「選任を誤ったやも知れぬな…」

 

ナルトは明るく元気な子供に育った。

未だに里人たちの視線は憎悪、恐怖に満ち、時折命を狙われる事もあるじゃろう。

だが、それも気にならぬ程強くなった。

それは良い。じゃが…これは……

 

 

 

 

* 鳴門 - NARUTO -

 

 

 

 

 

「お色気の術!!」

 

ボフンッという音と同時に現れた裸体の女子。

あぁ…遠くでナルトの笑い声が聞こえる…

三代目火影は、大量の鼻ぢと共に意識を失った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やはり選任を誤ったやも知れぬ…(汗)」

 

とは、目覚めた三代目の言葉である。

自来也と共に修行の旅に出ていたナルトが帰ってきた。

久しぶりに見るナルトは表情も明るく、年相応の子供らしさが漂っていた。

が、三代目火影はそれを喜ぶ余裕も無く、意識を失った。

そして今、ただただ目の前の二人を凝視していた。

大笑いするナルト、遠い目をしている自来也である。

 

「…(怒)」

「まぁまぁ、久しぶりの再開なんじゃから、そう怒らんでも…のぅナルト」

「あはははははははははははははは…」

「自来也!!(激怒)」

「挨拶ですよ挨拶…」

「そう…だょ…はは…あぁ苦しぃ…ふぅ…挨拶挨拶」

「あんな挨拶あるか!」

「ナルトをあのように明るく元気に育ててくれたのは感謝しておる。しかし…誰があんないかがわしい…」

「まぁまぁ、あの術だけですし、大目に…」

「…ばっかも〜ん!! これが大目に見れるかっっ!!!!」

 

辺りにはナルトが書いたと思われる落書き。

三代目の額にはお約束の「肉」の文字が…

 

「ナルトも反省してますから、なぁ、ナ…・…??」

 

ナルトは跡形もなく消えていた。

そして明らかに抜けている書棚の一部。

普段は幻術で見えないが、そこにはしっかり禁書と書かれた巻物があったはずだ。

 

「「Σ(; ̄□ ̄A い、いつの間に…」」

「……ということで、わしは取材に戻ります!!」

 

さすがに居辛くなった自来也はそそくさと逃げ出した。

 

「思えば、二年前あそこで彼奴に出会ったのが不運じゃった…」

 

三代目は小さく嘆息した。