいと自分の頬を指す。
「そ…そんなのあの時はなかったもん!!」 「開き直ったか…ふ〜ん」 「ナル…く…ンガァ…」
ギャァァァァァァ…(黄榴消滅)
「ふぅ…帰って寝よ…あっそうだ」
ナルトは小さな紙切れを出し、さらさらと整った文字を記していく。 それをペッタリとカカシの顔に貼り付けると、ナルトはそのままカカシを放置してタズナの家に戻って行った。
<カカシへ 朝起こすなよ。それと…覚悟しとけょvv ナルト>
「それじゃ、ナルトをお願いします…」 「はい」
お願いした通り、カカシはオレを起こさずにタズナの護衛に向かったらしい。 遅れて起床したオレは通りすがりの雑魚二人を片付けて橋へ向かった。 思った通り第七班の連中は苦戦している様だ。 特にカカシ…暗部辞めて腕鈍ったんじゃないのか?(注:暗部除隊させたのはナルトです…) 鍛え直さねぇとな…これからバシバシ働いてもらうんだし(*´∇`*) オレは手が滑ったフリをしてクナイをカカシのほうに投げる。
ヒュンッ…
今、カカシはさぞかし面白い顔をしてるんだろうなぁとナルトは霧の向こうを見つめて笑っていた。
--ちゃんと避けながら戦えよ〜当たったらクナイ二倍にしていくからな☆ --な…何するのナルトぉぉぉΣ(; ̄□ ̄)ただでさえ強敵再不斬と戦ってるのにぃぃぃ! --修行。 --え゙… --オレの為に強くなってもらわないとな〜 --ナルトの為?! --これクリアして再不斬に勝ったらご褒美あげてもいいんだけどなぁ〜 --ご褒美vvvやります!!男はたけカカシ、愛するナルトの為に頑張ります! --せいぜい頑張ってくれ(扱いやすい奴…やっぱりカカシおもしれぇ(*´∇`*))
カカシ対再不斬戦が白熱したのは言うまでもない…
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