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最近…ナルトとシカマルがオカシイ… いのとチョウジは不思議そうに二人を眺めていた。 ところ構わず仲の良い筈の二人… 別に正体がバレる訳でもないし、任務中であってもイチャラブな二人である。 その二人がここ数日、互いに触れる事も無ければ言葉を交わすことも無い。 これは明らかに異常事態…俗に言う痴話喧嘩というやつだろうか?
//HOPELESS LOVE//
「いのぉ〜〜〜〜」 「きゃぁっ!!何すんのよバカシカ!」
いつものように禁忌の森の屋敷にやって来たいのに凭れ掛かる様に抱きついてきたシカマルに いのは思いっきり焦った… 何故なら、シカマルは任務帰りということもあって、いつもは上にまとめている髪を下ろし、 眼もいつもの寝ぼけた眼ではなくパッチリと開かれ、黒曜石のように美しく光っているのだから。 髪を下ろすだけでシカマルは下忍の時とは全く違い、子供っぽさの欠片も無くなる。 それどころか、妙な色気を醸し出すほど何気に色男なのだ。 そんなシカマルに抱き付かれた日には、いくら幼馴染とは言えどもやられそうになる。 いのは大きく深呼吸をすると精神力で乗り切った。
「いくら幼馴染だからって、これは立派なセクハラよ!!」 「なぁ〜俺ってそんなに魅力無い?」 「無視かいっ!Σ( ̄Д ̄;) っていうか…はぁ?!」 「俺さぁ〜結構カッコイイと思うんだけど…」 「……自分で言うなよ…( ̄Д ̄;;)」
シカマルは大きく溜息を吐くと、ガックリと肩を落とす。 いのは訳もわからず呆然とシカマルを眺めていると、突然シカマルが顔を上げていのに近付いた。 もう少しで触れそうな瞬間…シカマルはバサッと長い髪を掻き揚げる。
「なぁ〜俺ってさカッコ良くない?」
危うくコクコクと頷くところをなんとか堪えて、いのはゆっくり口を開く。
「カッコイイと思うわよ、カナリ」 「だよな〜」 「ま、ナルトの方が十倍カッコイイけどねvv」 「……( ┰_┰)」
<ナルト>は禁句だったらしい…
「もぅ…アンタたち一体どうしたのよ?」
シカマルはガバッと顔を上げると、勢い良くいのの両肩を握った。
「なぁ、俺そんなに魅力ないか??」 「だから〜それさっき聞いたって(-。−;)」 「俺、この前ナルトに好きだって言ったんだ…そしたら…」 「そしたら?」 「ふ〜ん…だって…」 「ふ〜ん…(-_-;)」 「ふ〜んだぞ、ふ〜ん…俺は一世一代の告白したって言うのに、ふ〜んって…(/へT)」 「っていうか、アンタまだ告白してなかったの?」 「当たり前だろ?!」 「もうしてるのかと思ってた。あれだけ仲が良いし…」 「仲が良い?!まだあ〜んなこともこ〜んなこともしてないのに!!!」 「……」 「俺はナルトと子供が作りたいんだ!!」 「……もう勝手にして…そりゃナルトもふ〜んよ、ふ〜ん」 「大体俺のどこが不満なんだ?!めんどくせぇが、俺は顔だってカナリ良いし、 実力だって、そりゃナルトには及ばねぇが…ナルトを除けばこの里のNo.1だぞ?」 「そうだけど、それだけじゃないでしょ…ねぇ、チョウジ?」 「え〜何の話?」
いのは丁度良く任務から帰ってきたチョウジに振る事にした。
「チョウジ、聞いてくれよ!!」 「う…うん…ねぇ、いの…シカマル変だよ?」 「私もう疲れたから、チョウジ交代ね(*´∇`*)」 「え…僕やだよ…」
その会話の間にもシカマルはチョウジに纏わりつきブツブツと独り言のように話している… そんなシカマルにちょっと恐怖を覚えつつも、チョウジは一応話に耳を傾けてみた。
「なぁ、俺って魅力無い?」 「あると思うけど?」 「だよなぁ〜」 「まぁ、ナルトが一番だけどね〜」 「……そんなこと、俺が一番わかってるんだよ!!」 「…怒り始めたよ…一体どうしたのさ?」 「俺、この前ナルトに好きだって言ったんだよ…」 「え?!まだ告白してなかったの?」
ボケた老人の会話のように同じ会話が流れていく…
「告白してないんだって。しかも振られたみたい…」 「いのも知らなかったの?珍しい〜」 「知らなかったんじゃなくて、知りたくなかっただけよ」 「わかるかも…」 「でもこれで可能性が出てきたわ…ナルトがシカマル振るなんて!! やっぱりナルトの奥さんになるのは私しか居ないわよね☆」 「なんでそうなるのさ…」 「ナルトは俺のだ!!」 『でも、振られたんでしょ?』 「うう…(Tへヽ)俺の何が悪いんだよ…家系だって問題ねぇし…顔だってカナリイケてるし、 頭も良いし、性格は…ちょっと悪いけどそれでもナルトほどは悪くないし…背だってナルトより高いし、 実力だって木ノ葉のNo.2なんだぞ?何が不満なんだよ…」 「だって男じゃん…」
余りにもうざいシカマルに集中しすぎていた三人は、唯でさえわかりにくいナルトの気配に全く 気付いておらず、突然聞こえた声に驚いたように振り返った。
『いつからいたの?!』 「最初から居たんだけど…つかさ〜あれ本気だった訳?オレてっきり冗談だと思ってた」 「アンタ一体どんな告白の仕方したのよ?」 「え…戦ってる最中に…」 「シカマル、バカじゃない?」 「ちゃんと研究したんだぞ!スリルのドキドキの中で告白するとOK率が高いんだよ!!」 「任務ごときでナルトがスリル感じると思う?」 「突然の告白に吃驚して、条件反射でうん、と言い易いとか!!」 「ナルトを吃驚させるなんて自殺行為だよ…っていうか、ナルトはそういうのあのバカ上忍に 言われ慣れてるから、今更吃驚しないんじゃない?」 「多分あの上忍の告白も冗談だと思ってるわよね…絶対」 「ナルト、鈍感だもんね…」 「きっと自分の気持ちも気付いてないんでしょうね…」 「なんてったって理由は<男だから>だもんね…」 「あれだけイチャイチャしときながら…ナルトどういうことよ?イチャつくのは良くて、付き合うのはダメな訳?」
二人で盛り上がっていたいのとチョウジは同時にナルトを見る。
「だって、オレ子供産めないし…そしたら奈良家潰れちゃうだろ?里の為にも名家を絶やす訳にはいかないし…」 「ナルト…まさか俺の為に…」 『違うちが〜う…』
都合よく理解したシカマルは勢い良く外へ飛び出して行った。 恐ろしい言葉を残して…
「男でも子供が産める術開発してくるぜ!!っつーことで、ちょっと音に潜入してくるわ!」 『……シカマルってさぁ…絶対バカだよね…』 「シカマルってさぁ〜ホントに里のこと思ってくれてるんだな…」 『なんでそうなるの?!』 「だって男も産めるようになったら里の人口が増えて、行く行くは人手不足解消もできるだろ?」 「ナルト…アンタって人は…なんかイチャついてるように見えたのもナルトはじゃれてただけなのかもね…」 「シカマル…絶対報われないょ…成仏してね…」
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