あれからオレはナルトの家に通うようになった。

毎日の様に通うめんどくさがりのオレに、両親も驚くほどだ。

目的はもちろんナルトに会う事。

ナルトの家にある禁書も当然目的の一つだが、ナルトと居ると何か落ち着くんだよなぁ。

そういえば、オレを育てると言った割には全く修行とかしねぇよなぁ…

って言うか、オレを育てるってことは少なくともオレよりは強いってことだろうけど、実際の所どのくらい強いんだろう?

どう見ても強そうには見えねぇけどなぁ…

 

 

 

 

* 鹿丸3 - SHIKAMARU3 -

 

 

 

 

あの日からシカマルは毎日の様に此処に通いありったけの書物を読み漁っている。

シカマルは書物に読みふけるとご飯も食べないほど集中する。

この前の連休の時なんて三日も貫徹してた…呆れるほどの集中力だ。

そのおかげもあって、あれだけ大量にあったうちの書物を半分くらい読んでしまった。

内容も完璧に覚えている事だろう。

知識はある…あとは使い方を教えるだけだ。

そろそろいい頃合かもしれない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

毎日同じように流れていく時間。

ナルトが居て、沢山の書物に囲まれて…オレってカナリ幸せだな(*´∇`*)

ただ、ナルトが時々居なくなる事があるが、いつも気が付くと戻って来ているのでオレは気にしないで居た。

巨大な書庫から出してきた書物を半分くらい読み終えた頃、ナルトがお茶を持ってやって来た。

 

「シカマル〜お茶にしねぇ?」

「おぉ、サンキュ〜」

「にしても大分読んだなぁ」

「でもまだまだ先は長いぜ…」

「そうだな〜これからも増え続けるしなぁ」

「ふ〜ん、増えんのかぁ……( ̄Д ̄;;)

なぁ、ずっと不思議に思ってたんだけど、なんでお前こんな生活してんだ?つかどっから持ってくるんだこの書物?」

「今更かよ…(汗)オレは…」

 

話そうとしたナルトが不意に窓を見る。

窓の外には一羽の白い鷹。

ナルトが小さく頷くと鷹は一瞬で飛び去った。

 

「悪ぃ…ちょっと任務」

「任務??アカデミー生なのにか?」

「ん〜ちょっと違う」

 

そういってナルトはオレには見えない速度で印を結ぶ。

それはオレたちアカデミー生でも知っている簡単な術だった。

ポンッと音を立てて白い煙の中から現れたのは20歳くらいの長い金髪の…

 

「…暗部?!」

「悪い、帰ったら話すから。明日休みだろ?今日は泊まっていけ」

 

用件だけサラリと述べてナルト…らしい暗部はマントを翻して出て行った。

残ったナルトのチャクラの余韻…明らかにいつものチャクラと質が異なっている。

シカマルは口元に手を当て、呆気に取られたまま佇んでいた。

 

「ありえねぇ…あいつ完全に強さ隠してやがった…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いつの間にか眠っていたらしい。

目を開けると窓から朝日が零れていた。

そしていつの間に帰って来たのか、ナルトが朝ごはんを作っていた。

 

「おぉ、おはよ〜シマカル(*´∇`*)」

「はよ…いつ帰ってきたんだ?」

「ん〜一時間前くらい?」

 

昨日の事が嘘のようにナルトのチャクラは微々たるものだった。

 

「っつ〜か…おぃナルト、昨日の事説明しやがれ」

「ん?いいけど、先にメシ食おぅぜ〜」

「おぅ」

 

早く知りたいオレはちゃっちゃとご飯を平らげた。

せっかくのナルトの手料理だったのだが、ここは止む終えまい…

 

「んじゃ、シカマル行こうか」

「へ?どこにだよ…」

「まぁまぁ」

 

辿り着いたのは火影の執務室。

ナルトはノックもせずにズカズカと入る。

 

「おいっ、いいのかよ?」

「いいのいいの、誰も居ないし。ていうか、気配くらい読めるようになろうな〜」

「…」

 

ナルトの言った通り中には三代目火影しか居なかった。

三代目はオレたちに応接セットの方へ座る様に促した。

あたかもオレたちが来る事を知っていたかの様に、ご丁寧に人数分の茶菓子とお茶が用意されていた。

 

「ナルト」

「判ってる。入る前にちゃんと張っといたよ」

「そうか。それでは本題に入ろうか」

 

オレには何のことだかさっぱりわからない。

 

「さてシカマルよ」

「はい」

「お主、ナルトの腹におるものを知っておるそうじゃな」

「…はい」

「更にナルトが暗部である事も」

「……はぁ」

「全て里の重要機密である事は判っておろうな」

「…Σ(; ̄□ ̄A」

「機密事項を知ったものに与えられるのは二つの選択肢のみじゃ。

記憶を消すか、此処で死ぬか。お主はどちらを選ぶ?」

「…記憶か命か…オレは…

 

 

どちらも選びません」

「なんじゃとっ?!」

「記憶を消してもきっと何度でもナルトに辿り着くので無駄でしかありません。

更に里は人手不足だと聞きました。オレの様な人間は必ず必要なはずです。

里に有用な忍となる可能性のある者を人手不足のこの里が殺せる訳がない」

「うむ…」

「それにもう一つ選択肢がある筈です」

 

その言葉にナルトはニヤリと笑った。

 

「勝負あったな。オレの勝ちだ」

「そうじゃな…いいだろう。奈良シカマルの暗部入隊を許可する。

但し期限は一年じゃ。一年たっても使い物にならん様なら…わかっておろうな?」

「オレが育てるんだ。一年もあれば十分立派な暗部になれるさ。まぁ任せてよ」

「?」

「んじゃ、シカちゃん」

「シカちゃんΣ(゜□゜;)」

「イヤ?」

 

--ああ…そんな上目遣いで見ないで下さい・・・///

 

「いえ、別にいいです…///」

「それじゃ、シカちゃん(*´∇`*)火影様の許可も貰ったところでそろそろ修行しよっか☆」

「…何かオレ嵌められた??(T-T)」

 

こうしてシカマルの地獄の修行は始まった。