#168686 * 深い奈落に落ちる

 

「今日は里を上げての大宴会じゃ、女子供も多少の嵌めくらいは

外しても大目に見てやろう。皆楽しむが良い」

 

木ノ葉隠れの里ができてから150周年を記念する祝いの日。

今宵は里中から人が集まり大きな宴会が開かれる。

俺たちも一応参加してはいるが、表向きは影分身で対応中。

俺とナルトは二人でエスケープし、会場付近の森の一角で

宴の賑やかさを外から見つめながら酒を酌み交わしていた。

 

「賑やかだな」

「ああ、うぜぇくらいにな。って、オイ…シカ」

「なんだよ?」

 

隣に居たナルトを振り返るとナルトは酷く驚いた表情で

且つ、目を輝かせていた。

不思議に思い、ナルトが指差す方を見遣ると、

なんだか激しい息遣いが聞こえる。

どうやら向こうの草陰ではカップルがお取り込み中らしい。

 

「なぁ、覗きに行こうぜ?」

「はっ?!」

「いや、オレ漫画とかでは見たことあるけど、実物見たことねぇし」

「……でもなぁ〜あんまり見て気持ちのいいもんじゃねぇぞ?」

「なんだよ、お前見たことあんの?」

「まぁな。任務の途中とかでよ、野宿しててたまたまな」

「ふぅん。ま、お前見ねぇならオレ一人で見てくるわ」

「あっ、おい!ナルト」

 

気配を完全に絶つとナルトは草叢に顔を突っ込む。

後ろから見ると非常に滑稽な…

しょうがなく俺も気配を絶ち、ナルトの隣に顔を出す。

そして言葉を失った。

 

「マジかよ…」

 

ヤっていたのは男女のカップルではなく、男同士…

ハッとナルトを見遣ればナルトも同じく顔を強張らせている。

が、それとは反対に微妙に興奮しているようにも見えた。

 

「お…い…ナルト?」

 

スッと手を伸ばしてナルトに触れて、俺は慌てて手を離す。

ナルトの身体はとても熱くて、ほんのりとピンク色に染まっていた。

 

「ナルト…お前まさか酔ってんのか?」

「ん?」

 

振り向いたナルトの唇は艶かしい色を放ち、

俺は危うく口付けてしまいそうになった。

 

--そういえば、今日は九尾は置いてきたっつってたしな…

--でも普段から酒に強いこいつが酔っ払うなんてことは…

 

だが、しかし。確かに酔っているような感じで…

そして漸く気付いた。

酔っているのはまたたび?!

 

--またたびは猫科には有効らしいが…狐は犬科じゃ…

--っていうか、なんでこんなとこにまたたびが…

 

「おい、ナル。帰るぞ」

「なんでだよ…シカマル、オレといるのイヤ?」

「……///う…上目遣いで見んなよ!」

「ねぇ、シカマル。オレたちもやろうよ」

「え……え゙えぇぇぇぇぇぇぇ…ムガっモゴ…」

「ちょ、声でけぇって。聞こえちまうだろうが」

「わ…わりぃ…っていうか、俺も酔ってんのかな…

なんか幻聴が聞こえた…」

「ん?何幻聴って…」

「え、いや…って…ナル…ト…?」

 

スルリと手が伸びてきて俺の首に回されて、

気付けばナルトの顔がすごく近くにあって…

やんわりと触れた唇は酷く熱かった。

結局、そこで理性がプッツリ切れてしまった俺は

夢中でナルトを求めてしまって…

 

 

 

チュンチュン…

 

「んあ?朝…か…?」

 

鳥の囀りと、身体を包む涼しい風に目を開けると、

木々の隙間から木漏れ日が降り注いでいた。

と、ふと腕に重みを感じて目をやれば…

一瞬にして朝の爽やかな気分がどんよりと曇り空に変わる…

サーッと血の気が一気に引いていくのがイヤでもわかる。

 

「マジで…?!俺…なんてことを…!!」

「ん……よぅ、シカマ……ル……?!何だよこれ…

っていうか、どうなってんだこれぇぇえぇぇええええぇぇぇ?!」

「……俺が聞きたい…」

「つーか、なんか腰痛ぇ!ケツ痛ぇ!!」

「…………やっぱり。俺らヤっちまったのか…」

「…ヤ…っちゃったの?」

「そうらしい…」

「………マジか…」

「マジで。」

「……………」

 

ふと、無言になったナルトを見遣れば、ナルトの拳がフルフルと

震えていて…俺は即座に逃げる算段をつけようと頭を回転させた。

 

--やべぇ……Σ(▼ロ▼;)コ、コロサレル・・・!

 

が、次の瞬間。

顔を上げたナルトは俺に向かってニッコリと微笑んだ。

つられて引き攣った笑みを浮かべる俺。

そして…

 

「責任取って死ね(*´∇`*)」

「……ひぃぃいいいぃぃいいい!!Σ(=∇=ノノやっぱりかっ?!

じ、自分が誘ったくせにぃいぃぃぃぃいいいいいいいい!!!!」

「知るか」

 

そう呟いて禁術をぶっ放すナルトの顔が

赤く染まっているように見えたのは、多分気のせいだ。

いや、絶対気のせいだ……

あぁ…俺の命はあと数秒……ガクッ

 

 

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野火サマえ。

ご…ごめんなさい、ごめんなさい…×∞
 これってシカナルなのか?!
 でも一応シカナルな感じは仄かに…シテクダサイ!
 ついついギャグになってしまって…
 ARKYの脳内はギャグとエロしか詰まってないみたいです(汗)
 あ、あと金も詰まってます。←誰も聞いてない…