「四神白狐、参上いたしました」

「うむ…で、なんで窓から入ってくるんじゃ…」

「なんとなくです」

「…お主たちまでこやつの真似をせんでもよい!」

『すみません…』

 

 

 

 

* 裏木葉4 - URA KONOHA4 -

 

 

 

 

 

「で?」

「先に申上げました組織化にあたって、それぞれの部門のエキスパートを五人育てました。」

「五人と言う事は、暗部を五部隊に分け、こやつらをを隊長として管轄させるということか」

「そういうこと。んで、任務も各隊長が振り分けるようにする。その方がじいちゃんも少しは楽になるだろ?」

「…白狐…(微笑)」

「各隊ごとに役割を決めました。ちなみに各隊長はSSランクを一人でこなせる実力の持ち主です」

「なんと…この短期間でのぅ…」

 

哀れみの目で三代目は暗部たちを眺めた。

 

「コホン…また各隊にはそれぞれ四神を在籍させますが、基本的には俺らは今まで通り四神として動きます」

「あぁ、それと各隊には目印の為に隊のカラーを決めてある」

「隊のカラーじゃと?」

「そっ。この耳飾の珠の色で所属の隊が見分けられる。あと一応コピー防止になってるから、

誰かが変化していた場合にはこの珠をコピーすることはできないんだ。つまり仲間同士の見分けにも使える」

「ほぅ…お主の開発能力はさすがじゃな…さて、では各隊の隊長たちを紹介してくれるかのぉ?」

「そうだな。おい青瀧」

「はいはい。一番隊は諜報専門部隊です。隊長は打工。私の技術の粋を教え込んであります。

既に互いの素性は知っています。隊のカラーは藍です」

「二番隊は俺−朱寂が担当します。以前から溜まっていた普通の解読部では出来ない暗号の解読

及び各任務の策略考案部隊です。隊長は文燕。知識、実力ともに文句なしです。

こちらも既に互いの素性は知っています。隊のカラーは紅」

「三番隊は僕だね。医療部隊の三番隊は医療忍術の研究、怪我の治療、救出など

医療全般に関する任務を受け持つよ。隊長は浅葱。料理の腕は僕が認めるよ☆」

『…汗』

「隊のカラーは翠だよ」

「最後に四番隊と五番隊だけど、担当は俺―白狐が受け持つ。

まず四番隊だけど、第一戦闘部隊ということで、基本的に暗殺とかそういったもの中心に受け持つ部隊。

医療忍術もかじってるから、ま、なんでもありのオールマイティー暗殺部隊てことで。

隊長は魚市。隊のカラーは白。

次に五番隊。多数対少数の戦い向きの第二戦闘部隊。派手な爆破攻撃とかを好む。

大所帯殲滅とかの任務はこっちに。隊長は劫火。隊のカラーは橙。

それとちなみに各隊長色は黒ってことで」

「うむ。して隊員はどうするんじゃ?」

「隊員は現暗部はオレが種類分けし、必要ない者は暗部から外します。

それ以外は隊長自ら素質があると認めたものを育てる様に言ってあります」

「承知した。それはお主たちに任せる。では契約を行おうかのぅ。

打工、文燕、浅葱、魚市、劫火前に出なさい」

『はっ』

「打工、文燕、浅葱、魚市、劫火…以上の五名を暗部各隊隊長に任命する」

『御意』

 

契約を終えた頃、一人が不思議そうに呟いた。

 

「そういえば総隊長殿はどうなったのですか?」

「朱寂」

「ああ…前総隊長、前総隊長補佐はあの森を突破できなかったので降格です」

『前…ということは…』

「新しい総隊長と総隊長補佐がいるということじゃな…のぅ白狐よ」

「なんだよ」

「総隊長になってくれんか?」

「え゙…朱寂じゃないけどめんどくせぇ。朱寂でいいじゃん」

「バカ言ってんじゃねぇよ…めんどくせぇ。実力から言ってもテメェがなるべきだろ…」

『我々からもお願いします!』

「白狐やっちゃえば〜?」

「そうよそうよ。総隊長の衣装着た白狐見てみたいしぃ〜vv」

 

--確かに…

 

この時白狐を除く全員の心は一致した。

 

『では、そういうことで!』

「お前ら…勝手に決めんじゃねぇよ( ̄□ ̄;)!!」

「只今をもって白狐を暗部統括総隊長に任命する。副隊長補佐には朱寂、お主に任せたぞ…

白狐をコントロールできるのはお主だけじゃからのぅ…(-_-;)」

「はっ。謹んでお受けいたします」

「や、だから人の話を聞け!」

『さぁ火影様、契約を!』

「待てつってんだろ…ヒョォォォォォォォ」

 

--ヤバイ…

 

辺り一面の気温は一気に氷点下まで下降した…が、それもすぐに和らぎ、

白狐は呆れたように呟いた。


「そんな焦って決めるなよ…オレ逃げねぇし。できればさぁ、きり良くアカデミー卒業してから就任してぇんだ。

だからあと一週間待ってくれねぇ?まぁ、卒業できるか謎だけどなぁ…」

 

--絶対に俺のIQ200フル活用して卒業させてやる!!

 

朱寂は静かに決意した。

 

「っつーことで、みんな依存ないな?」

「一つだけ…」

「やっぱり反抗的になったよな、お前ら…教育の仕方間違えたか?」

 

--大いに間違ってると思います!!( ̄Д ̄;;)


「我々の素性を四神は知っているが、我々は知りません。それは今後の信頼関係に於いて

問題が発生するのではないでしょうか?」

「…う〜ん…確かにそうだな…どう思う?」

「俺はもう一人には知られてるしな〜どうでもいいが…問題はお前だよなぁ」

「私も一人は知ってるからなぁ…問題はやっぱ白狐よねぇ」

「別にいいんじゃないかなぁ?バラしたら魚安くなるかもしれないし☆」

『…源武…( ̄Д ̄;;)』

「じいちゃん?」

「お前次第じゃ。お前が良いと思うなら晒すがいい」

「ま、もしこれで俺に向かってくるようなら、しょうがねぇから記憶消すか、他に新しいの育てればいいよな」

「そうだな。他にも優秀な忍はいる訳だし」

「それにもしダメならお前らが隊長になればいい話な気もするし」

『なんか…会話が怖い…』

 

--なんか俺らの立場突然ピ〜ンチ?!

 

『や、やっぱり結構です!』

「俺はなんとなく予想は付いたぞ」

『?!』

「おぉ、さすが五人中きっての頭脳だな。確証はあるのか?」

「はい」

「なんだ、言ってみろ」

「はい。まずあなた方はとても仲がいい友人なのでしょう。であれば朱寂と同じ年代。

その年頃で、更に朱寂の両親の関係から考えれば、総隊長を除く三人はすぐに見当が付きます」

「へぇぇ〜( ̄∀ ̄)」

「最後にさっきの会話から総隊長は素性を明かすと我々が向かっていくと仰った。

そして朱寂が生まれた頃起こった事件と噛み合わせれば、こちらも簡単に判ります」

「パーフェクトだ。さすが五人中きっての頭脳だな。お前に二番隊を任せることができて嬉しいよ」

「ありがとうございます、ナルト様」

『?!』

 

一瞬にしてその場が騒がしくなる。

白狐たちはその間に素早く印を組み変化を解除した。

 

『解』

 

煙の中から現れた子供たちに最初は皆驚いたが、直ぐに納得したように頷いた。

 

『?』

「あぁ、なるほどそういう事か…」

 

うんうん、と頷く隊長たちにナルトは訳もわからず訝しげな顔をする。

 

「なんでそこで頷くんだよ…」

「どおりでそっくりなわけだよ…」

「やっと納得って感じだな」

「なんなんだよ…」

「いやぁ、ずっと思ってたんだよなぁ〜誰かに似てんなぁってさぁ」

「そうそう、それがはっきりしてすっきりしたっていうか」

「ちょっと複雑な気もするがな」

『確かに』

「だ〜か〜ら〜どういうことだよ?」

『白狐って四代目にそっくりなんだよな(ですよね)〜』

「…だからなんだよ」

「白狐が四代目の息子のナルト君ならあの訓練も納得って事だ。

にしても源武があの秋道の坊ちゃんだったとは驚きだぜ」

「これからはいっぱい安くしてよねぇ〜魚市のおじさん(ニコ)」

「だから俺まだ35だから…」

「この年齢の子たちからしたら俺らなんて所詮おじさんだって…」

「にしてもナルトが四代目の息子だったなんて初耳〜シカマル知ってたの?」

「まぁな。お前でも知らねぇことがあるんだなぁ、いの」

「しょうがないじゃない、ナルトの情報はガードが固いんだもん」

「そうだよ。里の最重要機密をなんでお前ら知ってんだよ…」

『暗部ですから』

「いやいやいや…納得できねぇし」

「十二年前のあの大戦を経験した暗部たちなら、恐らく誰でも知っておるよ」

『三代目…』

「こやつ等はあの時四代目の手足として働き、最期まで奴の傍に居た者たちじゃからのう…

知っていてもおかしくはなかろうて…」

 

そう言って、何かを思い出す様に三代目は遠い目をした。

 

「四代目が亡くなる直前まであの人僕のナルくん可愛いでしょ☆って…大変でした…いろんな意味で」

「じゃろうな…」

 

きっとろくでもないことがあったのだろうと、全員が遠い目で空を見つめた。

その沈黙を破ったのはナルトだった。

 

「そっかぁ…みんな四代目を最期まで守ってくれてたんだねぇ…ありがとうな(*´∇`*)」

『…///』

 

そこに居た者全員がその可愛らしい笑顔に目を奪われた。

 

--俺たち隊長って結構美味しい立場かもなぁ〜〜〜///

--また敵が増えたか(増えたわね)…

 

「ま、何はともあれ…『頑張ろうなぁ(ねぇ)お互い…』

「お前らいつからそんな結束固くなったんだよ…」

 

木ノ葉暗部の結束は固い。

こうしてわずか三日の内に木ノ葉暗部の組織は大幅に変革した。

が、それはあくまで裏の話であり、外部に知る者は一人も居ないのだが…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

*おまけ*

必要ない暗部リスト

鼻垂

鼻水

空腹

末期




畑カカシ

 

「ん?誰だ〜畑カカシって書いた奴??これでも優秀な忍なんだぞぉ…ったくぅ…」

 

--ちっ気付かれたか…

 

(もっと旨くやりなさいよ、シカマル!!)

(そうだよ…)

(しょうがねぇだろ!ナルトの奴カナリ念入りにチェックしてるからな…幻術もすぐバレるし…)

(くそぉ…もうこうなったら(((殺るしかない!!)))

 

「お〜い、お前らそんな隅っこで何してんだ?」

『なんでもない(ねぇ)(ないよ)』

「ふ〜ん、変な奴ら…じゃ、オレこのリスト出してくるから。

あぁ、そうだ。たまには担当部隊の修行とか見てやれよ〜」

『おっ、おう(うん)…』

 

 

 

 

火影執務室にて

 

「むっ…本当にこれで良いんじゃな?」

「オレの辞書に間違いという文字はない☆」

「ハァ…わかった…受理しよう」

 

 

 

 

 

 

執務室を後にして数分…

 

「あ…カカシ、消すの忘れてた…ま、Sクラスとかできなくなるわけじゃねぇし…まいっか」

 

こうしてカカシは普通の上忍になったとか…

どのみちナルトの為に暗部任務と上忍兼務しようとしてたんだから問題ないよね☆

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんで俺暗部外されたの?!遅刻いっぱいしたからか?何でだぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

憐れカカシ…負けるなカカシ、ゴーゴーカカシ!アンタには明るい未来が待っている!!