「シカ?おい、シカマル…」

 

火影執務室。

黙々と仕事をこなす火影様をシカマルはただボーッと眺めていた。

シカマルの手から零れ落ちた書類たちを拾う為、ナルトは手を止めてスッと立ち上がる。

書類を拾い集めると、ナルトはその書類でシカマルの頭をパシンと殴った。

ハッと我に返り、シカマルは慌てて手に持っていた筈の書類を捜し、

その書類がナルトの手元にあることに気付き、すまない…とだけ口にした。

 

 

 

 

01//プロポーズ//

 

 

 

 

「シカ、どうした?お前、今日一日おかしいぞ?」

「 ……」

「シカ…?」

「え…あ……なんでもない…」

「ったく…」

「ナルトっ!」

「?」

「………」

「シカ〜?」

 

やはりどこかおかしいシカマルの顔をナルトは無用心にも覗き込んだ。

と、

 

「ちょっ……シカ…やめ……ん…」

 

突然塞がれた唇にナルトはわけもわからずただもがくばかり…

漸く離れたシカマルの唇から目を逸らしながら、ナルトは乱れる息を整えて尋ねた。

 

「一体、どういうつもりだ?」

「……」

「シカマル!」

「俺はお前が好きだ!!……ナルト、俺と結婚して欲しい」

「 …( ゚Д゚)ポカーン」

「ダメか?」

 

ナルトの両手を握り締めながら、意思を確かめるようにシカマルはナルトの顔を覗きこんだ。

さっきキスした唇が目の前にちらつき、ナルトは慌てて顔を背ける。

 

「か、顔を近付けるな!顔を!!///」

「じゃぁ、答えろよ。俺と結婚するの…嫌か?」

「……オレは男だ」

「そんなこと知ってる」

「…オレはお前より強い」

「なんだよ…自分より強い奴じゃないとダメだって言うのか?頭ならお前より俺の方が上だ」

「でも力や能力ならオレが上だろ?」

「何が言いたい?ダメならダメとはっきり…」

 

シカマルは耐えられないとばかりに、ナルトから目を逸らした。

当のナルトはどちらかといえば楽しそうに、そう…まるでからかうかのように笑った。

 

「ってぇことは、やっぱりシカがお嫁さんだよな」

「(゜Д゜) ハア?!」

「だってそうだろ?旦那さんはやっぱ強くねぇと奥さん守れねぇじゃんヽ(=´▽`=)ノ」

「…俺、一人っ子なんだよな。しかも一応旧家だから、名前無くすわけにはいかないんだけど?」

「ん〜てことは、オレ奈良ナルトになるわけ?ビミョ〜〜

っていうか、子供産めないから最終的にはなくなるんじゃねぇの?」

「む…そんなの、なんとでもなる!!」

「養子取るとか?」

「男でも妊娠出来る術を開発するとかな…っつーことで、お婿さんは俺だ!」

「いや、婿養子っていう手もあるだろvv」

「…ああ言えば、こう言う…っていうかさ…それって俺と結婚するのOK…だと思っていいのか?」

「思うも何も、オレ一言もダメって言ってないじゃん」

「///…エッ(゚Д゚≡゚Д゚)マジ?」

「にしても、付き合うとか通り越してプロポーズされるとは思わなかったぜ…( ̄Д ̄;;)」

「ハハ…俺も悩んだんだけど、俺はやっぱりお前を独占してぇ…誰にも取られたくねぇし…

それには付き合うとかじゃなくて、もっと契約みたいなのが欲しかったんだよ…」

「阿呆……ったく、んなことで今日一日おかしかったのかよ…」

「んなことってなぁ…俺にとっては人生を左右する重大な事なんだぞ!!」

「オレにとってもそうだろ…ε=(。・д・。)…とりあえず、これからよろしくな」

「ナルト〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜vvv愛してるぞ、ナルト!!」

「わかったから、鼻水拭け…やっぱり、オレの方がお婿さんの方がいいんじゃねぇのか?」

 

勢い余ってナルトに抱きついたシカマルの鼻水を拭いてやりながら、ナルトは息を一つ吐き、

ニッコリと嬉しそうに微笑んでいた。