12月29日

 

コンコン

 

「入れ」

「失礼します」

「お〜!木ノ葉丸じゃん。長期任務ご苦労様(o^∇^o)ノ」

「これ、報告書です」

「なんだ冷てぇな〜」

「俺の目標は六代目、貴方だから!貴方を倒して俺は次の火影になります!!」

「固い」

「へ?」

「そんなに固いとシカマルみたいになるぞ?」

「誰が固いって?」

「げ…('〇';)シカ…」

 

扉の向こうから現れた人物を見て六代目火影−ナルトは慌てて席を立ち、

窓からの脱出を試みる。

…が、伊達に何年も付き合っているわけではない。

シカマルは難なくナルトの捕獲を完了し、専用の椅子に座らせた。

 

 

 

 

//BIRTHDAY 1230.eve//

 

 

 

 

「ミニ結界石なんて汚ねぇぞ!!」

「普通に気配消すだけじゃ、すぐにお前に読まれちまうからな。

お前の本心をポロリと出させるにはこのくらい当然だ」

「ポロリって…( ̄Д ̄;;)…てことはずっと監視してやがったな?!」

「そういつも風のように逃げられると思ったら大間違いだ。御意見番である俺の役目だからな…

悪く思うな。そうそうお前に逃げられたら困るんだよ、めんどくせぇ」

「御意見番…としてね…上忍の奈良シカマルとしてはどうなわけ?」

「お前がどこかに行ってしまったら気が狂いそうだよ」

「///よくもそんなこっ恥ずかしいことをてめぇは…つか、だったら一緒に行こうぜ。それならいいだろ?」

「ったく…( -.-) =зそんなんで乗せられるかよ、バーカ」

結構本気で言ったんだけどな…」

「あの〜」

 

困ったように口を開いた木ノ葉丸に、すっかり存在を忘れていた二人はシマッタ…と口に手を当てる。

その仕草があまりにも息がぴったりで、木ノ葉丸はクスクスと笑った。

そんな木ノ葉丸の様子に不思議そうに顔を見合わせた二人は、自分たちが全く同じ行動を取っていた

ことに気付き、プッと噴出した。

一頻り笑い合った後、ナルトは何かを思いついたようにニヤリと笑った。

シカマルですら気付かないほど僅かに口端を上げて…

 

 

 

 

 

 

 

「木ノ葉丸、長期任務から帰ったばかりで悪いが、この任務をやってきてくれないか?」

「これは…」

「ナルト!それは木ノ葉丸にはまだ早い!!」

「だから固いって言うんだ、シカは…木ノ葉丸の実力は上忍になったばかりとはいえ、

既に暗部の隊長格に匹敵する力がある。そろそろこの程度の任務を体験しておいても問題ない」

「しかし…」

「可愛い子には旅をさせろってやつだよ。何かあったら助けに行ってやるさ(*´∇`*)な、木ノ葉丸?」

 

優しく微笑みつつも目は出来るだろ?と強制である事を促す。

シカマルを除き、誰一人としてこの瞳に逆らえる者などこの里には存在しない。

勿論木ノ葉丸も例外ではなく、決意したように頷く。

 

「わかりました。Sランクくらいこなせるようにならないと、貴方には届きませんからね」

 

シカマルとは勝手にしろ!と部屋を出て行った。

それを見計らって、ナルトは木ノ葉丸の耳元で囁く。

 

「ああはなりたくないだろ?もっとオレみたいに気楽にやれよ(=´▽`=)

じゃないと火影になっても辛いだけだぞ?多分続かねぇ」

 

至近距離で見るナルトの顔、耳元で聞こえる少し低めの声に頬を紅く染めながら、

木ノ葉丸がコクンと頷くと同時に、カチャリと扉が開く。

ナルトはギギギと錆びたロボットのように顔を扉に向ける。

当然そこに居るのは額に青筋を浮かべたシカマルで…

 

「地獄耳め…ま、居るのはわかってたけどな」

 

ナルトは忌々しげに呟いて窓に足をかけた。

 

「ああはなるんじゃねぇぞ!!」

 

そう言い残して、今度はまんまと逃げ果せたナルトは里の中に消えて行った。

 

「おもしれぇ…」

 

窓から里を見渡した後、急に座り込むとお決まりのポーズで策略を練り始めるシカマルの姿に

少し恐怖を覚えた木ノ葉丸は、もっと気楽にやろうかなぁ〜と呟きながら部屋を後にした。