「ナルト・・・お願いがあるんじゃが…」

「断る」

「まだ何もいっておらんではないか…」

「だって、じいちゃんがお願いっていうからには、思いっきりろくでもないことだろ?」

「うっ…」

「で、何?」

「うむ…アカデミーに通ってくれないか?」

 

 

* 経緯 - KEII -

 

「…じいちゃん…とうとう呆けた?

「ゴホッ…呆けてはおらん…帰ってきてから性格悪くなってないか?

「何か言った?」

「いや、なんでもない」

「っていうか、なんでアカデミーなんて…オレはもう暗部だよ?行く必要ないでしょ…」

「実はな…アカデミー内で怪しい動きがあるのじゃ」

「怪しい動き?」

「里の優秀な子供を誘拐しようとどこかの里が動いているらしい。それを探ってきて欲しいのじゃ」

「ふ〜ん。じゃぁ、アカデミー入学は任務ってことか。納得」

「それと同時に、子供たちの警護も頼む。もちろん他にも担当暗部をつけるが」

「別にオレ一人で大丈夫だと思うけど、まぁいいや。んで、いつから?」

「一週間後じゃ」

「御意」

「これが任務計画書だ。帰ってから一度目を通しておけ」

「ん?帰ってからって…任務書でしょ?んな無用心でいいの?」

「…まぁ此処で読んでもよいが、頼むから怒らんでくれよ?」

「?…・・・・・・…………………なんだよこれ…」

「全てお主の為じゃ…そのくらい馬鹿なら里の者も手荒な真似をせんじゃろう…」

「……確かに一理あるか?ハァ…わかったよ」

 

そう言って任務書を一瞬で燃やすナルトを見て三代目は安堵の溜息を吐く。

 

「では、頑張って来い」

「頑張る?」

 

不思議そうな顔をしながら窓に足を掛けるナルトを注意しながら、三代目はほくそえんでいた。

 

「友達を沢山作るんじゃぞ…ナルト」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから数年後

 

「今年も友達が出来なんだか…」

 

とナルトは何かと理由をつけて二度も留年させられる羽目になる。