「ミズキ先生…」 「どうしました?イルカ先生」 「ナルトのことで相談があるんです」 「ナルト君ですか?でも何故僕に?」 「いえ…ミズキ先生はその…ナルトに対して、なんというか」 「ええ、そうですね(^-^)私は別にナルト君も普通の生徒だと思っていますよ」 「良かった」 「それで、ナルト君の事でどうかしたんですか?」 「今年もまた卒業できないんじゃないかと思って心配なんです… この里の人はナルトを卒業させまいと、ナルトが最も苦手な術を試験に選んでくるし。 まぁ、それはできないナルトが悪いんですが… でも私はあの子を卒業させてやりたいんです」 「そうですねぇ…一つ、私に名案があります。私に任せていただけますか?」 「はい。是非お願いします!」
肆 * 海豚 - IRUKA -
「おい、ナルト」 「おう!シカマル〜」 「お前、今回は卒業するんだよな?」 「いやぁ〜それがまた<ナルト>の苦手な分身でさぁ〜今どうしようかなぁっと」 「だと思ったぜ…俺に名案がある。ちょっと耳かせ」
「不合格!」 「え〜〜〜」 「イルカ先生、合格にしてあげたらどうです?あんな分身僕にだって出来ませんよ」 「ダメです。ナルトの分身はただの足手まといを増やしたに過ぎない」
ナルトは背を丸めて悲しそうに教室を出て行った。 それを見てイルカは同じくらい悲しそうに顔を歪めた。
「ちょっと言い過ぎましたかね…」 「いえ、上出来ですよ。これでナルト君もやる気が出るはずです」 「そうですね…」 「では、手筈通りに」
教室を出たナルトはブランコに座ってぶつぶつ呟いていた…表面上は悲しんでいるように。
--シカマルの計画は完璧だ。そしてオレはきちんと言われた通り、不合格になり、 如何にも悲しいですと哀愁漂う様子で教室を出た筈だ。 そして極めつけは、このブランコと夕日…演出もバッチリだ。 イルカ先生を利用するのは悪い気がするけど、この際しょうがねぇよな…
だが物事はそう旨くはいかなかった。 ナルトに近付いてきたのはイルカではなく、ミズキだったからだ。
「卒業したくありませんか?」 「え?」
顔を上げるとミズキは優しげな笑顔で微笑んでいた。 この際利用するのはミズキでも構わないだろうと、ナルトはミズキに言われた通りにした。
「じゃぁ、行きますよナルト君」 「うん(*´∇`*)」
ミズキはナルトに向けて手裏剣を放つ。
「危ないっっ!!」
ズババババ
『へっ?!』 「イルカ先生…何してるってば…背中痛くないってば?」 「ナルト、その巻物を持って逃げろ!」 『え?』 「ミズキ先生はお前に<封印の書>を持ち出させて、お前を殺して奪うつもりだったんだ」 『はぃ?』 「何言ってるってば?オレ、<封印の書>なんて持ち出してないってばよ? ていうか普通ただのアカデミー生にそんなもん盗める訳ないってば…」 「えぇ?!俺はてっきりお前が三代目を倒して奪ったんだと…」 「いや…じいちゃんを鼻ぢブーにしたのはオレだけど、<封印の書>はきっとそこを狙って盗まれたってば」 「じゃぁ、ミズキ先生は何故お前に攻撃を…」 「だから言ったでしょ?ナルト君を僕が鍛えて、分身を出来る様にさせるって。 で突然悪者になった僕をナルト君が分身で倒して、それを見たイルカ先生が卒業させてあげるって…」 「でも鍛える事と攻撃は…」 「実戦で練習するのが一番だってば!」 「そうですよヽ(=´▽`=)ノなんだかナルト君とはとても気が合っちゃって」 「ミズキ先生…( ┰_┰)」
まぁまぁ、とミズキがイルカを宥めている間、オレはここからどう繋ごうか悩んでいた。
--どちらにしろ、話を聞く限りでは分身さえ出来れば卒業はさせてくれるみたいだけど・・・ --表向きはまだ修行の途中だから、分身見せる訳にはいかねぇし… --切羽詰って出来ちゃいましたぁ〜みたいな状況も作れねぇしなぁ… --シカマルが到着するまで待つしかねぇな…
ナルトが悩んでいると、ナルトたちの居る場所に近付く気配が三つ…。 ナルトはニヤリと笑みを浮かべた。
--ナイス!シカマル♪
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