それは些細な些細な出来事。 緑の中に小さな小さな金色を見つけた子供たちのお話。
閑 * 友達 - Friends -
「ん?」 「どうしたのよ、シカマル」 「あっちで何か光った」
いのとチョウジはシカマルの指差す先を見つめ、頭を傾げた。
「何もないみたいだけど…」 「もぉ〜別にいいじゃない何だって。早く帰りましょうよ、シカマル〜」 「あ〜、んじゃ先帰ってて」 「はぁ?!」
シカマルは光るものが見えた場所−森の中へズカズカと歩いていった。 それを見た<いの>は大きな溜息をつき、シカマルの後を追った。
「全く…しょうがないわねぇ。チョウジ行くわよ」 「うん」 「あぁもぅ…こんな気味悪い森に長居なんかしたくないから、確認したらすぐ帰るんだからね」 「わぁってるよ」
三人が辿り着いた先は大きな湖だった。
「うわぁ…すごいねぇ」 「そうだな…この森にこんなとこがあったなんてな」 「ねぇ、あれ…」
いのが慌てて指差す方にキラキラ光る金色が見えた。 急いで近付いてみると、そこには金色が丸まる様にして眠っていた。
「なんかキレイだねぇ〜いの、シカマル」 『そうだな(そうねぇ)』 「猫みたい…可愛いw」 「これ男の子だよねぇ?」 「男でも女でも可愛いもんは可愛いのよ!」
ギャーギャー騒ぐいのとは正反対に、シカマルはさっきから何か考え込んでいた。
「シカマルどうしたの?」 「そういえば、さっきから一言もしゃべらないわねぇ…どうしたのよ?」 「いや、こいつさぁ…なんか雰囲気は違うけど…」 「うん、ナルトだよね」 「えぇ?!うずまきナルト??あのアカデミー一の落ちこぼれの?!」 「この里で金髪って言ったらあいつしか居ねぇだろ」 「それに頬にヒゲもあるしね」
--ヒゲ…?!あれってヒゲなのか(なの)?
この際その問題は置いといて、といのは疑問を投げかける。
「でも、雰囲気違いすぎない?なんかアカデミーだと目立ちまくりって感じだけど…」 「あぁ…存在感が全くねぇ」 「なんか今にでも消えちゃいそうだよね…」 「そういえばさぁ、こいつなんかよく虐められてるよな…」 「うん、なんか親が遊んじゃいけません、とか言うらしいよ?うちはないけど」 「それ私も聞いた事ある!あっ!!もしかして痩せ我慢してるんじゃないのかしら?」 『痩せ我慢??』 「きっとそうよ。本当は虐められて苦しいのに、それを誰にも気付かれないようにごまかしてるの」 「確かにあの明るさはやりすぎな感じするもんな」 「うんうん」
--っ…やりすぎ?!あれは、やりすぎだったのか…(衝撃)
ずっと話を聞いていたナルトは小さくショックを受けた。
--結構完璧だと思ってたのになぁ…次からちょっと抑えようかなぁ…
ナルトが起きているとも気付かず、話は続いていく。
「ねぇ、ボク思ったんだけど…ボクたちでナルトを守ってあげるってどうかなぁ」 「うん、それがいいわ。ねぇ、そうしましょ〜シカマル」 「何かお前は目的が違う気がするけど、いいんじゃねぇの? めんどくせぇがこんな奴が虐められてるの見過ごす訳にはいかねぇし」 「んじゃ、そういうことで!とりあえず、挨拶からよね」 「おっおい、いの!?」
いのはすごい勢いでナルトを揺さぶった(本人は起こしてるつもり)。
「だって急に親しげに近付いたら怖がられちゃうでしょ?」 「や、それはそうだけど…( ̄Д ̄;;」 「それにもう空も暗くなってきたし、起こさないと☆」 「いっいの…もうちょっと優しく起こしてあげようよ…」 「へっ……あはっあはははははははははははははは…(-_-;)」
当の本人であるナルトは迷っていた。 このまま起きていいものかどうか。 そして諦めた様に目を開ける。 目の前には三人の同い年くらいの子供。
「…誰?」 『はじめまして、ナルトv』
こうしてナルトに初めての友達が出来ましたとさ。
* おしマイケル♪ *
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