「うずまきナルト、暗部入隊を許可する」

 

暗部の入隊式は極秘で行われる。

誰にも暗部である事を知られてはならないからだ。

知れば、記憶を消すか…死ぬかのどちらかである。これに例外はない。

 

* 暗部入隊式 - JOIN -

 

 

暗部の衣装を纏ったナルトの左肩に暗部の証である、紅い木ノ葉の印を押す。

これは特殊な印で、同じ暗部であるものにしか見えない仕組みになっている。

この印によって仲間である事を確認するのだ。

彼らは普段、服、手ぬぐい、額当て等でそれを隠し、必要な場合のみ見せるようにしている。

従って、同じ暗部であっても本来の素性が判明する事はない。

 

「さてナルトよ、暗部名と面はどうするかの?」

「俺が決めていいの?」

「普通はわしが決めるんじゃが、主の事だ、既に決めておるのではないかと思ってな」

「さすがじいちゃん、何でもお見通しってわけだ☆」

「して、名は?」

「白い狐で“白狐”、四神の白い虎“白虎”から貰った。

里の奴ら狐って聞くと過剰反応するから、表向きは白虎だと思わせとくことも可能だし」

「うむ…そうじゃな。では面はやはり狐か…」

 

そういってナルトに手渡したのは、どこか使い古された感がある狐の面。

ナルトは興味深そうに面を裏返したり、顔をマジマジと眺めたりしている。

 

「じいちゃん…これ…」

「主の父が暗部時代に使っておった面じゃ。やはり親子というか、運命じゃろうて…」

「オレの父さんが…」

「奴の暗部名は“白狐”、お主と同じ名だ」

「親子か…オレたち親子揃って狐と縁があるんだな…」

「なんでも、昔一匹の白狐に命を助けられたから、とか言っておったが…」

「ふぅん…それってさぁ…まさか」

「さてなぁ?九尾にでも聞いてみたらどうじゃ?話は出来るんじゃろ?」

「うん。機会があったら聞いてみるょ♪」

「うむ。それでは白狐よ、契約をしようかのぅ」

 

そういって契約の巻物を取り出し、目の前に広げる。

そこに己の名を記し、ナルトの名前、暗部名を記名させ、最後に互いの拇印を押す。

それを見届けて契約の印を結ぶと、ボフンと音を立てて契約の巻物は消えた。

 

「契約成立じゃ」

「うん。オレの我侭聞いてくれてありがとう、じいちゃん(^ー^)」

「…頼むから、無茶はせんようにな」

「大丈夫だって☆オレ強いから〜」

「ハァ…先が思いやられる…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、初任務で実際の戦闘経験も少ないことから命じたAランクが酷く簡単過ぎて不満だった

白狐の言うがままに(脅されたと言う)与えたSランク数種をたった一晩でこなし、

白狐は見事、暗部入隊後たった三日でビンゴブックに掲載された…。