「お、思ったより早かったじゃねぇか」

 

辿り付いた火影岩に居た人物…ナルトは嬉しそうに微笑む。

 

「ナルト?!…それにシカマル、いの、チョウジまで…こんなところで一体何をしている」

「何をって言われてもなぁ…めんどくせぇが、暗部の入隊式だろ?」

「お前たちは一体…」

 

 

 

 

 

 

* 螺旋4 - NEJI4 -

 

 

 

 

 

「それにしても、ナルト…あの植物は何だ!!」

「イルカ先生、お疲れ様〜楽しかったでしょ?」

「楽しいことあるかっっ!!ヾ(*`Д´*)ノ"反撃はするわ、結界は張るわ…死ぬかと思ったぞ!!」

『植物…もしかして…ナルト…』

「そうそう、オレが最近まで育ててた『花苗ちゃん(か)(なの)?!』

「おう!」

『アレを放したのか…』

「ヤバイな…森には当分近付かないようにしよう」

『そうね(だね)…』

 

と、さっきまでちょっと引き気味に話を聞いていた綱手がパンパンと手を叩く。

 

「話はそこまでだよ。役者が揃ったところで、入隊式を始める。

合格でいいんだろう、ナルト?」

「ああ。イルカ先生の協力を抜いてもマズマズだ」

「よし!では契約をしようか」

「ちょ…ちょっと待って下さい!さっきから話が読めないのですが…」

「ん?どうした。何か不都合でもあるのか?」

「暗部入隊に異存はありませんが、その前にナルトたちの説明をして頂きたい」

 

ナルトたちはその言葉にニヤリと笑い、素早く印を組む。

 

「オレこの瞬間が好きなんだよなぁ…(*´∇`*)」

『わかるかも…』

 

煙の中から姿を現した四人の暗部の姿にネジは目を見開く。

その様子に満足そうにナルトが美しい笑みを浮かべる。

 

「オレたちは暗部だ。よくこんな短期間でここまで辿り付いたな(*´∇`*)」

「暗部入隊おめでとう(o^∇^o)これからは仲間ね〜よろしく、ネジ」

「お菓子ちょっとなら分けてあげてもいいよ?よろしくねぇ〜ネジ(=´▽`=)」

「…めんどくせぇが、よろしく頼む( ̄д ̄)」

「あ…ああ、こちらこそよろしく頼む」

 

 

 

 

 

「挨拶が済んだところで契約に移っていいか?」

「構いません」

「ではここにサインと拇印を」

「はい」

「次にナルト、お前の承諾のサインと拇印を」

「りょ〜かい」

 

ナルトはカリッと指先を噛み拇印を押し、その上にキレイに整った文字を記していく。

 

「暗殺戦術特殊部隊統括…総隊長…びゃっ…こ…

ナルトがあの有名な里の守護神、白狐なのか?!」

「そーだよヽ(=´▽`=)ノその驚いた顔がたまんねぇんだよなぁ〜(笑)

ちなみにシカマルが朱寂、いのが青瀧、チョウジが源武で、オレら四人ひっくるめて四神だ」

「お前たちが四神…」

「これがお前が知りたがっていた答えだ」

「そうか…そういうことか…クク…」

 

突然笑い始めたネジに全員が最初は瞠目したが、なんとなく楽しそうなので笑っておいた。

 

 

 

 

 

 

 

「それでナルト、所属はどうするつもりだ?」

「ここ」

 

ナルトはポケットからヒョイと白い珠のついた耳飾りを出す。

 

「白ということは四番隊か…憐れな…頑張るんだよ、ネジ」

 

ポンポンと肩を叩きながら憐れみの瞳を向ける綱手の様子に戸惑いつつも、

ネジは元気よく肯定の意思を示した。

 

「よし、それじゃぁ隊長紹介するな〜魚市!」

「へ〜い」

「アンタは魚屋の…」

「よぅ、日向のぼっちゃんか。よろしくな〜それと…気を確かにな…」

「はあ…」

 

再び魚市から受けた憐れむような視線に少しネジは不安になる。

そして更に追い討ちをかけたのはやっぱりナルトで…

 

「暗部名は花苗ちゃんの最初の被害者だから、花苗<カナエ>でぇ〜

面は花苗ちゃんを象ったこの面ってことで(*´∇`*)」

 

全員がナルトの手に握られた面に注目し、動きを止める。

その面にはご丁寧にもピンクの花弁までしっかり付けられていた…

 

『…いつから決めてたんだ…ナルト…( ̄Д ̄;;)』

「あの花苗ちゃんの顔…多分、来たばかりの頃だよねぇ…?」

「来た頃って言うと、一年前か…」

「一年前?!…ならば、既にあの時点で決まっていたのか…

寧ろそんなことよりもあの花弁には誰も突っ込まないのか?!」

 

ネジの肩に手を置き、朱寂は諦めろ、と溜息を吐く。

 

「アイツ、参謀の俺より頭いいから…しかも決めたことは絶対実行しないと気がすまねぇんだ…」

 

その反対側で複雑な表情のイルカも呟く…

 

「諦めろ、花苗…」

「もう決定なんですね…それ( ┰_┰)」

「俺に比べたらまだマシだ…俺なんて卒業試験でナルトのことを知ったが為に、

<試験>って名前にさせられかけたんだぞ…三代目が阻止してくれなければどうなっていたか…」

「でも…俺は決定なんですよね…<花苗>で…その上あの面…」

「まぁ、面はともかく、結構いい名前じゃないか…な?」

「イルカ先生…俺…」

『頑張ろうな(ね)…』

 

ナルトを除き、全員がネジの肩に手を置き同情の意思を示した。

こうしてナルトたちに新たな仲間が増えた…

その後、ネジは一生懸命花弁をパキパキと折り、なんとか普通っぽい面にしたが、

色まで変えることは許可されず、

中央の緑色部分はそのままというなんとも気持ちの悪い面になったとか…