「さあおいでナルくん!!」

「……」

「さあ!」

「誰が行くかボケッ!!」

「ヒドイよ、ナルく〜ん( ┰_┰) パパとスキンシップしよ〜よ〜」

「勝手にやってろ!」

 

 

 

 

//ハグ//

 

 

 

 

 

 

合同任務から帰ってきたナルトたちの目の前に揺れる金髪。

その男は屋敷唯一の出入り口の前で大きく手を広げナルトに呼びかける。

それをナルトは断固として拒否し、睨み合いが始まってから早1時間…

一緒に帰ってきたシカマル、いの、チョウジは呆れた様に三人揃って大きな溜息を吐く。

 

「行ってやれよ…めんどくせぇ…」

「よりによってドアの前に陣取るなんて…」

「ナルト〜諦めなよ。このままじゃ一生家に入れないよ?」

「やだっ!絶対に嫌だ!!」

「俺たちのことなら気にするなぁ〜慣れてるから」

「気にするわっ!!」

「じゃあ私たち後ろ向いてあげるから、さっさと飛び込んできなさいよ…」

「そういう問題じゃない!!」

「じゃあ、どういう問題なのさ」

「う…」

 

膠着状態は暫く続きそうだ。

彼らは何故窓から侵入を試みないのか…

何故なら彼らが一歩でも動こうなら、金色は物凄い勢いで移動し、

時には禁術だろうが構わずぶっ放してまで阻止する始末だ。

伊達に四代目火影になった訳じゃない…

この男に勝てるだろう唯一の人物は金髪と睨み合ったまま一切動こうとしない。

見慣れた光景とはいえ、さすがに疲れたシカマルたちは強硬手段に出る事にした。

 

「いの!」

「OK!!」

 

忍法 心転身の術!!

 

「きゃあっ!」

『いの?!』

「ごめ〜ん…やっぱ無理…弾き出されちゃった〜」

「…お前ら…何の真似だ…」

 

ヒョーーーーッと音を立ててナルトから冷気が流れ出す…

 

ヒィィィィィ…

 

「こうなったら力尽くだ!!チョウジ!肉弾戦車だ!!!」

「OK〜」

「いのはナルトの周囲に壁!チョウジの通り道を作れ!!」

「わかったわ」

 

忍法 影真似の術!!

 

「影真似成功」

「な〜にが成功したって?」

 

シカマルは自分の背後から聞こえた声に滝のような汗を流す。

ギギギ…と音が聞こえそうなほどゆっくりと後ろを振り向く…

この時、四代目に加担した三人は後悔した…

三人ならどうにかなると思ったのが間違いだったのだ。

何せナルトは木ノ葉が誇る最強の忍なのだから…

 

--Σ(▼ロ▼;)コ、コロサレル・・・

 

三人がそう思った時だった…木ノ葉の黄色い閃光が奔ったのは。

 

「つ〜かま〜えた〜☆」

「……」

「ナルくん抱っこ抱っこ〜アハハ〜〜〜(*´∇`*)」

「……」

「ナルくんったら照れちゃって、カ〜ワイイナ〜☆」

「いい加減にしろ!!」

 

ナルトはぶち切れた。

そしてナルトの中に居る為に感情が同調したのか凱亜まで切れた…

ナルトは結界が張ってあるのをいい事に凱亜を一時的に開放する。

 

うっぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!!

 

数分後、辺りには四体の焼死体もとい四人の忍たちが転がっていた。

少し離れた辺りに巻き添えを食ったのか数人の暗部が見えたが、気にしないことにした。

ナルトは大きく欠伸をすると、スタスタと屋敷の中に入っていく。

 

「あ〜スッキリした(*´∇`*)」

 

その表情は眩しいほどの笑顔が張り付いていた。

 

--悪魔だ…

 

その場に居た死体たち誰もがそう思った。

 

「ケホッ…九尾は反則だよナルくん…」

「四代目…コレに懲りたらもうああいうのは止めて下さい…ケホケホ」

「私たちの目にもなってよ〜ケホッ…」

「焦げたら料理は不味くなるんだよ〜?」

『それは関係ない…』

「とにかくそういうことやるなら俺たちを巻き込まないで下さい…」

「え〜だってみんなの前でナルくんが如何にカワイイか見せ付けたいし〜ナルくんギュ〜ッてしたいし〜

僕のナルくんはと〜ってもカワイイからねぇ(*´∇`*)

それに独りで12年も暮らさせた責任とっていっぱいいっぱい抱き締めてあげたいし〜ああ、もう可愛すぎぃ(>▽<)」

『(ノ_-;)ハア…』

 

楽しそうにベラベラ話し続ける他人の迷惑顧みない男にその場に居た者たちは大きな溜息を吐く。

一同にして思うことはたった一つ。

 

--早く帰って下さい…俺(私)(僕)たちの身が持ちません…

 

しかし、その男の気持ちがわからない訳でもない…確かにナルトは可愛すぎる…

疲れ果てた皆は同じ事を心に思っていた。

 

--俺(私)(僕)もナルト(総隊長)をギューッとしたい…

 

巻き添えを食った暗部たちも含め我先にと屋敷に駆け込んだのは言うまでもない。

更に屋敷の中に続々と死体が転がっていったのも言うまでもないことだが…