二日目......

 

「シカマル」

「?」

「これから任務に行かなきゃいけなくて、ナルトのことお願いできないかな?今日非番だろ?」

「任務なんて珍しいですね」

「ちょっとな…」

「っていうか、俺?!俺、全然何もわかんないっすよ?」

「この予定表どおりにやってくれれば大丈夫だから。ナルトもすごくイイ子だし。

四代目が帰ってくるまで、頼むよ」

「(ノ_-;)ハア…わかりました」

 

 

 

 

一ヶ月。// 壱:0歳

 

 

 

 

-----予定表-----

  15:00 お散歩

  16:00 読書

  17:00 お風呂

------------------

 

「多分、5時半には四代目が帰ってくるはずだから、俺がやるのはこの3つかな?」

 

イルカから渡された予定表に目を通しながら、時計に目をやる。

短針は丁度<三>のところを指そうとしていた。

 

「ナルト、散歩行こうなぁ」

 

 

 

 

 

--なんか変な感じだぜ…これがあの凶暴なナルトとは…信じられねぇ

 

木の葉がヒラヒラと俺と乳母車の中で笑うナルトの上に振ってくる。

それに手を伸ばして嬉しそうに笑うナルト…

無邪気な笑顔…今まで見たことのない笑顔にチクリと胸が痛んだ。

 

「今度は楽しい人生を歩もうな、ナルト」

 

そう語りかけると、言葉わからない筈なのにナルトは頷いたように見えた。

キャッキャと声を上げて笑うナルトに、

普段あまり笑うことのないシカマルも思わず笑みを漏らす。

 

 

 

 

 

 

<四時>

 

「読書…って、これ全部禁術書じゃねぇかよ!!Σ(|||▽||| )」

 

ナルトの読書と言っても読み聞かせてやるのだが、

普通は童話とか昔話とかだろうに…読書用として置かれていたのは禁術書の山だった。

 

「これをどうしろと…一体俺にどうしろと?!Σ( ̄Д ̄;;)

っていうか、イルカ先生一体何してんだよ…早くも英才教育かっ?!」

 

とりあえず、巻物を一つ開いてみる。

そしてその中身に唖然とする…

 

「……これ、未解読文書じゃねぇかよ…俺に解読してナルトに読み聞かせろってことなのか?」

 

そう解釈したシカマルは、まず解読する事に集中する事となった。

と、ナルトが大きな欠伸を一つして、クゥと眠ってしまう。

 

「……か、可愛い…///」

 

あまりに可愛すぎるナルトに、さすがのシカマルもコロッと殺られてしまう。

口元のよだれをそっと拭ってやると、少しだけ生えている髪の毛をサラリと梳いてみる。

シカマルは解読の手を止めて隣に横になると、ナルトをじっと眺めてみた。

あどけない寝顔、金色の髪の毛、プニプニの触り心地の良い肌…

その姿にクスリと笑いを漏らす。

自分が提案したことではあるが、実際こうしてナルトを眺めていると不思議な気分になる。

と、ナルトを眺めているうちにシカマルも睡魔に襲われ、静かに寝息を立て始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ただいま〜〜〜〜〜ナルくん!遅くなってごめ……あっ…」

 

シーッとイルカに注意され、四代目は口を紡ぐ。

二人の目の前には仲良く寄り添って眠るシカマルとナルトの姿があった。

フワリと布団を掛けてやると、イルカは食事を作る為にキッチンへ向かう。

四代目はナルトと眠るシカマルが羨ましくなったのか、

それとも久々の執務で物凄く疲れたのか、布団を持ってくると自分も布団に潜る。

 

「僕も一緒に寝〜よぅっ☆」

 

そのままシカマルとは反対側に寝転んで四代目はナルトを抱きながらぐっすりと眠ってしまった。

その光景をキッチンから覗いたイルカは、幸せな親子+αの様子に柔らかい笑みを浮かべた。