「鬼だ…」 「悪魔だ…」 「…死んだおじいちゃんが手招きしてる〜」 「お花畑だぁ〜アハハ〜」 「…グハッ」
木ノ葉の人手不足解消計画は着々と進行していた。
閑 * 裏木葉2 - URA KONOHA2 -
訓練一日目:適性検査(約3時間半経過) 「初日はお前たちの実力がどの程度か、そしてそれぞれの適正を検査する」 「適正…でありますか?」 「お前たちにはこの訓練終了後、暗部再編成後の各隊を担う隊長になってもらう」 「俺たちが隊長に…」 「お前たちは選ばれた者たちだ。充分その価値に値する。それを胸に頑張ってくれ。 それとオレの事は呼び捨てで構わない。別に敬語じゃなくても構わん」 「了解」 「ではまず実力がどの程度か試させてもらう。ちなみに変化してる奴は、変化解いた方がいいと思うぞ」 「しかし…」 「心配ない、ここにはオレ達以外誰も入ることは出来ない」 「しかし我々は暗部です。身内にすら知られてはならない」 「火影様から許可は頂いてるから。まぁ、そのままでいいって言うならオレは別にいいよ」
そう言って白狐は素早く印を結んだ。
「多重影分身の術!これから、オレの影分身と戦ってもらう。どんな術を使ってもいい、殺すつもりで行け。」 「所詮影分し…うっぎゃぁぁぁぁああああああ!!」 「おい、あれって禁術じゃ…」 「マジかよ…って、うわぁぁぁぁぁああああ!」 「…木遁…初代火影様しか使えないんじゃなかったのか…」 「…これはマジでやらないと死ぬかもしれない…変化解除!!」 ボフンッ x 5 「あれ〜お前魚屋のオヤジじゃねぇか」 「そう言うおめぇは飲み屋のバイトじ…っ!?」 「油断禁物♪」 「…とっとりあえずやるしかねぇ!おりゃあぁぁぁぁあ!!」
『ハァハァ・・・ゼイゼイ…し…死ぬ…」 「ん〜まずまずってところかな〜限界もまだ見えてないみたいだし。でも、まだ医療系の源武でも瞬殺できるな…」 「医療系…?」 「あぁ。そういえば皆知らないんだっけ。 四神は四人それぞれが専門を持ち、任務に合わせてパートナーチェンジしたりして、任務をこなすんだ。 ちなみに朱寂は頭脳派暗号解読及び策略考案係。四神の作戦は全部 こいつが立てる。 言わばオレらの参謀だ。 青瀧は諜報担当。まぁ、俺らは基本的に色は受けないから、実力行使の諜報が専門だな… こいつに知らない事は殆どない。わからないことがあったら聞いてみろ。相当の代価と交換になるけどな…(-_-;) それと源武はさっきも言ったように、四神の医療担当。 オレは怪我しねぇから、主に他メンバーの治療と救出任務の際に力を発揮する。 四神の実力関係で行くとオレ>朱>青>源の順だが、それでもお前たちは源武に指一本触れられないだろうな」
暗部たちは真剣な面持ちで聞いていた。 その中の一人が質問を投げかける。
「ちなみに白狐は何担当なんだ?」 「ん?オレ??オレは勿論」 『勿論?』 「勿論、破壊壊滅殲滅担当。とりあえず敵は根こそぎ抹殺担当!」
――…聞いた俺たちが馬鹿だった…
「で、話が長くなったが次はお前たちの適正を判断し、四神同様、得意分野に振り分けていくぞ。 とりあえず自分自身では何系だと思う?」 「オレは医療系だと思います」 「浅葱<アサギ>か。お前は確か藍染屋やってるんだっけ…」 「何故ご存知で?」 「うちには優秀な諜報部員が居るからな…事前に暗部全員調べさせた」 「それっていいのか?!俺たちは暗部だぜ?」 「人手不足解消の為だと言って火影に許可を取ってある」
--白狐には火影も法も勝てないのか…
「そのお陰で一週間分の奴の任務、オレがやる約束させられたさ…(T^T) ったく、仲間にまで情報取引するなっつ〜話だよな」
--あの白狐を泣かせるなんて…恐るべし青瀧…絶対敵にはまわすまい!!
「んで浅葱、何故医療系だと思う?」 「オレは手先の器用さ、藍染同様シビアなラインでのバランス感覚には自信があります。 医療系にはこういったバランス感覚が必要な筈です」 「正解だ。お前の担当は源武だ」 『担当?』 「明日からはそれぞれの素質を思う存分伸ばしてもらう。 その為に各分野ごとに分けてそれぞれ四神 を担当教官とし、彼らの技術を盗んでもらう」
--ヤバイ!!…戦闘系と諜報系、特に戦闘系はほぼ間違いなく…死ぬ
「オレは頭脳系だと思う!」 「俺も!!」 「…頭脳系は、そんな見え透いた嘘つかねぇよ…安心しろ☆お前ら二人は俺が担当だ」 『…やっぱり…』 「まず魚市<ウオイチ>。魚屋のお前は刀類の扱いが最高に上手い。医療系にも必要な部分もあるので、 できれば医療系と兼務でやってみてくれ」 「はい(半分助かった…)」 「それと劫火<ゴウカ>、花火師なんだってな☆爆薬系の派手な攻撃は俺も大好きだ。 お前は多数対少数の際には大いに活躍してもらいたいからな〜徹底的に俺と修行だ」 「)゜0゜( ヒィィ」 「さて打工<ダコウ>、お前はどう思う?」 「俺は多分諜報系だと思う」 「何故だ」 「俺は仕事柄人の情報を手に入れることは得意だし、潜入も演技も慣れている」 「そうだな…居酒屋でバイトしてんだっけ?接客は諜報の第一歩だからな。 如何に相手の情報をを旨く聞き出し、それを上手に生かせるか否かで存亡を決めるジャンルだから、 普通の世界に旨く溶け込み一般の里人を演じているお前は諜報向きだろう」 「そうなれば私は頭脳系かな」 「そうだな。別に五人がきれいにそのジャンルごとに分かれなくてもいいんだけどな… 確かにお前は頭脳向きだな、文燕。確か公文書館の司書か」 「そうだ。公文書館の書物は既に読破している。知識だけは豊富にあるつもりだ」 「そうか…朱寂が喜ぶよ(o^∇^o)」
二日目:戦闘訓練(約7時間経過) 「遅い!!ったく、たかだかSランクごときになに梃子摺ってやがる…」 「Sランクごときって…Sランクは最上ランクの任務では…」 「お前らは知らないだろうが、この世にはSランクの更に上、SSランクが存在する。 俺たち四神は基本的にそのSSランクしか引き受けない」 『SSランク…そんなものが』 「お前たちにはそれを簡単にこなせる様になって貰う」 『え゛…そんなの無理っすよ…』 「(▼皿▼#)そんなことだからお前らはダメなんだ。問答無用、あいつらが帰ってくるまで戦闘訓練だ!!」
ヒギャァァァァァァァ!!!
朱寂たちは遠く離れた火影岩から訓練の様子を眺めていた。
「なんか近寄りたくねぇな…俺たちまで巻き添え食いそうだぜ」 「うん…どうする?」 「でも多分白狐の事だからもう気づいてるわよ…」 「お、青瀧帰ってきたのか」 「おかえり〜」 「そんなことより…そろそろ行かないとヤバいんじゃない」 『そうだな(そうだね)』
朱寂たちが下り立つと、明らかに青筋を立てて白狐は怒っていた… 恐らく火影岩で見ていた事もお見通しだろう…
「遅かったじゃねぇか…」 『ヒィィィ…すんません』 「あんな簡単な任務で何時間かかってる(怒)」 「自分自身の任務に併せててめぇの分の任務もやってきたんだよ!しょうがねぇだろ?」 「私なんて自分の任務と彼らの表の生活のフォローもして来たんだから〜」 「僕だって、食料調達してきたって言うのに〜」
--マジかよ…あの任務だけでも半日近くかかる任務だった筈なのに…一体どういう感覚してるんだこの人たち…
「フンッ、わかったわかった。それじゃこいつらも帰ってきたところで個別トレーニング始めるか」 『助かった…(白狐以外全員)』 「じゃぁ、えっと朱寂は文燕だ」 「あれ?あんた公文書館の…」 「私を知っているのか?」 「あぁ、以前よく通ってたからな」 「今は通ってないのか?」 「あそこにある書物は全部読んじまったからな」 「ほぅ…ん?お前はもしかして…」 「まぁまぁ、それは後のお楽しみって事で。アンタ俺と気が合いそうだな。行こうぜ」 「フッ…そうだな」
「んじゃ、次〜青瀧」 「は〜ぃ!どれどれぇ?ぁたしぃ〜美形の担当がぃぃな☆」 「…打工」 「なんだぁ…隣のお兄ちゃんか……あっ(@_@;)」 「君は…」 「さぁねぇ…さて私から情報が引き出せるかしら?行くわよ」 「(*^-^)ああ」
--あぁ…みんないいなぁ…今すぐここから逃げ出してぇぇぇぇぇ!
「次は医療系と戦闘系だが、この二つの分野に関してはオレと源武二人が担当する。」 「え゛…」 『フフフ…生贄が増えたぜ…』 「とりあえずオレはちょっと準備があるので、全員源武について医療系を学んでおいてくれ」 『準備…(嫌な予感…)でも白狐が居なくなったぞ、よぉぉぉぉぉぉぉしぃ!!』 「あれぇ?魚市さんってもしかして魚屋さん?」 「そうだが、俺を知ってるのか?」 「うん。僕よくおじさんの所で魚買ってるもん」 「おじさん…まだ35なのに…お前さんと15くらいしか変わらないと思うんだが。 にしても常連さんなら俺が覚えてねぇわけねぇんだけどな…」 「エヘへ…ま、楽しみは後に取っておかないとね」
「そんじゃま、今日は暗号解読訓練って事でこれ頼むわ」 「これは…」 「暗号解読部門が無理だっつって俺に回ってきたSSランクの暗号文書たちだ。 俺もなかなか時間なくてな…マジ助かるよ」 「喜ぶって…こういうことだったのか.....(;__)/|」 「ま、何事も実践だからな。わからないところがあれば聞いてくれ」 「…なんですかこれはっっっっっ!?」
「ん〜まず何からやろうかなぁ?実は何も考えてなかったのよねぇ。元々この技術人に教える気なんて更々ないし…」 「え゛…」 「そうねぇ〜じゃぁ第一課題は私から技術の一端を盗むこと。そしたら全て伝授してあげるわ」 「そんなぁぁぁぁぁぁぁ」
--なんだか至る所で悲鳴が…俺たちここで良かったのかも…
「それじゃぁ始めようか」 『はいっ』 「まず第一に美味しいご飯の作り方だ」 『はい?!』 「医食同源。食は医に繋がる大事な物だって事はわかるよね?」 『はい…』 「んじゃ、頑張ろう!今日のメニューは疲れたみんなの為に、これと、これと…」
--これでいいのか…?どうするっ俺?!
「んじゃ、まずこの魚をさばいてみようか…おぉ、さすが魚市さんうまいねぇ。 浅葱もなかなかシビアなところ狙ってくるねぇ☆…劫火…忍法・倍化の術!」 「うっぎゃぁぁぁぁぁ〜俺医療関係ねぇのにぃぃぃぃ」 『真面目にやらなきゃ…殺される…』 「さぁ、続きやろうか(*´∇`*)」 『はっ…はい!!』 「次はこの薬草を美味しく炒めるよ☆」 『薬草を、ですか?!』 「うん。美味しいよぉ。じゃぁお手本見せるね」 『おぉぉぉぉ』 「食べてみて」 『うっ美味いっ!!美味すぎるぅぅぅぅ(TдT)』 「じゃ、次みんなやってみてね」 『よしっ!なんだか疲れも取れたし頑張るぞ!』 「おぉ、劫火はさすが火術の使い手だね。火加減も手つきもばっちりだ。 浅葱は火加減はいいけど、腰の振りがあまいっ!」 「グェ…」 「魚市…なんで水入れるの?僕のやったの見てなかったの?…ヒョォォォ」 「いや…いつもの魚を煮る癖でつい……ヒィィィィ」
白狐は火影岩の上から裏木ノ葉を見下ろしていた。
「みんなやってるやってる〜なんか軽くストレス発散してるし…さてと、俺も準備準備〜♪」
さも楽しそうに白狐は死の森へと出かけていった…
「おいみんな〜夕飯の時間だぞ〜」
白狐の呼び声に全員が集合する。 目の前にはグツグツ煮えたぎる…
『鍋?』
説明しよう。 ―ナルト特製試練鍋― 材料:死の森で栽培中のキノコ(毒茸含む)、死の森で栽培中の薬草、毒草、鶏肉、 なんだかわからないけど落ちてた肉など… ちなみに味付けはナルトがしたので、美味しいことは保障します。
『…怪しすぎる…』
--準備ってこの事だったのか…
毒見をする源武を不安な面持ちで見つめる一同。
「ムム…」
--やっぱり何かあるのか?!
「おいし〜よ、白狐」 「だろう?」 「…よ〜し、食うぞ〜〜〜!!」 『打工!はっ早まるな〜〜〜』 「うっ…かっ体が痺れる…」 『やっぱり…』 「あぁ…いい忘れたけど毒草とか混ざってるからね。知識を総動員して食えよ〜 ま、毒にも体慣らしといた方がいいから、寧ろ食え」 『……俺(私)死ぬかも…てかなんで源武は大丈夫なんだ?!』 「僕を誰だと思ってんの?モグモグ…簡単に見分けつくし、この程度の毒何ともないさ。 …もぅしょうがないなぁ。こういうのが毒だからねぇ〜」 『はっ!!毒食ったぁ!!…ていうか毒もそうじゃないのも全く同じ物にしか見えません!! ハァ…俺たち果たして生きてここを出られるんだろうか…』
果たして彼らは無事帰還する事が出来るのか?!
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