「ハァ…」

溜息とも聞こえる声を出しながら黒い煙を吐く。

グリグリとタバコを足でもみ消すと目の前に続く階段を

真っ直ぐに見上げ、一歩一歩足を進める。

「おい、万事屋…」

扉を開けようと手を掛けた瞬間…

「だから家賃はねぇって言ってんだろ！！」

土方は目的の人物に放たれた蹴りによって

扉ごと吹っ飛ばされた。

「うおぉい！なにしやがんだ、てめぇ！！！(｀Д´)」

「ああ？！おお、大串くんじゃないかぁ〜悪い悪い。じゃ」

軽く手を挙げて扉を閉めようとするその家の住人の腕を

慌てて捕まえる。

「待て」

「なに？何か用？っていうか、聞きたくないので帰ってください」

「はぁ？！っつーか、てめぇ人の話聞けよ！」

「…だ、大体あれはだなぁ…その、あれだよ、あれ(;゜∇゜)」

「……またなんかやったのか？よ〜く話してみろや、こらぁ！」

「だからあれは、そう！事故だったんだよ、事故！！………」

「……」

「…って、え？(￣△￣;)違うの？？あれで来たんじゃねぇの？

だったら何しに来たんだよ、このやろぉぉ！！」

「だからなんで逆切れなんだよっっ！！…まぁ、いい。

ちょっと中に入れろ」

「は？なんで入ってくんの？！お家改め？！

っていうか不法侵入で訴えるよ？」

「俺は客だ。客も入れねぇのかてめぇは？！」

「はぁ？客？！」

とりあえず、しぶしぶ突然の客--土方を部屋に通すと、

銀時は一応客なので茶を出してやり、正面に腰を下ろす。

「で、用件はなんだよ？」

「……」

--なんか、思い詰めたような顔しやがって…

--しかも客だと？！こういう時の依頼はろくなことがねぇ…

--さっさと断って帰しちまおぅ！

「用がねぇなら、帰れよ。っつーか、俺面倒な事はやんねぇよ？」

「…今日は、チャイナ娘たちはいねぇのか？」

「あ？あぁ〜今日は新八の家に泊まりに行くっつって

出かけちまったよ」

「そうか…」

--…………マジで何しに来たんですか、このやろぉ･･･

--なんか嫌な予感するんだよな…マジで早く帰ってくれよ…

ドンッ

「……何これ」

「依頼金だ」

土方はそう言って一度机の上に置いた袋を銀時の前に突き出す。

「これでお前を抱かせろ」

--そらみろ。やっぱりろくなことじゃねぇ…

--っていうかなに言ってんだこいつ…

「頭に虫でも湧いてんじゃねぇのか？

っていうか、ここをなんか別のものと勘違いしてません？

しかも俺男だし」

「そんなこたぁ、わかってるよ。だからこうやって依頼してんだろ

万事屋さんによ」

--コイツ…さては俺をからかって笑いもんにする気じゃねぇか？

--つーか暇なヤツだな。

--ふん。ま、銀さんをからかおうなんざ百年早いぜ！

「あ〜お前の気持ちはわかった。いいぜ？その依頼…

受けてやらぁ〜そうと決まったらあっちの部屋に行くぞｗ」

緩む口元を隠す為に、スッと立ち上がりクルリと踵を返すと

銀時はスタスタと寝室に向かって歩き出す。

が、一向に土方は立ち上がる気配を見せない。

--やっぱりからかう気でいやがったな、この暇人め

銀時は自分の予想が的中したとばっかりに、

いやらしい笑みを浮かべて土方を振り返る。

が、次の瞬間一気に顔色が赤から青へ変色した…

「な…何、お前その顔……」

あの鬼の副長と恐れられ、顔を合わせる度にいがみ合ってきた

土方は呆然と驚きを隠せない、というような表情を浮かべ、

そして、その顔を真っ赤に染めていた。

銀時の言葉にハッと、掌で隠すがもう遅い。

しょうがなく立ち上がり、フラフラと銀時の傍まで足を運び、

近付いた銀時の顔に手を滑らせ、

その唇をやんわりと塞いだ。

「え……(;￣□￣)」

「やべぇ、すげぇ嬉しい…お前に同意してもらってヤれるなんて

マジで信じらんねぇ…だからこうやって金も用意したし、

もしダメなら強姦するぐらいの勢いで来たってのに…」

「……おいおい…ひ、土方君？ヾ(￣o￣;)」

「ハア…銀時…」

「………」

いつもならば絶対に呼ばない名前を甘い声で呼ばれ、

そして再び生暖かい唇を押し付けられる。

只今、銀時の身体は鳥肌警報発令中だった。

もう耐えられないとばかりに銀時は慌てて土方を突き放す。

「ちょ…やめ…やめろ！！！！！」

「…なんだよ…」

「なんだじゃねぇよ…お前、どうにかしちまったんじゃねぇのか？

本気でオレを抱くなんて思ってんのかよ？！」

声はいつもの調子で飄々としているが、それと裏腹に銀時は

壁際までズリズリと逃げよう逃げようと足掻いていた。

「急に怖気づいたのか、銀時？」

「ば…ちげぇって！さっきのは、お前…オレをからかってると思って

だから、受け入れてやりゃぁ驚くかなぁ〜っとだなっ…」

「……なんだ、そういうことかよ…俺だけが突っ走ってた訳か…」

「お…おい…」

急にシュンとなった土方に、ついつい優しい銀時が

強く言いすぎたかと慰めようと近付いたのが悪かった…

クックック…と不気味な笑いを浮かべる土方に

銀時はまんまととっ捕まってしまった。

「てめぇ、人の話全然聞いてなかっただろ。

俺は受け入れてもらえなかったら、強姦でもするつもりだって

言っただろうが？」

「えﾞ……・・・(　゜ ▽ ゜;)・・・」

「そんな俺がこんなことごときで落ち込むかよ。

一回依頼受けるって言っちまったんだから、男としてやっぱ

二言があっちゃなんねぇよな？なぁ、銀時」

「……や、でも…それとこれは誤解があったみたいで…」

「つべこべ言わず抱かれとけ、銀時」

いつもなら自分に勝てない筈なのに

どこから出てくるのか強い力に引き離す事も出来ず、

銀時は土方に後ろから抱かれ首筋に落とされる口付けを

ただただジッと受け入れるしかなかった。

次第にその行為は首元だけに止まらなくなり、

感じやすい耳元を犯され、上半身に身に付けていた衣類も

全て剥ぎ取られてしまった。

「ちょ…土方…待てって……」

「やだね」

土方はホントは悪質な嫌がらせなんじゃないかと思うほど

意地悪そうな笑みを浮かべ、肩甲骨辺りをペロリと舐める。

「あっ……ふぁっ…やめ…」

「へぇ〜結構いい声出るんじゃねぇか」

「っざっけんな、てめぇ。いい加減に…ああっん！」

「あぁ？なんだって？聞こえねぇなぁ〜」

「こいつ…後で覚えてろよ…」

「後で…ね。そんじゃお言葉に甘えて」

「はぁ？！てめ…何言って…って、うおっ！！」

土方は後ろから抱いていた右腕を銀時の左肩にかけ、

クルリと腕の中で銀時を回すと、そのまま床へ押し倒した。

↑ NEXT　→