いつからだろう…アイツの俺を呼ぶ声が耳から離れなくなったのは…

 

「ヒル魔くん」

 

まただ…またアイツの声がズカズカと俺の中に入り込んでくる。

酷く気になる。

わけがわからねぇ…なんでこんなに気になるのか…

なんでアイツの声を聞く度にこんなにも抱き締めたいと思うのか…わけがわからねぇ…

 

 

 

 

-----------君の声-----------

 

 

 

 

「ヒル魔くん?ちょっと聞いてるの?ヒル魔くんってば!!」

「うるせぇんだよ…」

「なっ……ヒル魔くんが呼んでも応えてくれないからでしょ!返事くらいしなさいよ!!」

「違う」

「ちょ…ちょっとヒル魔くん…?!」

 

ヒル魔に掴まれた腕が酷く熱い…まもりは慌てて引き抜こうとするが、

男のヒル魔に敵う訳もなく、ただもがくばかりだった。

 

「なあ?」

 

急に腕を引かれ、まもりは危うくヒル魔の胸にダイブするところでなんとか踏み止まり、

見上げればヒル魔の顔は自分のすぐ側にあった…唇から漏れる息が掛かるほど…

ゴクリと唾を飲み込むとまもりはキッと睨み付けた。

 

「何するのよ!」

「なあ?」

「な…何よ…」

 

問いかける表情はいつもの子供染みた悪戯な笑いを浮かべていなかった。

どちらかと言えば、吸い込まれてしまいそうなほど色っぽくて…まもりは思わず顔を背ける。

 

「お前、俺のことが好きなのか?」

「はっ?!なっ…なんでそんな話になるのよ!///」

「顔…赤いぞ?」

 

ヒル魔は無表情にその長い指でまもりの頬を撫でる。

いつものヒル魔では考えられないほど異常な行動に驚きつつも、頬を撫でられる感覚に

我を失ってしまいそうになる…

体温が尋常でない勢いで沸騰していくのを感じる。

 

「そんなわけないじゃない!!///」

「ほら、また赤くなった」

 

クスリと珍しい笑みを浮かべるヒル魔にまもりは思わずじっと見つめてしまう。

 

--ヒル魔くん、こんな笑い方できるんだ…

 

「見惚れんなよ…」

「み…見惚れてなんかないわよ!!///うぅ…」

 

小さく唸り声を上げるまもりにヒル魔は顔を寄せてニヤリと笑う。

その顔はいつものヒル魔でまもりはまたからかわれた…と思った。

 

「なによ!!」

 

でも、それは大いに誤解だったらしい…

 

「キス…してやろうか?」

 

顔に血が集まっていくのがわかる…今自分がどんな顔をしているのか鏡を見なくてもわかる。

 

「バカ…何言ってんのよ!」

「いらねぇの?」

「い…いらないわよ…」

「あっそ」

 

さっきまでのことなど何もなかったかの様にヒル魔は踵を返した。

一瞬にして温もりが消え、離れてしまった距離が寂しくなる。

気付いた時にはまもりはヒル魔の制服の裾をキュッと握って引き止めていた。

 

「ヒル魔……くん

 

名前を呼び終わる前に振り返ったヒル魔に唇を塞がれていた。

 

「てめぇが俺を呼ぶ声が頭から離れねぇんだよっ…人恋しげに啼きやがって…」

 

吐き捨てるようにそう言ったヒル魔に、やっと今までの行動の意味がわかり、

まもりはフフ…と笑いを漏らす。

 

「人恋しいんじゃなくて、ヒル魔くんが恋しくてずっと啼いてたの。

今まで私気付いてなかった…でもちゃんとヒル魔くんには伝わってたんだね…」

「……」

「私はヒル魔くんが好きよ」

「最初っからそう言え、糞バカマネ」

 

今度こそ面白そうに悪戯っ子の笑みを浮かべながらヒル魔はまもりに口付けた。

と、後ろから誰かが部室へ向かって来る声が聞こえ、まもりは慌ててヒル魔の胸を叩くが、

ヒル魔はそれに怯むことなく唇を離そうとしない。

 

「ちょ……ヒル…魔……ん…」

 

口付けながら器用に笑ったその悪魔はガラッと扉が開くと同時に唇を離し、

部員たちは床にへたり込んだまもりと、嬉しそうに笑う悪魔を見たとか…

 

 

 

 

参万打御礼フリー小説第四弾。

メリーサマからリクエスト頂きました強気な攻めヒル魔とたじたじなまもり…の筈なんですが…

なんですが。

強気か?寧ろ弱い??しかもまもりたじたじしてねぇっΣ

多分きっと書き直しますかもしれません…(汗

 

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フリー期間:〜肆万打御礼小説まで

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本当に参万HITS有難う御座いました!!

今後ともARKISH ns+を何卒宜しくお願い致します<(_ _)>