「だぁ〜いちいち任務についてくるの止めて下さい!!」

「だってナルくんのことが心配なんだもん…」

 

既に恒例となった状況に、サスケとサクラは黙々と任務へ向かう。

ナルトは争う二人の間で呆れたように大きな溜息を吐いた。

 

 

 

 

 

* 憂慮 - WORRY -

 

 

 

 

 

「大体執務はどうしたんです?!」

「初代と二代目と三代目がいるから大丈夫vv

それにナルくんがいないと執務に身が入らないんだよねぇ〜心配過ぎて(*´∇`*)」

「ナルトなら俺が居るから大丈夫です!!」

「だから余計心配なんだよねぇ〜っていうか、カカシくん…ナルくんにくっつき過ぎ!!」

「先生こそ…そんなに抱きついてたらナルトの任務の邪魔です!」

「うるさいな〜僕はいいの!火影なんだから!!(`へ´)プリプリ」

「職権乱用なんて汚いですよ、先生!」

「なんとでも言うがいい…この里では僕が法律なんだからね!」

 

サスケとサクラはその発言に一抹の不安を覚えた…

 

『この人が里の法律で大丈夫なのか(かしら)…(-_-;)』

 

 

 

 

 

 

 

ブチッ…

 

 

そして今まで静かにやり取りを聞いていたナルトは終にぶち切れた。

 

「いい加減にしろ!!」

『ナルト(ナルくん)?!』

「こんな下らない任務やってられるかっ!!オレ帰るから、代わりにやっといて!(`ヘ´)」

 

そういい残すや否や、下忍のナルトでは考えられない程素早く気配が掻き消えた。

 

 

 

 

そして…

その後ブツブツと呟きながら今日の任務−草毟りをする大の男が二人…

 

「先生の所為ですよ?」

「カカシくんの所為!」

 

低レベルな言い合いをしつつも草を毟っていく大人たち。

しかしその範囲は広大で、毟っても毟っても終わりが見えない任務に

堪忍袋の尾が短い四代目は終に痺れを切らした。

 

「だぁ〜もうこんなことやってらんないよ!!」

「先生?!」

 

四代目は素早く印を組み、なにやら恐ろしい術名を叫ぶ。

 

 

火遁 火龍炎弾の術!!

 

 

「あーあ…やっちゃったよ、この人…」

「森が…燃えていく…」

「このウスラトンカチが…」

 

広範囲に渡って焼き尽くす炎はみるみるうちに広大な森を焼き払っていく…

ちょっと焦った四代目は次の術を発動させようとする。

 

『もう何もしないで下さい…お願いだから…』

「だいじょーぶ!」

 

 

五遁複合忍術 天地創造!!

 

 

四代目の声と同時にどこからかやってきた水が大洪水を起こす。

結界を張った四代目たちを避ける様に大量の水が全てを薙ぎ払っていく…

そして何もなくなった裸の大地からたくさんの原生木がニョキニョキと生え、

動物たちの進化が始まり、みるみる森は以前の姿に近い様子に変わっていった。

 

『おお…!さすが四代目火影…』

「おお…じゃねぇよ」

 

声のした方に全員が目を向けるとニョキニョキと生えてきた大木の枝にナルトが立っていた。

 

「あれぇ、ナルくん帰ったんじゃなかったの?」

「なんか嫌な予感がして帰ってきたんだよ…」

 

そういうナルトの身体からは水がポタポタと滴っていた。

 

「オレがとっさに結界で堰き止めなかったら、里無くなってたぞ…この馬鹿親父!!」

「えへ(*´∇`*)」

「えへじゃねぇよ…カカシも弟子ならちゃんと止めやがれ!」

「それは無茶だよ…ナルト…」

「つべこべ言うんじゃねぇ!二人とも覚悟は出来てるんだろうな?」

『え゙…』

 

 

うぎゃぁぁぁあああああ!た〜す〜け〜て〜!!

 

 

その光景を遠くから見守るサスケとサクラは呆れつつも、全てを悟った様に顔を見合わせ頷く。

 

「ナルトってホントは物凄く強いのね…」

「そのようだな…」

『これからはナルトには逆らわないようにしようね(な)…』