穢土転生…

 

「なっ…なん…だと…」

 

楽しそうに哂うナルトの前に一つの棺が現れ、ゆっくりと蓋が開いていく。

誰が出てくるか…そんなものは想像しなくてもわかる…

もう一度あの金色に会える…

だが、そんな喜びと同時に言い知れぬ不安、恐怖がカカシを襲っていた。

 

 

 

 

//murderous intent 02//No63500

 

 

 

 

「な……ると?」

 

キョロキョロと不思議そうに周囲を見回しながら、ある一点に目を留める。

自分の愛弟子ではなく…自分と同じ金色の髪、藍い瞳を持つ少年に強く惹かれた。

ポツリと半信半疑で口にした名前は、その者の笑みで肯定された。

 

「ナルト…なの?」

 

コクリ…

少し緊張した面持ちで頷く姿はまだ幼い子供のようだ。

 

「ホントに、ホントにナルト?」

「…そうだよ」

「そっか……大きく…なったね?」

 

すっと長く細い指をナルトの頬に這わせてみる…触れるのは二度目だ。

初めて触れたのはあの日…九尾を彼に封印した忌まわしき日だ。

 

「彼女によく似てる…」

「……」

「でも…僕にも……よく似てるね…」

「そうだね。髪も目も…そして才能も…全てアナタから受け継いだものだよ、父さん」

 

父さん、と言う言葉に一瞬ビクリと肩を震わせるが、すぐに柔らかく微笑む。

とても、とても嬉しそうに微笑む。

 

「こんな僕でも、父さん…って呼んでくれるんだね、ナルト」

「当たり前でしょ?オレ、ずっと独りぼっちで…だから寂しくて…

家族ってすごく羨ましくて…だから、だから…」

「……ごめんね…ごめんね、ナルト。お前を独りぼっちにして…お前だけに重い業を背負わせて…」

 

ふんわりと抱き寄せると、思ったより華奢な体ではあるが程よくついた筋肉に

妙な違和感を感じる。

そして、やっと周囲の状況に気付く。

二人の周囲には三人の暗部、二人の子供、そして傷ついた己の愛弟子と

数体のかつては人であったものの残骸たち。

 

「カカシくん?」

 

名を呼ばれ顔を上げたカカシの表情には苦痛が張り付いていた。

 

「やっぱりカカシくんなんだね?キミがこいつらからナルトを守ってくれたの?」

 

嬉しそうな笑みととも語りかけてくるかつての師匠の言葉に、カカシは言葉を失う。

その表情から何かを読み取ったのか、それとも最初から気付いていたのか…

スッと笑みを消すと、四代目は再度問いかける。

 

「それともキミがナルトを殺そうとしたのかな?」

「…」

 

ビクンッ

心臓が握りつぶされる…それほどの恐怖。

昔、この男を敵に回した奴らは皆、これほどの恐怖の中、彼に立ち向かっていったのか…

里で最も優れた忍とまで言われた自分なのに、この男には立ち向かう術さえ見つからない。

目の前に見えるのはただ混沌とした『死』だけ。

先の見えない暗闇の中、カカシの意識は薄れていく…

最期に映るはナルトの美しくも冷たい微笑だけ……

 

「自分の愛するものに殺される気持ちはどう?オレねぇ〜アンタの事好きだったんだよ?カカシせんせぇ〜」

 

クスクス…クスクス…クスクス…

 

 

 

煮え切らない終わり方ですな…

無理矢理感が非常に漂っておりますが、そこは何卒ご容赦をm(。_。;))m

後編が纏らず苦労しました…何気に最期ナルカカ?

苦肉の策で御座います…汗

気に入っていただけましたら光栄です。

63500Hitsありがとうございましたm(_ _"m)

From ARKY_______________