--いい加減殴られるのも飽きてきたな…

--そうだな…見ている我も忍びない…

--いっちょあの計画やっとくか(*´∇`*)

--同感だな( ̄ー ̄)フフ

 

 

 

 

//イタズラ//

 

 

 

 

「ターゲット補足完了。計画を実行に移す」

「ラジャ!!」

 

ドラム缶の上に座った小さな狐と会話する金色の少年…

誰も居ない路地裏での密会?

敬礼をする狐は可愛いを通り越してどこか滑稽に見えるのは私だけ?

そんな人気の無い路地裏にナルトの影分身に釣られてやってきた数人の男。

どうやら今回のターゲットはただの里人らしい…これは簡単だな☆

ナルトと凱亜は嬉しそうに妖しげな笑みを浮かべていた。

そうとは知らずにナルトの影分身に対して暴力をふり始める男たち。

 

「お前なんか死んでしまえ!!」

「この化け狐め!!」

「化け狐?」

「そうだ化け狐だ!てめぇのことだよ九尾のガキめ!!」

「ふ〜ん九尾ねぇ…ククク」

 

突然笑い出したナルトに男たちは驚きナルトから離れる。

ナルトは笑いながらゆっくりと振り返る。

 

「その狐は…もしかしてこ〜んな顔でしたか?」

ゔっぎゃぁぁぁぁっぁぁ!!!

 

ナルトの口は耳まで裂け、目は鋭く吊り上っていた。

それは正に九尾のそれで…勿論変化なのだがただの里人である彼らにはすぐに判断が

つかないのも無理はない…

ナルトたちは白目を剥いて倒れた里人たちに大爆笑していた。

そして彼らの耳元で囁くのだ…今日見た事を他言すればどうなるかわかっているな…と。

それ以来、彼らはナルトに危害を加える事が無くなった。

それどころか寧ろナルトに好意的に接するようになったとか…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よ〜し、ターゲット補足したぞ!今度は中忍三人か…」

「プロジェクト2だな!」

「だな!頼んだぞ、凱亜!!」

「了解!!」

 

敬礼をする凱亜が可愛いを通り越して滑稽だ…というのは置いといて、プロジェクト2が

実行に移される。

対忍者用の計画その1である。

忍たちはナルトをいたぶる際に手裏剣など刃物を使う事が多い。

案の定今回もナルトをまるで手裏剣の的にするかのように投げつけた。

影分身の傷口からは大量に血が流れ、血溜まりを形成していた。

その血がコポコポと沸騰するかのように泡立ち、少しずつあるものの形を成していく…

 

『な…これは…』

 

中忍たちは慌ててその場から遠退く。

それはみるみる内に人間大の狐に変わっていく…

血塗れの狐…ただでさえ九尾の顔って怖いのに、血塗れ…

 

「よくも我の大事なナルトを傷つけてくれたな…お前たちもこの血に塗れるか?」

『ひぃぃぃぃぃ!!Σ(=∇=ノノ』

「赤い紙、青い紙、黄色い紙…何色の紙がいい?」

『へっ?!Σ(; ̄□ ̄)』

「青!」

『お前、何言ってんだよ馬鹿!!』

「だって青が一番安全そうな色だろ?青信号とか…」

「青い紙だな…フフ」

 

さっきまで蹲っていた筈のナルトが起き上がると、その藍い瞳を大きく見開きその目から

なんか出た…そしてそれを出すと同時に再びその場に倒れこんだ。

 

『び…ビーム?!』

 

青を選んだ男は目から出た何かによってキレイに頭の毛が剃られていた…

僅かに剃り残された毛がどこか青かった…

 

『(||゜Д゜)ヒィィィ!』

「さぁ…お前たちはどれを選ぶ?」

「選ばなきゃいけないんですか?」

「勿論!!」

『……赤は多分あれが来る…ならば黄色しかない!!』

「黄色だ!」

「俺も黄色だ!!」

「二人とも黄色だな?…クスクス…」

『ナルトが立ったーーーーーーーーーーーーーーーーーー(o;TωT)o"』←ハイジ風に

 

再び立ち上がったナルトの手には巨大な鍋。

 

『どっから出てきたんだよ( ̄Д ̄;;)』

「○次元ポケットから〜(*´∇`*)」

『……』

「黄色といえばやっぱりこれだよね☆」

 

血みどろの凱亜が二人を押さえつけるとナルトは容赦なく黄色い液体−煮えたぎっ

たカレーを彼らの口に突っ込んだ。

そして倒れた三人の中忍たちの耳元で同じ様に囁く…

 

「今日のこと…他言すればどうなるかわかっているな?」

 

と…そして、彼らの間抜けな姿をしっかりと写真に収め、満足そうにナルトたちは帰って行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ターゲット補足!!今回は上忍だ…プロジェクトSの出番だな!!」

「だな…気をつけるのだぞ、ナルト!」

「わかってる。慎重にやるさ…こんな面白い事じいちゃんにバレて堪るかよ!」

 

気を付けるところはそこらしい…別に上忍が相手だから殺られないようにとかではないそうだ。

上忍たちは様々な術を使った攻撃が多い。

どっかの巻物に載っていた効果のわからない術を試したりする輩も多い…

プロジェクトSは正にそんな彼ら向きvv

 

「おい、そういえばあの術何の術なんだろうな?」

「やってみるか?」

「そうだな」

 

一生懸命彼らが術を組んでいる間、ナルトはチャッチャと術返しを行い

更には周囲に結界を張るのも忘れずやっておく。

 

 

多分土遁?なんかの術!!

 

 

--それはオレが開発した水遁 消火栓の術じゃねぇか…火事の時に便利な強力放水

の術だけど、チャクラの使用量が半端じゃないって事で禁術に指定されちったんだよなぁ〜

懐かしい(=´▽`=)

 

ということで、勿論それは発動する事は無く…しかし恰も発動したかのようにナルトは

ユラリと立ち上がった。

 

「クク…ようやっと出て来れたわ…ククク…」

「おい、マズいんじゃねぇのか?!」

「やばいな…逃げようぜ!」

 

危険を察知する能力は流石上忍というところか…

しかし時既に遅し…周囲に張られた強固な結界に気付かないとはまだまだだな…

ナルトはニヤリと口端を上げると、徐々にその姿を変えていく…

それは当然彼らも見た事がある物体で…

 

『九尾?!』

「フフフフフフフフフフフフフフフフフフフフ…愉快じゃのぉ…さて何をして遊ぼうか?」

 

楽しいゲームは始まったばかり…対上忍戦はちょっと時間が掛かるらしい…

 

『……助けて…三代目…グハッ』

 

 

 

 

 

 

 

 

「無理!」

 

遠眼鏡で覗いていた三代目がそう言ったのは間違いない…

 

「あんなもんと戦えるか…殺される訳ではないし、儂は何も見ておらんぞ!!

まったく…ナルトの奴、イタズラにも程があるわい…( ̄Д ̄;;)儂はもう知らん」

 

こうして火影公認の下報復という名のイタズラは続き…いつしかナルトに暴力を振るえる

ような猛者はこの里から消滅したとか…

そして代々木ノ葉に伝わる怪談としてそれは密かに語り伝えられていく事になるのだが…

それはまた別の話。