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「カカシ〜オレの代わりにこの任務行ってくれない?オレこの一週間まともに寝てなくてさ」
カカシも同じくらい寝てないことくらい知っている。 それでもオレはカカシが断らないのをいいことにお強請りする。 そして決まって一言…
「ご褒美にカカシの欲しいものなんでも一つだけあげるからさ(*´∇`*)」 「ホント?!じゃあ、行ってくるvv」
//ごほうび//
「願い事一つだけ聞いてやるよ」
「なんでも一つだけ言う事聞いてやるよ」
毎回繰り返される言葉…それが一度として叶えられた事は無い。 そしてカカシも一度もそれを要求しなかった。 ただ何も言わずにニコリと笑って帰って行くだけ。 抗議することもいつもの調子で強請ることもしない…ただ笑って… カカシがオレに反抗したことなんて今まで一度もない。 いつもいつもただ従順にオレの言葉に従う。 それではまるでただの人形のようだ…オレはそれが気に食わなかった。 だからこうやってカカシがオレに抗議出来る機会を作ってやっているというのに… 訳がわからない上に、無性に腹が立った。 結局耐えかねたオレがカカシに怒鳴ることになるのだ…
「なぁカカシ、ご褒美あげるからさ〜今すぐここで死んで?」
カカシはニコリといつも通りの笑みを浮かべて忍刀を引き抜き、 躊躇いも無く首に当てて一気に切り裂こうとした。 オレは慌ててカカシの側に移動し、刃先を左手で握り締めた。
「ナル…ト?」 「死ねって言ったら死ぬのかよ!莫迦かてめぇは?!」 「ナルト血が出てる…」
怒っているオレなんか気にも留めずにカカシは忍刀をオレの手から引き抜くと、 オレの手から溢れる血を舐め取る。 何度も何度も九尾の血が傷を癒すまでずっと犬のように舐めていた。
「血なんて舐めるなよ…美味くもねぇのに…狐の血だぞ?気持ち悪くねぇのかよ!!」 「気持ち悪いわけないでしょ。それにナルトのものだったら何でも甘くて美味しいの」
さも当然のように言うカカシに呆れつつもオレは本題に戻した。
「お前さぁ…ご褒美貰えないってわかってんだろ?ただいいようにオレに使われてるだけだ ってわかんねぇのかよ…」 「……わかってるょ…」 「だったら何で…」 「いつかホントにくれるかもしれないじゃない?俺はそう…信じてる」 「…莫迦じゃねぇの?」 「莫迦でもいいよ。俺は何があってもナルトを信じてるから」 「…///勝手にしろ!」 「うん、勝手にする」
カカシはオレの左手に口付けるとフワリとオレを抱き締める。
「ちょっ…何すんだよ…」 「俺が欲しいものなんだか知ってる?」 「知るかよ…お前いっつも言わねぇし…オレ、お前が何かを欲しいって言うのずっと待って たんだぜ?なのにてめぇはいつもいつも笑うだけ、何にも言わずに帰りやがって。 しかも文句も言わねぇし…なんでくれないんだ!って抗議くらいしろよ!!」 「だって抗議してナルトにもうお前イラナイって言われたら怖いじゃない?」 「言わねぇよ…お前オレの事信じてるって言っときながら全然信用してねぇじゃん…(-_-;)」 「ん〜そういえばそうだね(笑)」 「(笑)じゃねぇよ…んで、欲しいものってなんだよ?」 「俺が欲しいのはいつも一つだけ。ナルトの心が欲しいの」
くだらねぇ…と呟きつつもフッと笑みが零れる。
「それは簡単にはやれねぇな」
突然下げられた口布にキョトンとしているカカシの唇にそっと口付ける。 最初は戸惑っていたカカシも徐々に自分を取り戻し、オレの唇を開き舌を絡め取っていく。 攻めに転じたカカシにいつの間にかオレは押し倒されていた。 伊達に大人じゃない…慣れすぎです!! オレは流石にこれ以上は…ということで勢い良くカカシの腹に蹴りをいれ、 スッと立ち上がると、真赤に染まった顔を見られないようにカカシに背を向ける。
「調子に乗るんじゃねぇよ…///あの程度の働きで誰が全部やるかよ!」
そう言い残してその場を去った。 一人取り残されたカカシはぼんやりとさっきのナルトの言葉を反芻し、ニンマリと笑う…
「それって…もっと頑張ったら全部くれるってこと?!/// よ〜し!ナルトが振り向いてくれるまで、俺何度だってナルトの我侭聞いちゃうからね!!」
「…外まで聞こえてるっつーの///」
ナルトは恥ずかしそうに俯きながら家へと向かった。 その口端は僅かに上向で、その眼も嬉しそうに細められていたのだが… それはカカシの知る由の無いところ。
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