只今任務の合間、休憩時間。

 

「ナ〜ルくんvv起きてv」

「…」

「ナルくんってばぁ〜起きなさ〜い☆」

「……?!」

 

ナルトは恐る恐る目を開けると目の前には自分と同じ眩しく輝く金色を持つ男が顔を覗きこんでいた。

 

 

 

 

 

* 授業参観 - VISIT -

 

 

 

 

 

 

「父さん……ってこのクソオヤジ!!」

「ひ…ヒドイナルくん!!パパに向かってクソオヤジなんて…( ┰_┰)」

「なんでここに居るんだ!」

「ナルくんに会いに来たのだ(*´∇`*)」

 

ナルトは慌てて気配を読めばいいことも忘れて周囲をきょろきょろと確認する。

目視だけで誰もいないと確信してフゥ…と安堵の息を吐いたその時、カサリという音と共に

草むらの向こうから現れた桃色の少女にナルトは自分のバカさ加減を呪った…

 

「ナルト〜そろそろ時間よ〜って誰その人…」

「さ、サクラちゃん…え〜とコレは…えっと…」

「いつもナルくんがお世話になってます。ナルくんの<兄>です」

 

口ごもるナルトの前にしゃしゃり出た男はいつもの四代目の衣装ではなく、中忍以上に支給されている忍服だった。

そこのあたりはちゃんと考えているらしいが、その容姿でバレるだろ…と思うのはナルトだけだろうか…

そして追い討ちを掛ける様にその男の述べた言葉にナルトは唖然とする…

 

「…オイ…(いくらなんでもそれはバレるだろ…)」

「え?お兄さん?!」

「サクラ〜なにしてんのぉ?ナルト呼びにいくだけでどれだけ時間掛かってんのよ!」

「いの〜!!」

「何よ…っていうか誰?!」

「ナルトのお兄さんだってvv」

「え、マジで〜〜〜超カッコイイvvちょっとヒナタヒナタ〜」

「おい、いの待てって…(なんでバレねぇんだ…つかやべぇ騒ぎがでかくなる…)」

 

いのは大声で叫びながらヒナタを呼びに行った。

そんなことを聞けば当然他の奴らも来る訳で…しかも運悪く今日は三班合同任務ときた…

タイミングの悪い父親を睨みつけながら、ナルトは大仰に溜息を吐いた。

 

「ナルトの兄さんだって?!見たい見たい」←(見に来るな〜〜〜(T-T))

「ワワン!!」←(人語喋れ〜)

「アイツ家族いねぇんじゃなかったのか、めんどくせぇ」←(だったら来るな…)

「兄だと…それは面白い…」←(面白がるんじゃねぇよ…)

「ナルトの兄だと?!それは挨拶をしなければ!!」←(何か違ぇ…)

「ナルトくん…そっくりね…///」←(オレは断じてこんな奴に似てねぇ〜〜〜( ̄[] ̄;))

「ナルくんがいつもお世話になってま〜す!!」

『こちらこそ〜vv』

 

ナルトの自称兄に対して誰も疑問を持たないのかと不安に思ったナルトだが、一人だけ居た様だ…

その一人、シカマルはぶつぶつ呟いていた。

 

「…どっかで見たことあるような…」

「何ぶつぶつ言ってんのよ、シカマル」

「いや…あーちょっといいですか?」

「ん?な〜に??」

「ナルトには家族がいない筈ですが…」

「…(暗)ごめんね、僕が任務の所為でナルくんを一人にして…( ┰_┰)」

 

--…ちょっと待て…あながち間違ってないが、大間違いじゃねぇか…

 

「あ〜シカマルがナルトの兄さん泣かした〜」

「ワンワン!!」

「ちょっとお兄さんに謝んなさいよ!!」

「え゙…俺の所為かよ?!」

「泣かないでナルトのお兄さんvv」

「あ、サクラ汚いわよ…小汚い手でベタベタ触るんじゃないわよ!」

 

 

プチッ

 

 

ナルトの中で何かが切れた気がした…

一気に凍り付く空気に全員がその冷気が流れ出す方を恐る恐る振り返る。

 

「…いい加減にしろ…」

 

 

スパコーン!!(ハリセン)

 

 

「何するの!ナルくんヒドイ…(T^T)」←(みんなの手前、術ぶっ放さなかっただけありがたいと思え…)

『そうよナルト〜お兄さんに何てことすんのよ!!』

「なんでお前らまで…っていうかさぁ父さん」

『へ?父さん』

「時と場所を考えて出て来いよ…今任務中だってばよ?もしカカシにでも見つかったらどうするってば??」

「ああ〜カカシくんたちならあそこで眠ってるよvv」

「寝てる…眠らせたの間違いだろ…」

「そうとも言う。ま、それは置いといて…ナルくん遊ぼ?」

「はあ?!」

「ね、みんなも一緒に(*´∇`*)」

『は〜い!!』

「お前ら…( ̄Д ̄;;)もう、勝手にしろ!!」

「よし!!それじゃとりあえず、カカシくんたちに落書きだ!!」

 

--この人さすがナルトの父…ナルトと同じレベルだ…しかし…

 

『面白いからなんでもいいや〜ヽ(=´▽`=)ノ』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数時間後…

「くそぉ…なんだったんだあれ…ん〜?お前たちどうしたの??」

『くっくっくっくっく…』

「??」

『あーーーっはっはっは…』

『ヒィーーーーー苦しい…』

「プッ…先生たち…クク…もう任務終わったし…帰るってばよ?…オレ笑死しそう…」

「ああ……プッ…アスマなんだその顔…紅も…( ̄m ̄* )」

「お前こそ…(爆笑)」

「え…俺も?……お前らぁーーーーーーー!!」

「違うってば…フッ…俺たちの所為じゃないってばよ!!」

「じゃぁ誰がこんなことやるっていうのよ!!」

『ナルトのお父さんで〜す!!』

『?!』

「よし、みんな帰るってば!!センセーたちじゃ〜ね〜ってばよ☆」

『なんなんだ…一体…』

 

カカシ、アスマ、紅の三人は訳の分からないことに頭を抱えつつ、

ご丁寧にも油性ペンで書かれた落書きを朝までかかって一生懸命落としたとか…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「で、なんでまだ居るんだよ…」

「え〜だってナルくんといっぱい一緒に居たいじゃない?」

「…///勝手にしろ」

 

そう言ってどんどん先に進んでいくナルトを注連縄は嬉しそうに見つめていた。

 

ナルくん、いい友達がいっぱい出来てよかったね(*´∇`*)」

「ん?何か言った?」

「なんでもないよ〜それよりナルくん、一楽行こうよ☆」

「いいけど、その格好じゃバレるから変化しろよ?」

「うん、勿論(o^∇^o)…よしあの子にしよう!」

 

ボフン

 

「…なんでシカマルなんだよ…(-。−;)」

「ん〜なんとなく〜ナルくんと仲いいんじゃないかなぁって思って☆」

「なんだよそれ…まぁいいけどあんまその格好でベタベタすんなよ…」

 

その翌日、ナルトとシカマルがラブラブ腕を組んで歩いていたと噂になったとか…