ここは死の森。

その中心に聳え立つ巨大な屋敷の前。

青々と茂る芝生の上

黒衣を纏った四人の若者が頭を寄せ合い、円を形作り寝転んでいた。

太陽がぽかぽかと大地を暖め、生暖かい風が彼らの頬を撫でる。

彼らがこの里を担う最強の暗部である事など誰が気付こうか。

幸せそうに寄り添う彼らのうち一人、金色の髪の少年がふと、思い出したように

飛び起き、それに驚いた三人が身体を起こすことなく少年を見遣る。

 

「なぁ、オレいのしし欲しい。取ってきて(*´∇`*)」

『は?!( ̄ェ ̄;)』

 

ホントに「は?!」である。

突然何を言い出すんだ、こいつは。と全員が思った。

いつものことだけど…と同時に付け加えることも忘れずに。

 

「だから、いのしし取ってきて☆」

『だから、何故…』

「脳内妄想パラレルの海雲 道さんとこの年賀状のモデルやんなきゃなんないから」

「…ったく、それならしょうがねぇな…」

「そうね。道さんの為ならしょうがないわvv」

「うん。僕も協力するよ(o^∇^o)」

 

INOSHISHI

 

〜いのの場合〜

 

「道さん、待っててねぇvV」

 

ウキウキとしながらいのはいのしし君がいる筈の森とは逆方向に爆走し、

何故か屋敷の中に…

自分の部屋に入るとフンフンと鼻歌を歌いながら、

いのはルンルン気分でクローゼットを漁り、お気に入りの一着を発見すると

その服に袖を通し、お次は化粧台でお化粧タイム…

髪を整え、楽しそうに階下へ下りていった。

 

 

〜チョウジの場合〜

 

「いのしし…鍋もいいけど、刺身…あぁ〜焼肉もサイコー!!

よ〜し!待っててね、道さん!!!!」

 

目的を見失っていた。

 

 

〜シカマルの場合〜

 

「めんどくせぇが、ナルトと道さんの為じゃしょうがねぇ…が、いのしし…

いのししとナルト…ナルトといの…なんか納得いかねぇ…(-"-)」

「お、シカじゃん。何が納得いかねぇの?」

「魚っ(/||| ̄▽)/ゲッ!!!な、ななななんでここに居るんだよ。お、お前も一応探せよなっ///」

「ん〜探してるんだけどさぁ〜なかなか、見つからねぇ」

「そりゃぁ、こんな街中じゃ見つからねぇだろ…( ̄Д ̄;;)」

「お互い様だろ。お前もなんかあってここに居るんだろ?」

「いや、まぁそうだけどよ」

 

ちなみに彼ら…現在森から遠く離れ何故か里の中を歩行中。

そして目前に迫る十字路。

ナルトはどうやら左へ、シカマルは直進するようだ。

 

「じゃ、オレこっちだから(=´▽`=)ノ」

「おう、んじゃ俺こっちだから…(≡д≡) …って、ちょっと待てぇえぇぇっぇぇぇええい!Σ( ̄[] ̄;)」

「ん?」

「か、可愛い///……じゃなかった(-_-;)…

ん?じゃねぇよ!可愛く言っても離さねぇぞ!」

 

ナルトの行く手に物っ凄い不安を感じたシカマルは慌ててナルトの襟首をとっ捕まえた。

それに対して何?とわかっているくせに不思議そうな顔で見上げるナルトの

なんと可愛ら…もとい憎たらしいこと。

シカマルは低い声で恐る恐るナルトに尋ねる。

 

「お前…何処に行く気だ…」

「シカマルんち(*´∇`*)」

「…何しに…行く気だ」

「シカってさぁ〜なんか似てねぇ?」

「………似てねぇよヾ(*`Д´*)ノ」

「いや、あの角をパキパキッと…(強制終了)」

 

 

 

 

我が家の家宝とも言えるシカたちの危機を救い、

じたばた暴れるナルトを引き摺り、シカマルは漸く目的地に到着する。

そこにはたくさんのいのしし・いのしし・いのしい・いしのし・いのしし…

 

「問題!ジャジャン!さて、いのししはここに何頭いるでしょうか」

「………騙されねぇぞ…三頭だ。」

「ブーーーーーーーーーーーーーーーーーー

答えは……たくさん。でした。文章はちゃんと読みましょうvv」

「………うるさい。ったく。……あ〜どうもっす」

 

アホのナルトの首を腕でギューギュー絞めながら、前方から近付く影に

シカマルは挨拶をし、その人物から一本の巻物を受け取った。

 

「さ、帰るぞ」

「なんだよ、あれ持ってかねぇの?」

「あれはいらねぇんだよ」

 

さっきまで苦しそうにしていたナルトはどうやら演技だったらしい。

打って変わってニコニコ微笑むナルトが指差す先にいるのは目的のいのししたち。

それに見向きもせず、シカマルはナルトを抱えたまま瞬身で森に戻った。

 

 

 

 

森に帰るといのもチョウジもそれぞれ獲物を持ち帰ったのか、屋敷の前で待ちくたびれていた。

だが、誰の手にもいのししは見当たらない…

シカマルの腕の中から抜け出すと、どういうことか説明しろとばかりに美しい笑みを浮かべる。

それにまず反応したのはいので…

 

「ハイ」

「………何がだ」

「だから、猪vvさ、ナルトも早く着替えて道さんのところに行きましょ☆」

「………(-_-#)いや、確かにいのって読めるけどさ…」

「夫婦の肖像…なんちゃって、キャハvv「違うよ、いの!」

『そうそう…それは違っ…………って、チョウジ…それも違ぇよ!!“(*`ε´*)ノ彡☆』

 

チョウジの手にはちゃんといのしし…には違いないんだが、

なんっていうか……調理済み?

生々しい肉塊から、さくら鍋まで…そりゃもう勢ぞろい…

 

「さ、道さんも呼んでパーティだね(o^∇^o)ノ」

『ハハハ…(-。−;)』

「つーか、まともなのはやっぱシカだけか…」

 

ナルトはシカマルから受け取った巻物を開くとカリッと指先を噛み、

溢れた血で契約を結ぶ。

そして…最高の血を持って最強最大のいのしし神--乙事主を召還した。

 

グォオゴゴォォオォォオオオオオオオオォォオオ!!

 

『ゲッΣ(|||▽||| )』

「ちょっとお前ら反省して来い…」

『えっΣ;』

 

うっっぎゃぁあああぁぁあああぁぁぁああああああああああああああっぁぁ!!Σ

 

「いや、ムリムリムリムリ…」

「食べる前に食べられちゃうよぉぉぉ!!」

「…なんで俺まで……グハッ」

 

 

 

いつも通り哀れな被害者シカマルとおバカな二人を残して

ナルトは掌サイズのうりぼうを口寄せし、

ウキウキとうりぼう君を抱えて道さん宅に向かいましたとさ。

 

めでたしめでたし。

 

 

 

相互記念にリクエスト頂いた「猪鹿蝶Verのシカナルギャグ」

調子に乗って頂いた年賀イラストを元にアフォ小説を書いてしまいました…

しかもシカナルじゃねぇし。

一ヶ月以上掛かっちゃったし。

これを相互記念に押し付けようとしてるおいらって…

勿論受け取ってくれますよね?(*´∇`*)

っていうか、こんなARKY&ARKISH ns+ですが、

見捨てず、末永く仲良くしてやってくださいm(_ _"m)

2007/04/10____________From ARKY