「俺はお前が好きだ、だから…」

「だから?だからなんだってば??」

「だから、俺に何も隠さず、本当のお前を見せて欲しい」

 

 

 

 

//LIES & TRUTH//No51300

 

 

 

 

あれから数日が経過した。

俺の思いは伝えたし、ナルトは俺と一緒に居ると言ってくれた。

ずっと…ずっと好きだった…あの日からずっと……

 

里人から罵られ、殴られているナルトに出会ったのは偶然だった。

止めようにも俺の力は弱く、俺の頭脳を持ってしても勝算は限りなく零に近く、

俺はただ離れた場所から暴力を受けるナルトを見守る事しか出来なかった。

暫くして動かなくなったナルトに飽きたのか、里人たちは周囲を見回すと

そそくさとその場を去った。

何も出来なかったせめてもの償いに手当てをしようとナルトに駆け寄ろうとした時、

フワリと桜の花弁が俺の目の前に散る…

 

「オレには近寄らない方が良いですよ」

 

澄んだ声が俺の身体中を駆け巡った。

 

「ありがとう…ございます、オレなんかを心配してくださって…」

 

その声はまるで俺の頭の中をグルグルと巡り、中身をグチャグチャにしていくウィルスのような…

記憶を喰う虫が俺の頭の中を蠢いているような…

そこまで考えてハッと息を呑んだ俺は、

無意識に先日覚えたばかりの術返しの印を組んだ。

気付けば既にナルトの影はなく、花弁など何処にも存在していなかった。

 

あの時から俺はずっとナルトを追い続け、そしていつしか俺のものにしたいと思った。

嘘のナルトではなくて、本物のナルトを俺だけのものにしたいと思った。

 

「ナルトが欲しい…」

 

ヒラリと掌に舞い落ちた花弁にナルトを思いながら口付ける。

 

「ナルト…本当のお前を俺にくれ」

 

 

 

 

 

 

 

苦しそうな表情で呟くシカマルをナルトは木の上から眺めていた。

まるで自分がいる場所がわかっているかのように、実際はわかるわけがないのだけれど…

ナルトがいる方向を向いたシカマルにドキリと心臓が鳴った。

ナルトは静かに目を閉じ、考える…

 

「……帰って寝ましょう、うん」

 

 

 

 

 

 

 

 

ナルトがすぐ近くの木の上から姿を消した頃…

 

「やべぇ…なんかすげぇナルトに会いたくなってきた」

 

そう呟くと、

シカマルはフラフラと何かに誘われるかのようにナルトの家へ足を向けた。

 

 

 

 

 

 

 

そうとは知らず、ナルトはくつろぎモードになっていた。

そして…

 

 

ぴんぽんぴんぽんぴんぽんぴぴんぴんぽぽんぽんぴんぽんぱんぽんぴーぽーぱーぽー

 

 

「……」

 

気配で誰かはわかるが、一気に出たくなくなる。

しかしうるさいのも耐えられず、ナルトはしょうがなく扉を開けた。

扉の向こうには当然ヤツが居座っているんだが…

 

「……///」

「……」

 

何故かお互い無言の間が数秒間続き、そして…

 

「な〜る〜とぉ〜vvvvv」

「げっΣ」

 

大きく手を広げてシカマルがナルトに突進を仕掛けた。

が、その手がナルトに届くことは勿論ありえない。

不機嫌丸出しのナルトさんは腕を組んだままの姿勢で器用に右足を掲げ、

足の裏でシカマルを捕えると同時に、

いつものくせでキレイに回し蹴りを決めてしまった。

本当は足の裏でシカマルの突進を止めるだけのつもりだったのだが…

 

「あ…( ̄Д ̄;;)」

 

やってしまったとばかりに、ナルトが唖然とシカマルを見つめていると、

ムクリとシカマルが立ち上がり、ナルトはホッと胸を撫で下ろした瞬間、

 

「あれ〜なんか目の前がグルグルと…ナルトが二人もいる…

ハーレムだぁぁぁぁぁぁぁ、アハハ〜〜〜〜〜(*´∇`*)」

 

 

バタリ

 

 

「はぁ、まったくしょうがないですね…」(←誰のせいだっ?!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シカマルが目を開けると、斜め前にはサイドテーブルに片肘をついて

その上に顎を乗せ、まん丸とした月を眺めるナルトの姿があった。

サラサラと風で金糸を靡かせる姿に見惚れていると、

ナルトがゆっくりと視線をシカマルに移す。

 

「まったく…困った人ですね」

「……」

 

いつもの様子とはまったく違うナルトの雰囲気に呑まれそうになる。

ナルトはそんなシカマルを見て面白そうに口を歪める。

 

「そんなにオレおかしいですか?」

「///」

 

笑いかけられて顔を染めながら、ブンブンと首を振る。

これでは今までの立場が逆転だ…

ナルトとの関係では自分が主導権を握っている筈だったのに。

 

「これがホントのオレです。こんなオレでもまだ好きだって言ってくれますか?」

「……当たり前だ///」

 

やっと捻り出した言葉…ホントはもっと話したいことがあるはずなのに、

シカマルは何も言えなかった。

ナルトがあまりにも嬉しそうに笑ったから。

と、さてと、という掛け声と共にナルトは立ち上がると徐に印を組む。

簡単な変化の術だ。

そして目の前に姿を現したのは、黒衣を纏った長い金髪の青年。

それがナルトだということは辛うじてわかるが、その変化と同時に溢れ出したチャクラの質は

いつものそれとまったく違い、特殊な赤色を帯びた強いチャクラだった。

風に靡くマントの下から現れたのは木ノ葉最強を表す印…

 

「ナルト…お前…」

「暗殺戦術特殊部隊所属、白狐…それがオレの通り名です」

「暗殺戦術特殊部隊って…お前、暗部だったのか?!」

「怖い…ですか?」

「なわけないだろ?俺はどんなお前も好きだ」

「…阿呆…ですね///」

 

嬉しそうに笑うと、任務に行ってきます、と言い残してナルトの気配はその場から一瞬で消えた。

残されたシカマルはボーーーーーーーーッと………笑っていた…(汗)

 

「ふふ…ふふふふ…ふふふ…(ΦωΦ)ふふふ…

これってさぁ〜ナルトと俺だけの秘密だよな…ふふふ…ナルトと俺だけ…

つまりナルトは俺だけのもの……ふふふ…ふふふふふふふふ」

 

 

 

 

 

 

 

その頃、ナルトは…

 

 

ゾワゾワ

 

 

「……ヒャ!Σ(|||▽||| )」

「どうしたんじゃ、ナルト?」

「い、いえ…なんでもありません…(な、なんだったんでしょうか…さっきの…)」

 

 

 

 

ふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふ……

 

 

 

 

 

遅くなってしまいました…申し訳ありませんm(_ _"m)

敬語のナルトに悩みまくってつい最近まで旅に出ておりました。

っていうか、敬語難しいデス…

敬語に集中しすぎて、ギャグを忘れてシリアスモードになってるし…

焦ったおいらが慌てて軌道修正したのがバレバレですな(笑)

ギャグ?な感じに仕上がっていますでしょうか(;゜∇゜)

ご満足いただけましたら一安心で御座います。

51300Hitsありがとうございましたm(_ _"m)

From ARKY_______________