「じいちゃ〜〜〜〜〜〜〜ん!!」
勢いよく窓から入って来た少年はうずまきナルト。 先日旅から帰ってきたばかりである。 明らかにろくでもない事を言い出しそうな雰囲気に、あえて窓から入ってきた事は突っ込まず何事か尋ねる。 まぁ、例え注意したとしても聞かないであろうが(汗)
「どうしたんじゃナルト」 「オレ、暗部に入りたい !!」
弐 * 白狐 - BYAKKO -
自来也と旅に出て二年、ナルトは確かに強くなったと思う。 そのおかげで、平気で里へも出掛ける事が出来るようになった。 依然として、命を狙われる事もあるが、そんなものは気にならない程強いらしい。 らしい…というのは実際確認したわけではなく、あくまで聞いただけだからである。 師匠である自来也曰く、自来也自身でさえもう勝つことが出来ないらしい。
「ナルトはしっかり父親の素質を受継いでいます。寧ろそれ以上の逸材かもしれない…」 「そうか…」 「加えて頭も良い。一つ教えれば、それから二も三も学んでしまう…正にスポンジが水を吸うように」 「普段はチャクラを抑えているようじゃし、気配も読めん…結局どのくらい強くなったんじゃ?」 「…ナルトは火遁、水遁、木遁、土遁、何でも使えます。幻術も自由自在。医療忍術も習得しています」 「?!木遁…じゃと……あれは初代しかっ………それに、いくらなんでもチャクラがまだ足らんじゃろう?」 「チャクラは…無限と言ってもいい…」 「どういう意味じゃ…」 「ナルトは九尾のチャクラも自由に使用します」 「なんじゃと?!九尾のチャクラを……」
「いつかはこうなる運命じゃったのかも知れんな…」 「じいちゃん?」 「いや、なんでもない。しかしなんでまた暗部なんじゃ…」 「ん〜だって、暇なんだもん(*´∇`*)」 「暇ぁっ?!そんな…そんな理由で…お主は暗部が何かわかっていっておるのかっっっ?!」 「わかってるょ☆敵を倒して、里を護るんだろ?ヒーローみたいでカッコイイよなぁヽ(=´▽`=)ノ」 「…(汗)何か間違ってる気がする・・・」 「オレ、じいちゃんの役に立ちたいんだ。今まではじいちゃんがオレを護ってくれただろ? 今度はオレがじいちゃんとじいちゃんの大好きなこの里を護るょ(。・_・。)ノ」 「ナルト…」 「大丈夫だってぇ、オレ強くなったし…」 「ハァ…言っても聞かんところまで親譲りか…ならば試験を受けてみんか?」 「試験?」 「そうじゃ、中忍上忍になるにも試験がいるように、暗部入隊にも試験は必要じゃ。ま、いやならいいんじゃが…」
実を言うと暗部に関しては試験などない。 火影自ら選抜した特殊部隊なので、試験の必要などないのである。 三代目は難しい試験を行い、合格しなければあきらめると考えたのだ。 しかし、現実はそう旨くはいってくれないものと決まっていた。
「ありえん…最早ワシでも敵わんのか……」
三代目の課した試験は契約の巻物を時間内に奪うという至って簡単な内容。 しかし、それをクリアするのは超難関…な筈だった。 何故なら巻物を持つ者はこの里の最高責任者、忍の中の忍である三代目火影なのだから… 制限時間は60分。 火影であり、且つプロフェッサーと呼ばれるほど様々な術に通じた己である。 奪われる事などないと高を括っていたのが悪かったのか、それともそもそも実力に差がありすぎたのか… 様々な"抵抗”も空しく、わずか60秒で勝敗は決した。
「…うずまきナルト、暗部入隊を許可する…(泣)」
此処に木ノ葉最強と謳われる暗部 - 白狐が誕生した。
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