去年はクリスマスボウルの所為でダメだった。

だから今年こそ!!

 

「ヒル魔くん!今年のクリスマスは空けといてよね!!」

「だ〜わかったっつっただろ?てめぇは何万回言えば気が済むんだ?!

一年も言い続けやがって…」

 

 

 

 

 

//Christmas//

 

 

 

 

 

 

念願のクリスマスデート…

まもりは嬉しそうにヒル魔の手に自分の手を絡める。

ヒル魔はいつも通りだが、それでも心なしか嬉しそうな顔をしている気がする。

 

「ねぇ、ヒル魔くん…どこに向かってるの?」

「いいとこ」

「いいとこって…///」

「ばーか…そんなんじゃねぇよ。このスケベ」

「///ヒル魔くんが誤解を招くような言い方するからでしょ!」

 

ヒル魔はフンと鼻で笑い、まもりは顔を真っ赤にして怒る。

それでも絡まった指は繋がれたまま…

 

 

 

 

 

 

恋人たちのクリスマス・イヴ。

セナと鈴音も勿論ラブラブデートの最中だった。

クリスマスボウルはどうした?!とかは聞かないで頂きたい…

 

「セ〜ナ、手が寒いなぁ〜」

「え…///」

 

鈴音の方が上手なこのカップルはいつも初々しい。

ドキドキする心臓に静まれっ!と訴えながら、セナはそっと鈴音の手を握る。

 

「も〜セナったらいつになったら慣れるのよ!あそこのカップルみたいに指絡ませたりとか

私もしたい!!」

 

鈴音の指差すカップルにセナは目を向け、そして固まった…

 

「鈴音…あれって…」

「え?…ええ?!妖兄とまも姉じゃない!!やっぱり付き合ってたのね…」

「まもり姉ちゃんとヒル魔さんが…うそぉ…」

 

驚くセナを鈴音はグイグイ引っ張っていく。

 

「え…鈴音、どこに行くの?」

「どこにって後つけるに決まってるじゃない!」

「ええ?!」

「セナの勉強の為よ!妖兄を参考にしなさい!!」

「そんなぁ〜」

 

 

 

 

 

 

 

「あ〜あ、せっかくのクリスマスなのに男ばっかり…セナの奴には断られちまうし…」

「セナくんには姉崎さんが居ますからね〜」

「あれ?皆知らなかったの??セナくんと鈴音ちゃんが付き合ってるの」

「フゴ!」

「おーマイシスターがそんな!!」

「はぁ?」

「はぁぁ?!」

「はぁぁぁ?!!」

『セナに先越されるなんて…』

 

モン太に雪光、そして栗田に小結、バカ、ハァハァ三兄弟の順である。

彼女の居ないモン太と小結とバカとハァハァ三兄弟は、部活帰りに寂しく街を歩いている

ところを意気投合し、買い物に来ていた栗田と合流し、塾帰りの雪光と出会い自然と集結してしまった。

結局、何故だかみんなで夕飯を食べに行く事になり今に至る。

と、巨体長身の栗田が何かを発見する。

 

「ねぇ、あれってその噂のセナくんと鈴音ちゃんじゃない?」

『え?どこどこ??』

「あ、ホントだ…にしても何やってんだアイツら…」

「なんか誰かの後をつけてるみたいな…」

「お〜い、マイシスター!!」

 

考えなしのバカは大声でセナを呼んでしまった…

焦ったセナは超光速で人込みを走り抜けバカの口を手で塞いだ。

自分の唇に人差し指を当て、シィッと言うと、バカはうんうんと首を上下させる。

それを確認してセナは口を塞いでいた手を退けた。

 

「何するんだ、セナくん…」

「だから静かにって言ってるでしょ!妖兄にバレちゃうじゃない!!」

『ヒル魔(先輩)??』

「あそこ見てよ」

 

全員がセナの指差す方向に目を向けて唖然とする。

 

『ヒル魔(先輩)(くん)とまもり(姉崎)さん?!』

「どうりで、今日は用事があるって言ってたわけだぁ…」

 

一人納得する栗田を除き、彼女の居ない男たちは驚きの余り口を半開きにしたまま固まっていた。

 

「あれつけてたの。だから邪魔しないで」

 

そう言ってセナの手を引きその場を去ろうとする鈴音に、面白そうだと全員が後ろに続いた。

 

 

 

 

 

 

 

「ったくぞろぞろと…」

「ヒル魔くん、なんか言った?」

「なんでもねぇよ。それより…着いたぞ」

「え…ここ?何もないじゃない…」

「まぁ、もうちょい待ってろ」

 

 

ドーン!!

 

 

「え…花火?!」

「特等席だろ?」

「うん…キレイ…」

 

目の前に散らばっていく色とりどりの火花にまもりは目をキラキラと輝かせた。

そのまもりを見て満足そうにヒル魔は口の端を上げる。

丁度良く置かれていたベンチに腰掛、まもりはヒル魔に寄り添う。

時々、互いに顔を見合わせ笑いあう二人…

本当にあれはヒル魔なのだろうかと誰もが疑うほど二人は楽しそうだった。

極めつけは…見詰め合ったままの二人の顔がゆっくりと近付いていく…

まもりの顎を支えるヒル魔の長い指がカナリイヤラシイ…

その様子を全員が草葉の陰で息を呑み見つめていた。

と、二人の唇が重なった瞬間…

それに興奮したモン太がセナの背中を押して、全員が前のめりに倒れ込む。

 

「セナ!!…みんな…何やってるの…」

「…アハハ…」

 

誤魔化すように笑うみんなを見ていたまもりはさっきの行為を見られていたことに気付き

顔を赤らめてさっきから静かに笑うヒル魔を睨みつける。

 

「ヒル魔くん、知ってたんでしょ…知っててやったわね!///」

「気付かないてめぇが悪い」

「バカ…///」

「おい、てめぇら。これからうちでパーティーだ!」

『は〜い!!』

「そして結局いつものメンバーなのね…二人っきりのクリスマスが…」

「こいつらと過ごせるのは今年までかも知れねぇが、俺たちは別に今年だけじゃねぇだろ?

来年も再来年もあるんだから、いいじゃねぇか」

「来年も…再来年も?」

 

まもりは俯いていた顔を上げ、ヒル魔を見上げる。

ヒル魔は相変わらず意地悪な笑みを浮かべていて…

でもどこか優しい笑みに思えてしまうのは既に重症なんだろうかと思いつつ、まもりは

ヒル魔の言葉を何度も何度も反芻していた。

 

--来年も再来年もって…それってこれからもずっと一緒ってことよね…///

 

ニヤニヤと不気味な笑いを浮かべるまもりに、ヒル魔はスッと左手を差し出す。

 

「ほら、行くぞ」

 

まもりはニッコリと微笑むとその手に自分の手を絡めた。

 

 

 

 

 

「セナ、ああいう風にやるのよ!わかった?」

「う…うん…///」

「(ノ_-;)ハア…こっちはまだまだみたいね…早く妖兄みたいに男前になってくれるといいんだけどなぁ…」

 

鈴音はしょうがないなぁと嘆息して、セナの手を握ってヒル魔たちの後を追った。

 

 

 

 

 

『いいなぁ〜俺(僕)も早く彼女欲しい…(フゴ!!)』

「幸せそうで良かったねぇ〜ヒル魔(⌒-⌒)」

 

クリスマスは一人身には優しくないらしい…

中には栗田みたいな男も居るけれど…

 

 

 

 

 

 

 

 

壱万打御礼&Xmasフリー小説という事で書いてみました…

CPは一応ヒルまも/セナ鈴で…

こんなもの貰って頂けるかどうかとても不安なのですが…

もし良ければ貰ってやって頂けると非常に嬉しいです。

お持ち帰り方法

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フリー期間:〜2006年年明け

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ホントに壱万HITS有難う御座いました!!

 

I wish YOU...

A Merry Christmas & A Happy New Year!!

 

By ARKY